東京都江戸川区の社会保険労務士事務所、ヒトと会社の絆を結ぶエキスパート

北村社労士事務所事務所通信

最新号

平成27年9月号 Kitamura SR News

「マイナンバー制度」雇用保険関係の最新情報!

◆厚労省から続々と情報が公表
8月に入り、厚生労働省から雇用保険関係のマイナンバー制度に関する情報が続々と公表されています。

まず、8月3日に「概要リーフレット」と、事業主向けの詳細資料である「マイナンバー制度の導入に向けて(雇用保険業務)」が公表され、来年1月から使用するマイナンバー制度に対応した雇用保険関係の様式案(7月時点の改正案)も公開されました。 さらに8月5日には「雇用保険業務等における社会保障・税番号制度への対応に係るQ&A」が公表されています。

マイナンバー制度に関する同省関係の情報発信は、国税庁などに比べると遅れ気味ではありますが、ようやく出てきたといった感じです。
なお、個人番号については厳重な管理が必要とされているため、同省ではできるだけ電子申請による届出を行うよう呼びかけています。

◆「Q&A」の内容
以下では、上記「Q&A」の内容からいくつかご紹介します(全体版は『厚生労働省 マイナンバー制度 雇用保険関係』で検索してご覧ください)。

Q7 「離職票−1」は事業主が個人番号を記載して離職者に交付するのか。
(答)「離職票−1」の個人番号欄は離職者が記載することとしており、事業主はハローワークから交付された「離職票−1」(個人番号欄は空欄)を離職者に交付していただくこととなります。

Q9 雇用保険手続について、手続の契機ごとに同一従業員の個人番号を重複して提出することになるのか。
(答)個人番号のハローワークへの届出にあたっては、事業主が従業員から個人番号を収集する際に本人確認を行った上で提出することからハローワークでは本人確認等の事務は行わないこととなりますが、仮に、個人番号が誤って登録された場合には、その後の事務処理に多大な影響を生じることとなることから、手続頻度の高い届出について、届出の契機ごとに、個人番号を記入して提出することとしています。

Q11 従業員から個人番号の提供を拒否された場合、雇用保険手続についてどのような取扱いとなるのか。
(答)雇用保険手続の届出にあたって個人番号を記載することは、事業主においては法令で定められた(努力)義務であることをご理解いただいた上で、従業員から個人番号の提供を求めることとなりますが、仮に提供を拒否された場合には、個人番号欄を空白の状態で雇用保険手続の届出をしていただくこととなります。その上で、再度、従業員から個人番号の提供を求めた上で、個人番号の提供があった場合には、所定の様式により提出していただくこととしています。

平成27年度 最低賃金額引上げの目安と企業の対応

◆地域別最低賃金額改定の目安
地域別最低賃金額が10月から引上げとなる見込みです。引上げ額の目安については、都道府県の経済実態に応じ、次の通り提示されています。

・Aランク⇒19円(千葉・東京・神奈川・愛知・大阪)
・Bランク⇒18円(茨城・栃木・埼玉・富山・長野・静岡・三重・滋賀・京都・兵庫・広島)
・Cランク⇒16円(北海道・宮城・群馬・新潟・石川・福井・山梨・岐阜・奈良・和歌山・岡山・山口・香川・福岡)
・Dランク⇒16円(青森・岩手・秋田・山形・福島・鳥取・島根・徳島・愛媛・高知・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)

◆今後の流れ
現在、各地方最低賃金審議会で上記の目安を参考に調査審議が行われており、その答申を経て、各都道府県労働局長が地域別最低賃金を決定することとなります。 もっとも、提示された目安と異なる地域別最低賃金額が定められた例は過去ほとんどなく、目安額通りに決定されるものと考えられます。

◆引上げ前のチェックが必要
最低賃金額に近い額で雇用契約を結んでいる従業員が多い事業場では、引上げ後の最低賃金額を上回る額が支払われているか、注意が必要です。
時間給を計算してみると最低賃金額を割り込んでしまっているケースが、アルバイト・パートタイマーはもちろん、正社員の場合であっても散見されます。

時給制の場合にはわかりやすいのですが、月給制や日給制の場合は、賃金額を労働時間数で割り戻して時間給を算出し、最低賃金額と比較してみてください。

賃金額が最低賃金額を下回る場合には刑事罰が定められており(最低賃金法40条、50万円以下の罰金)、悪質な場合には書類送検の可能性もあります。「引上げにきちんと対応できていなかった」という“うっかりミス”が多い部分ですので、10月の引上げ前に、再度、最低賃金額関連の管理について見直しておきましょう。

運用次第で給付額が変動可能に!「第3の企業年金」とは?

◆来年度から導入か?
厚生労働省は、新しい企業年金制度を創設することを明らかにし、制度設計の検討に入りました。今後、企業年金の関連政令を改定し、早ければ来年度にも企業が導入できるように議論が進められています。
現在の企業年金は、「確定給付型」と「確定拠出型」の2種類ですが、双方の特徴を併せ持つ「第3の企業年金」として新たな企業年金制度が設けられることになります。

◆制度の特徴は?
確定給付型年金は、企業が掛金を負担して運用するため、従業員にとってはメリットの多い制度ですが、企業の負担が大きく制度を辞める企業が増えています。
企業の負担を和らげるために2001年に導入された確定拠出型年金は、加入者が自分で運用するため、個人のリスクが大きいとされています。
今回検討されている「第3の企業年金」では、運用は確定給付型のように企業が行いますが、年金額は確定拠出型のように変動することになります。つまり、加入者は運用リスクを引き受けることになりますが、個人で運用する必要はなくなります。

◆企業への影響は?
現在、勤務先で企業年金に加入している人は約1,700万人(2014年3月時点)で、これは会社員の約40%強が加入していることになります。最近では、確定給付型の厚生年金基金からの脱退や基金の廃止が相次いでいるため、「第3の企業年金」の創設により、多くの企業が企業年金制度を見直すことが予想されます。

=9月号は以上です=

平成27年8月号 Kitamura SR News

深夜残業翌日は遅出の「勤務間インターバル制度」導入の動き

◆「勤務間インターバル制度」とは?
この制度は、終業から次の始業までの間に一定の休息を取らせる仕組みで、大企業での導入が増えています。極端な働き過ぎを防ぐことが目的ですが、今後、多くの企業に広がるか注目されています。

◆KDDIの事例
KDDIはこの7月から、「8時間以上の休息確保」ルールを本格的に始めました。 管理職を除く社員約1万人が対象で、午前1時以降の勤務を原則禁止し、始業時刻の午前9時までに8時間以上の休息が取れるようにするというものです。 1時以降も働いた場合には、次の出勤をその分ずらすことになります。例えば午前2時退社なら、翌朝の出勤は10時以降となります。また、8時間ギリギリの日が続かないよう、休息が11時間を下回った日が1カ月に11日以上あった場合は本人や上司に注意を促します。以前からあった制度ですが、組合の求めに応じて対象を広げたものです。

◆EUではすでに義務化
欧州連合(EU)では、すでに11時間以上の勤務間インターバルの確保を企業に義務付けていますが、日本ではこうした法規制はありませんので、労組が経営側と話し合って自主ルールとして確保に乗り出しています。

◆今後の広がりは?
24時間営業のレストランを展開するある企業では昨春、店長ら従業員に「11時間以上の休息」を取らせる仕組みをつくりましたが、「店長に急な残業が入っても、翌朝の仕事をパートに頼める雰囲気ができた」などと喜ばれているようです。3週間分の勤務計画を本社がチェックし、人手不足で休息が取れない店には、近くの店から従業員を派遣させているそうです。

◆仕事の分担や効率化を進める取組みも必要
ただ、この制度で働き過ぎが必ず防げるわけではありません。8時間の休息では、通勤や食事時間を除くと睡眠は5時間ほどになり、連日続いたら働き手の健康を害するレベルです。また、休息が取れたとしても仕事量が減らなければ、かえって働き手を精神的に追いつめる恐れもあります。
中小企業や労組のない企業への浸透も課題です。厚生労働省の審議会では昨冬、労組側から「勤務間インターバルを導入すべきだ」との意見が出ましたが、経営側が「企業に一律に導入するのは不可能」と反対し、法案化には至りませんでした。

個別労使紛争の主な解決手段と「解決状況確認ツール」の活用

◆個別労使紛争の解決手段
解雇や労働条件の引下げといった問題をめぐり、企業と個々の労働者との間で生じる紛争の主な解決手段として、「労働局によるあっせん」「労働審判」「民事訴訟」が挙げられます。各制度の特徴は、以下の通りです。
・「労働局によるあっせん」:弁護士、大学教授、社会保険労務士などの労働問題の専門家により組織された紛争調整委員会が、当事者双方の主張の要点を確かめます。双方から求められた場合には、両者に対して、事案に応じた具体的なあっせん案を提示します。(都道府県労働局によるあっせんの場合。この他、都道府県労働委員会・労政主管部局等でも個別労働関係紛争のあっせんを実施しています)
・「労働審判」:労働審判官(裁判官)1名と労働関係の専門的な知識と経験を有する労働審判員2名で組織された労働審判委員会が、原則として3回以内の期日で審理し、適宜調停を試みます。調停による解決に至らない場合には、事案の実情に即した柔軟な解決を図るための労働審判を行います。 ・「民事訴訟」:裁判官が、法廷で、双方の言い分を聴いたり、証拠を調べたりして、最終的に判決によって紛争の解決を図る手続きです。訴訟の途中で話合いにより解決(和解)することもできます。

◆最近の傾向
先日、厚生労働省が「予見可能性の高い紛争解決システムの構築」に関する調査結果を公表し、上記の3つの解決手段を利用した場合、「会社が従業員に金銭を支払って解決した事案」が9割を超えたことがわかりました。 内閣府の規制改革会議でも、裁判で不当解雇と認められた場合に労働者が申し出れば金銭補償で解決できる制度について、年内にも導入の検討を始めると発表しています。

◆「解決状況確認ツール」とは?
そんな折、厚生労働省は、個別データに基づいて条件を設定すると労働紛争の解決状況を確認することができるサイトを開設しました。具体的には、(1)事案の内容(普通解雇、整理解雇、労働条件引下げ等)、(2)残業代請求の有無、(3)労働者の性別、(4)雇用形態、(5)勤続年数、(6)役職、(7)月額賃金、(8)企業規模の条件を設定すると、その条件に合った事件の解決方法(あっせん、労働審判、和解)や利用期間、金銭解決の場合であれば解決金を調べることができます。

トラック運送業の「長時間労働改善」に官民が本腰

◆本腰を入れ始めた官民
本年5月、厚生労働省に「トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会」が設置されました。この協議会の規約によると、「トラック運送事業者、荷主、行政等の関係者が一体となり、トラック運送業における取引環境の改善及び長時間労働の抑制を実現するための具体的な環境整備等を図る」ことが目的だそうです。

◆労基法の改正を見据えて
現在国会で審議されている「労働基準法等の一部を改正する法律案」では、中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金を見直すことが盛り込まれています。
現在、月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)が中小企業については適用が猶予されていますが、この猶予措置を廃止する内容です。廃止時期(予定)は平成31年4月1日ですが、トラック運送業者にとっては特に影響が大きいと言えます。 法改正への対応のため、国・行政は今後平成30年度にかけて、企業の実態調査や労働時間縮減のための助成事業、長時間労働改善ガイドラインの策定と助成事業などを行うことを協議会で検討していくようです。

◆労働時間の状況
労働時間の最近の状況をみると、パート労働者の比率の上昇により、年間総実労働時間は減少傾向で推移しています。また、週の労働時間でみると、60時間以上の人の割合は全体では近年低下傾向で推移し、1割弱となっていますが、30代男性では17.0%と、以前より低下したものの高水準で推移している状況です。これをトラック運送業界についてみると、特に中小企業では、時間外労働が60時間超となる労働者の割合が非常に多い状況にあります。また、長時間労働に伴う労災(脳・心臓疾患、精神障害)の件数も多くなっています。ドライバーが運転中に意識を失ったりすれば、他者を巻き込んだ死亡事故等に直結し、会社の存続に関わる事態となります。

平成27年7月号 Kitamura SR News

東京労働局が公表した労基法・最賃法違反による送検事例

◆業種別では建設業がトップ
東京労働局から「平成 26年度司法処理状況」が発表されましたが、これによると1年間(平成26年4月〜平成27年3月)の間に、東京労働局と管下の18労働基準監督署・支署が東京地方検察庁へ送検した司法事件は54件(前年度比4件減少)だったそうです。
業種別では、建設業(22件)、製造業(9件)、接客業(5件)が上位を占め、違反事項別では、賃金・退職金不払(17件)、死亡災害等を契機とした危険防止措置義務違反(12件)、労災かくしが(11件)が上位を占めました。以下では、東京労働局が公表した送検事例のうち、労働基準法・最低賃金法違反に関する事例をご紹介します。

◆違反事例(1)
託児所を営むA社は、労働者Bの平成24年1月分賃金(17,250円)および労働者Cの同年2月分賃金(80,690円)の合計97,940円を所定の各賃金支払期日である同年2月29日、同年4月4日に全額支払わず、もって法で定める最低賃金を支払わなかった。 労働者14名が不払賃金(合計約221万6,000円)の行政指導による救済を求め労働基準監督署に申告に及んでいたが、 A社は労働基準監督署の行政指導に従わなかった。 A社の代表者は再三の出頭要求に応じなかったことなどから、逮捕のうえ、送検された。

◆違反事例(2)
パン製造販売業を営む会社のパートタイム労働者3名(時給900円〜950円、1日の所定労働時間6時間)に対し、平成25 年12月1日から同月31 日までの間、最長で月 139 時間に達する時間外労働を行わせ、もって時間外労働協定の延長時間の限度を超える違法な時間外労働を行わせていた。また、同期間、本来支払うべき時間外労働に対する割増賃金のち3割程度しか支払っていなかった (1人当たり最大で約11 万円/月の時間外手当不払が発生していた)。

◆労働局の今後の方針
同労働局では、過重労働による健康障害を発生させた企業等であって違法な長時間労働を繰り返すなど「重大・悪質な労働基準法違反」の事案に対しては、積極的に捜査を行い、送検手続をとる方針とのことです。

「第三次産業」における労災発生状況の特徴は?

◆第三次産業の労災発生状況
厚生労働省から、「第三次産業における労働災害発生状況の概要(平成26年)」が発表されました。この中から特徴的な傾向について取り上げます。

◆小売業
労働災害は平成21年より増加傾向にあり、平成26年は13,365件(前年比4%増)でした。事故のパターンとしては、「転倒」が多く(34%)、次いで「動作の反動・無理な動作」(13%)となっており、これだけでほぼ半数を占めています。転倒災害の多くは9〜11時台に発生しています。また、経験年数3年未満の死傷者が全体の45%を占め、50歳以上の災害が約7割を占め、かつ年々増加傾向にあります。さらに、休業見込が1月以上の災害が約6割となっています。

◆社会福祉施設
労働災害が年々急増しており(6年間で1.5倍)、平成26年は7,224件(前年比8%増)となりました。小売業と同様、転倒災害が多く(31%)、9〜11時台に発生しており、50歳以上の災害が約7割を占めています。
また、業種の特徴として、介護等に伴う「動作の反動・無理な動作」による災害が34%を占めています。特徴的な、「腰痛」の発生件数は年々増加しており、平成26年は1,023件(前年比3%増)となりました。

◆飲食店
平成26年は4,477件(前年比1%増)ですが、年々増加しています。ここでも「転倒」が28%を占め、続いて職種柄か「切れ・こすれ」(24%)、「高温・低温物との接触」(17%)が続いています。また、30歳未満の死傷者数が全体の3分の1を占め、9〜12時の作業になれていない時間と繁忙時間となる18〜20時に発生しやすい傾向にあります。さらにここでも、転倒災害は9〜11時台に多く発生し、50歳以上の災害が約6割を占めています。

◆高年齢労働者の災害防止が重要になる
近年、転倒による労働災害が急増している背景には、労働者の高年齢化があります。今回の発生状況を見ても、50歳以上の転倒によるものが目立っており、骨盤・大腿の骨折等により休業日数が長くなることが多いです。
第三次産業では、製造業等に比べると重篤な災害が少ないということから、現場の安全性に対して意識がおろそかになってしまう傾向にありますが、これから労働力人口の一層の高年齢化が見込まれる中、高年齢労働者の転倒災害の防止は一層重要な経営事項になるでしょう。

深刻化する「ブラックバイト」の実態は?

◆「ブラックバイト」とは?
学生のアルバイトに過重な働き方を強要させ、学業等の学生生活に支障をきたしてしまう「ブラックバイト」が深刻化しています。 ブラック企業対策プロジェクトは、昨年7月にアルバイト経験のある大学生に調査を行い、「3割弱の学生が週20時間以上のアルバイト就労」「4人に1人が会社の都合で勝手にシフトを入れられている」「不当な扱いの経験率は7割弱」との実態を公表しました。
これらの他にも、「ノルマの未達成を理由に商品の買い取り」「上司からのパワハラ・セクハラ」などが挙げられており、違法行為が存在している可能性もあるとして問題となっています。

◆学生がアルバイトを辞められない理由とは?では、なぜこういった事態が起こっているのでしょうか。
理由の1つは、学費の高騰、仕送り額の減少、奨学金制度の不備などによって、多くの学生は、収入がなければ学生生活を送ることが困難な状況になっていることです。こうした学生の経済事情につけ込み、アルバイトに正社員並みの義務やノルマを課したり、違法な労働をさせたりする企業が増加しています。 また、学生の責任感の強さを利用してあえて重い責任の仕事を与えたり、職場での人間関係を密にしてバイト先を学校以上の居場所にさせたりといったことが意図的に行われている場合もあります。

◆最新の動向は?
厚労省は4月から、学生がアルバイトをする際にトラブルに巻き込まれることがないよう、労働基準法などに関する知識を持ってもらう「アルバイトの労働条件を確かめよう!」というキャンペーンを始めました。 また、大学生の労働相談を受け付ける労働組合「ブラックバイトユニオン」は、アルバイト先で不当な扱いを受けた際には労働組合や弁護士等に相談するよう呼びかけ、トラブルに遭った際には給与明細やメモ、録音データ等の証拠を残すことを解決策として挙げています。

=7月号は以上です。酷暑の折柄、熱中症にご注意ください=

平成27年6月号 Kitamura SR News

最低限押さえておくべき「マイナンバー対策」のポイント

◆小規模事業者向けの資料が公開
通知カードの送付が10月(中旬〜下旬になると言われています)に迫ってきましたが、先日、特定個人情報保護委員会から、小規模事業者向けのマイナンバー関連資料「小規模事業者必見! マイナンバーガイドラインのかんどころ〜入社から退職まで〜(平成27年4月版)」が公開されました。以下では、小規模事業者が最低限押さえておくべき、場面(入社、源泉徴収票の作成、退社等)ごとのポイントと留意点をご紹介いたします。

◆マイナンバー制度対応のポイント&留意点
(1)入社
・社員からマイナンバーが記載された書類(扶養控除等申告書等)を取得する。取得の際は、「源泉徴収票作成事務」「健康保険・厚生年金保険届出事務」「雇用保険届出事務」で利用することを知らせる。
・社員からマイナンバーを取得したら、個人番号カード等で本人確認を行う。
・マイナンバーが記載されている書類は、カギのかかるところに大切に保管する。
・マイナンバーが保存されているパソコンをインターネットに接続する場合は、最新のウィルス対策ソフトを入れておく。

(2)源泉徴収票などの作成
・マイナンバーを扱う社員を決めておく。
・マイナンバーの記載や書類の提出をしたら、業務日誌等に記録するようにする。
・源泉徴収票の控えなど、マイナンバーの記載されている書類を外部の人に見られたり、机の上に出しっぱなしにしたりしないようにする。

(3)退職
・退職所得の受給に関する申告書等、退職する人からもらう書類にマイナンバーが含まれている。
・退職の際にマイナンバーを取得した場合の本人確認は、マイナンバーが間違っていないか過去の書類を確認することで対応可能。
・保存期間が過ぎたもの等、必要がなくなったマイナンバーは廃棄する。マイナンバーを書いた書類は、そのままゴミ箱に捨ててはいけない。

(4)支払調書の作成
・税理士や大家・地主等からマイナンバーを取得する。取得の際は、「支払調書作成事務」等
で利用することを知らせ、本人確認も忘れずに行う。
・気をつけることは、社員のマイナンバーと同じ(カギのかかるところに大切に保管、最新のウィルス対策ソフトの導入、マイナンバーを使う社員の特定、業務日誌などへの記録、机の上に出しっぱなしにしない、必要がなくなったマイナンバーは廃棄)。

ご存知ですか? 雇用保険給付金の申請期限が過ぎても申請可能に!

◆申請期限が過ぎても…
育児休業給付金や介護休業給付金をはじめとする雇用保険の給付金について、支給申請をしたものの、「申請期限が過ぎていて給付を受けられなかった」ということはありませんか?しかし、これからはそういった心配やミスはなくなりそうです。

◆時効完成までの期間であれば申請可!
これまでは、雇用保険の受給者保護と迅速な給付を行うために、申請期限を厳守しなければなりませんでしたが、今年の4月より、申請期限を過ぎた場合でも時効が完成するまでの期間(2年間)については申請が可能になりました。ただ、申請期限内に支給申請をしないと、通常より給付金の支給が遅くれる場合や、雇用保険の他の給付金が返還になる場合もありますので、原則、申請期限内に支給申請を行うことが大切です。

◆申請期限が過ぎ給付が受けられなかった?
以前に給付金の支給申請を行ったにもかかわらず、申請期限が過ぎたことで支給されなかった場合はどうでしょうか。この場合についても再度申請をし、その申請日が給付の時効の完成前で給付金の支給要件を満たしていれば、給付金は支給されます。該当する方はいないか、確認してください。

◆対象となる給付は?
雇用保険の各給付のうち、下記のものが対象となります。<対象となる給付>
高年齢雇用継続基本給付金、高年齢再就職給付金、育児休業給付金、介護休業給付金、一般教育訓練に係る教育訓練給付金、専門実践教育訓練に係る教育訓練給付金、教育訓練支援給付金、就業手当、再就職手当、就業促進定着手当、常用就職支度手当、移転費、広域求職活動費

「確定拠出年金」制度導入企業増加の背景と法改正の動き

◆政府目標は2万社
大企業を中心に確定拠出年金(以下、「DC」)制度を導入する企業が増えており、政府が目標としている2万社を近く達成する見通しになりました。

◆導入企業増加の背景
DC導入企業が増えている要因として、3つのことが考えられています。

(1)企業負担が少ないこと
年金給付額が確定されていて、運用利回りが予定より下回った場合、その差額を企業が負担しなければならない確定給付年金(以下、「DB」)と異なり、DCは穴埋めしなければならない義務がありません。 (2)政府による導入の後押しがあること
政府は、DCの非課税になる掛金額の上限を引き上げ、導入の後押しをしています。
(3)運用環境が好転したこと
日経平均株価の上昇や、外貨で運用した場合の円安による含み益増がありました。

◆法改正と今後の動向
政府は、公的年金を補う私的年金の柱としてDCを拡充する方針です。
(1)企業年金の普及・拡大
・事務負担等により企業年金の実施が困難な中小企業(従業員100人以下)を対象に、設立手続等を大幅に緩和した「簡易型DC制度」を創設する。
・中小企業(従業員100人以下)に限り、個人型DCに加入する従業員の拠出に追加して事業主拠出を可能とする「個人型DCへの小規模事業主掛金納付制度」を創設する。
・DC拠出規制単位を月単位から年単位とする。
(2)ライフコースの多様化への対応
・個人型DCについて、第3号被保険者や企業年金加入者(企業型DC加入者については規約に定めた場合に限る)、公務員等共済加入者も加入可能とする。
・DCからDB等へ年金資産の持ち運び(ポータビリティ)を拡充する。
(3)DCの運用の改善
・運用商品を選択しやすいよう、継続投資教育の努力義務化や運用商品数の抑制等を行う。
・あらかじめ定められた指定運用方法に関する規定の整備を行うとともに、指定運用方法として分散投資効果が期待できる商品設定を促す措置を講じる。

平成27年5月号 Kitamura SR News

通常国会に提出された「労働基準法改正案」のポイント

◆ついに法案提出!
労働基準法等の一部を改正する法律案(労働基準法改正案)が、4月3日に通常国会に提出されました。法案の内容は企業の労務管理にとって非常に影響が大きいものであり、4月下旬に審議入りとなる見通しですが、今国会で成立するかは不透明な状況だとも言われています。

◆改正案のポイント
(1)中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し
月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置が廃止されます。

(2)著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設
時間外労働に係る助言指導にあたり、「労働者の健康が確保されるよう特に配慮しなければならない」旨が明確にされます。

(3)一定日数の年次有給休暇の確実な取得
会社は、10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととされます(労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はありません)。

(4)企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進
企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組みを促進するため、企業全体を通じて一の労働時間等設定改善企業委員会の決議をもって、年次有給休暇の計画的付与等に係る労使協定に代えることができることとされます。

(5)フレックスタイム制の見直し
フレックスタイム制の清算期間の上限が「1カ月」から「3カ月」に延長されます。

(6)企画業務型裁量労働制の見直し
企画業務型裁量労働制の対象業務に「課題解決型提案営業」と「裁量的にPDCAを回す業務」が追加されるとともに、対象者の健康確保措置の充実や手続きの簡素化等の見直しが行われます。

(7)特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設
職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、健康確保措置等を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定が適用除外とされます。
また、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、会社は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないことされます。

◆施行日は?
法案が成立した場合の施行期日は平成28年4月1日ですが、上記(1)については平成31年4月1日とされています。

“過酷な職場”の正社員はどのような意識を持って働いている?

◆調査の概要
独立行政法人労働政策研究・研修機構が全国の15〜34歳の正社員(回答数:約1万人)を対象として行った、「正社員の労働負荷と職場の現状に関する調査」の結果が公表されました。調査項目は、採用時の状況や賃金、残業、教育訓練、目標管理、本人の満足度や今後の職業生活等です。調査結果からは、精神的・肉体的な労働負荷が過重となっている正社員が、どのような職場環境で、どのような意識を持って働いているのかがうかがえます。

◆「大量離職大量採用」と「早期離職」にみられる特徴
長時間労働等の問題がある会社の中でも、問題が多い会社の正社員に多いのが「入社 3 年未満で管理職に抜擢される人がいる」という回答です。こうした会社では、「大量離職と大量採用が繰り返される」、「精神的に不調になり辞める人が多い」、「過大なノルマがある」等の傾向があり、また、早期離職が多い職場ではそれぞれの項目で数値が多くなっています。現在、労働行政が厳しく対応していくとしている「若者の使い捨て」に関するポイントが多くみられます。

◆求人情報と実際の労働条件とのギャップ
採用前に提示された求人情報と実際の労働条件との間のギャップについての結果からは、正社員の離職割合が高い会社や、大量離職と大量採用が繰り返されている会社のほうが、「労働時間の長さ」「休暇の取得しやすさ」「給与水準」「手当や福利厚生の内容」「仕事の内容」に関して、採用後のほうが「悪い」と感じていることがわかります。

◆残業と仕事への責任感
正社員の離職割合が高いほど、「仕事への責任感」「仕事や成果へのこだわり」が低下する傾向にある一方、無駄な仕事や人員不足が長時間の残業の一因となっているようです。
社員が定着しない企業では、仕事の進め方自体の見直しも必要なようです。

◆労務問題の解決のために
以上から、ハローワークによるブラック企業についての求人拒否、労働基準監督署による長時間労働等の問題のある会社への監督・指導の強化等、今後、労働行政が厳しく対応していくようです。

厚労省が介護職員の待遇改善加算金の使い道を厳格化

◆職員の待遇改善を厳格監視
4月からの介護報酬改定に合わせて、介護職員の待遇改善に使い道を絞って支給される加算金について、厚生労働省は事業者が介護報酬を請求する際の要件を厳しくするよう、都道府県などに通知しました。加算を受ける前後の職員の賃金水準を報告させるのが柱で、確実に給料アップにつなげる狙いです。

◆介護報酬は引下げ、職員の待遇改善は加算金で
介護報酬の改定により、介護事業者が受け取る介護報酬は全体として2.27%引き下げられました。一方で、低賃金で人手不足が深刻な介護職員の待遇を改善するために、要件を満たせば月1万2,000円ほど給料アップできる額を加算金で上積みすることとなりました。

◆これまでは請求方法に「抜け穴」も
加算を受ける事業者は、給料の改善計画と実績を都道府県などに届け出る必要があります。
基本給や賞与などから事業者が改善する項目を選び、これまでは必要な加算額だけ記載していましたが、この方法だと例えば基本給を増額した分、賞与を減らすなどすれば、その職員の給料の総額は変わらなくても、事業者は加算を受けられてしまう仕組みになっていました。

◆加算金の使い道を監視
この「抜け穴」をふさぐため、4月以降に求める報告では、賞与や手当を含めた総額の賃金水準を、加算の前後で比較できるようにします。基本給を上げるとして加算金を請求したのに総額の賃金水準が上がっていなければ、賞与などを下げたことがわかります。 計画通りに実施されていない場合は事業者に説明を求め、悪質な場合は加算金の返還を求めます。

平成27年4月号 Kitamura SR News

「マイナンバー制度」対応で必要となる準備事項とは?

◆来年1月から番号利用がスタート
今年10月からマイナンバー(個人番号)の市区町村から全国民への通知が開始され、来年1月からはマイナンバーの利用が始まります。
制度がスタートすると、企業は給与所得の源泉徴収票の作成や社会保険料の支払い等においてマイナンバーの取扱いが必要となりなますが、日本経団連では、3月9日に「マイナンバー制度への対応準備のお願い」という文書を発表し、主な準備事項を示しました。

◆必要となる準備事項の内容は?
その文書では、制度開始に向けて企業は次の事項を行わなければならないとされています。

1.対象業務の洗い出し
(1)マイナンバーの記載が必要な書類の確認
・給与所得の源泉徴収票、支払調書等の税務関係書類
・健康保険・厚生年金保険、雇用保険関係書類
(2)マイナンバー収集対象者の洗い出し
・従業員等(従業員に加えて役員やパート・アルバイトを含む)とその扶養家族
・報酬(講師謝礼、出演料等)の支払先
・不動産使用料の支払先
・配当等の支払先

2.対処方針の検討
(1)組織体制の整備
(2)社内規程の見直し
(3)担当部門・担当者の明確化等
(4)身元(実在)確認・番号確認方法に係る検討、明確化等
(5)物理的安全管理措置の検討(区域管理、漏えい防止等)
(6)収集スケジュールの策定

3.マイナンバー収集対象者への周知
(1)収集までのスケジュールの提示(収集開始時期等の確定)
(2)教育・研修
(3)利用目的の確定・提示

4.関連システムの改修(自社にてシステム構築を行っている場合)
(1)人事給与システム
(2)健康保険組合システム

5.委託先・再委託先の監督等
(1)委託先の選定
(2)必要かつ適切な監督を行うための契約の締結(取扱い状況を把握する方法を含む)

4月から在職老齢年金の支給停止調整額が「47万円」に改定

◆受給開始を迎える方、受給されている方は要注意!
在職中の方でも年金(在職老齢年金)が受けられますが、年金額や給与に応じて年金額が支給停止されます。この支給停止額に用いる基準額が4月から「47万円」に改定されます。
この額は賃金の変動に応じて見直されることになっており、前年度は「46万円」でした。在職老齢年金の仕組みによる支給停止が行われるのは次の場合です。

◆60歳台後半の方
支給停止が行われるのは、老齢厚生年金の受給権者が被保険者である月において、「その者の総報酬月額相当額(標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の総額÷12)+基本月額(年金額÷12)」が支給停止調整額「47万円」を超える場合に、その月の年金額について、支給停止が行われます。
【総報酬月額相当額+基本月額が47万円を超える場合、1月について次の額の支給を停止】
⇒(総報酬月額相当額+基本月額−「47万円」)×1/2

◆60歳台前半の方
支給停止が行われるのは、老齢厚生年金の受給権者が被保険者である月において、「その者の総報酬月額相当額(標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の総額÷12)+基本月額(年金額÷12)」が支給停止調整開始額「28万円」を超える場合に、その月の年金の額について、支給停止が行われます。 【総報酬月額相当額+基本月額が28万円を超える場合、1月について次の額を支給停止】 ⇒(1)基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円(支給停止調整変更額)以下
総報酬月額相当額+基本月額−「28万円」×1/2
⇒(2)基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円超
(「47万円」+基本月額−「28万円」×1/2+(総報酬月額相当額−「47万円」)
⇒(3)基本月額が28万円超で、総報酬月額相当額が47万円以下
総報酬月額相当額×1/2
⇒(4)基本月額が28万円超で、総報酬月額相当額が47万円超
「47万円」×1/2+(総報酬月額相当額−「47万円」)

中小企業の経営トップが考える2015年の経営施策とは?

◆経営活動に影響を与えそうな要因
中小企業の経営トップは、今年の経営活動に影響を与えそうな要因として、次のことを想定しています。

(1)人材の不足(46.5%)【前年比14.5ポイント増】
(2)国の政策の変化(44.1% )
(3)消費税率の引上げ(43.6%)
(4)原材料コストの増大(29.3%)
(5)業界構造の変化(28.2%)

第1位となった「人材の不足」は、2010年の調査開始以来、過去最高となったそうです。
また、2014年の人員確保について「例年より難しかった」との回答が半数を超え、今年取り組みたい施策について尋ねた結果も、「従業員の新規採用」が前年比3.8ポイント増となっていますので、人材不足はまだまだ続きそうです。

◆強化している採用施策
今年の新卒採用については、4社に1社が実施を検討しており、年々増加傾向にはあるようですが、実際に人材が確保できたのは約半数にとどまるとの結果が出ています。こうした環境下、中小企業が強化している採用施策は次のようになっており、即戦力確保の意向が目立ちます。

(1)中途採用(33.4%)
(2)大卒採用(21.4%)
(3)高卒採用(15.1%)
(4)女性採用(13.4%)

◆2015年に取り組みたいこと
経営者として今年取組みたいことについて尋ねた結果から、昨年と比較して増加傾向にある項目を抜き出すと次のようになっています。

・新規事業への進出
・従業員の教育・育成
・従業員の新規採用
・従業員満足度の向上
・女性の活躍推進

人事・労務面での課題に取り組みたい意向が表れているようです。労働環境や法制度の変更が今後も予定されていますので、こまめに情報を収集しながらそれぞれの課題に取り組んでいきたいものです。

平成27年3月号 Kitamura SR News

「有期雇用特別措置法」の
特定有期雇用労働者に係る手続き


◆「有期雇用特別措置法」とは?
2013年4月施行の改正労働契約法により、有期雇用契約を反復更新して契約期間が5年超となった有期雇用労働者には「無期転換申込権」が発生することとなりました。有期雇用特別措置法は、特定の有期雇用労働者について、契約期間が5年超となった場合でもこの無期転換申込権が発生しないこととするものです。本法は、2014年11月21日に臨時国会で成立、同月28日に公布され、2015年4月1日より施行されます。

◆「特定有期雇用労働者」とは?
本法特例の対象となる労働者は、(1)一定の高度専門的知識等を有する有期雇用労働者と、(2)定年後に有期契約で継続雇用される高年齢者です。(1)は、年収1,075万円以上の一定の国家資格等を有する有期雇用労働者で、「5年を超える一定期間内(上限10年)に完了することが予定されている業務」に就く者です。また、(2)は、再雇用や継続雇用の対象として、定年を過ぎて有期契約で雇用される者です。

◆対象労働者と認定されるための手続き
(1)については「第一種計画認定申請書」および対象労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置を実施することがわかる資料(労働契約書、就業規則等)を、また、(2)については、「第二種計画認定申請書」および対象労働者の特性に応じた雇用管理に関する措置を実施することがわかる資料(契約書・賃金規程・就業規則等)を、管轄の労働局長に提出します。いずれも基本指針に沿った対応がとられると認められた場合に認定されることとなります。なお、措置の実施については、労働局長に対する報告の徴取により確認がなされることとなります。

◆対象労働者への対応
省令により、書面の交付による労働条件の明示が定められ、明示すべき内容も列挙されますが、実務上は、モデル労働条件通知書を参考に作成し、対象労働者に内容を説明したうえ、交付することが必要です。認定申請については、事業主に代わって社会保険労務士が事務代理をすることもできます。

厚労省「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する解釈通達」
その内容は?注意点は?


◆通達が出た理由
企業は、妊娠・出産、育児休業等を「理由」として、従業員に対して不利益取扱いを行ってはなりません(男女雇用機会均等法9条3項、育児・介護休業法10 条等)。例えば、妊娠中・産後の女性従業員や子を持つ従業員が、時間外労働や休日労働・深夜業をしない、育児時間を取る、短時間勤務を請求するなどを理由として、解雇や雇止め、減給を行うこと、非正規社員とするような契約内容変更を強要すること等は、不利益取扱いにあたります。

一方、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱い等の相談件数が依然として高い水準で推移していることや、昨年 10 月 23 日に男女雇用機会均等法9条3項の適用に関して最高裁判所の判決(広島中央保健生活協同組合事件)があったことなどを踏まえ、この度、厚生労働省より、「妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いに関する解釈通達」(1月23日)が出されました。

◆通達の内容
通達では、@妊娠中の軽易業務への転換を「契機として」降格処分を行った場合、原則、男女雇用機会均等法に違反する(=妊娠中の軽易業務への転換を「理由として」降格したものと解され、不利益取扱いにあたる)としています。また、A妊娠・出産、育児休業等を「契機として」不利益取扱いを行った場合は、原則、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法に違反する(=妊娠・出産、育児休業等を「理由として」不利益取扱いを行ったと解される)としており、注意が必要となります。

◆不利益取扱いとならない場合
ただし、@業務上の必要性から支障があるため当該不利益取扱いを行わざるを得ない場合において、その業務上の必要性の内容や程度が、法の規定の趣旨に実質的に反しないものと認められるほどに、当該不利益取扱いにより受ける影響の内容や程度を上回ると認められる特段の事情が存在するとき、A契機とした事由または当該取扱いにより受ける有利な影響が存在し、かつ、当該労働者が当該取扱いに同意している場合において、有利な影響の内容や程度が当該取扱いによる不利な影響の内容や程度を上回り、事業主から適切に説明がなされる等、一般的な労働者であれば同意するような合理的な理由が客観的に存在するとき等の場合は、違法とはならないとしている点にも注意してください。

「悪質自転車運転者に対する講習義務化」で企業の対応は?

◆改正道交法施行令を閣議決定
先月20日、信号無視や酒酔い運転など14類型の「危険行為」のいずれかを繰り返した自転車運転者に対して、安全講習の受講が義務づけられる政令が閣議決定されました(6月1日施行予定)。命じられた講習を受けなかった場合には、5万円以下の罰金が科されます。警察庁は「取締りの強化とあわせて、事故の抑止につなげたい」としています。

◆ブレーキのない自転車や携帯を
使用しながらの運転も対象 具体的には、危険行為をした運転者は警察官から指導・警告を受け、従わない場合は交通違反切符が交付されます。2回以上の交付で講習の対象となり、受講しなければ5万円以下の罰金が科されます(講習は3時間で、都道府県の自治体で定められる手数料は標準で5,700円)。14類型の具体的中身は、「信号無視、通行禁止違反、歩道での徐行違反、通行区分違反、路側帯の歩行者妨害、遮断機を無視した踏切への立入り、交差点での優先道路通行車の妨害、交差点での右折車優先妨害、環状交差点での安全進行義務違反、一時不停止、歩道での歩行者妨害、ブレーキのない自転車利用、酒酔い運転、携帯電話を使用しながらの運転等」です。受講を命じる対象は、これらの危険行為を3年に2回繰り返した14歳以上の者です。警察庁は過去の摘発状況から年間の受講者は数百人になるとみています。

◆自転車が絡む事故の割合は約2割
自転車が絡む事故は2005年の約18万4,000件以降9年連続で減り、2013年には約12万1,000件。昨年も11月までで約9万9,000件と減少傾向です。しかし、死亡事故については、2007年に約800件、2012年には約600件を切っていたところが、2013年には約810件と再び増加となりました。自転車事故が交通事故全体の2割を占める状況は改善されていません。

◆個人の責任では済まされないことも
昨年上半期も、信号無視で1,758件、遮断踏切立入りで652件など、過去最多の3,616件が摘発されています。これらの事故は、通勤途中や業務中であれば、会社の指示によらない利用であったとしても、使用者責任が問われることもあります。社員教育や規程の整備なども、これまで以上に必要となりそうです。

平成27年2月号 Kitamura SR News

労務・給与担当者が押さえておきたい
2015年上半期施行の主な改正事項


◆労働法関連
今年4月1日より、「雇入れ時・契約更新時の労働条件に関する説明義務化」や「正社員との差別的取扱いが禁止される労働者の範囲拡大」等を内容とする改正パート労働法が施行されます。
また、6月1日より、重大な労働災害を繰り返す企業に改善計画を提出させるほか、その指示に従わない企業名公表等を内容とする改正労働安全衛生法が施行されます。
なお、同改正によるストレスチェック制度導入は12月1日です。

◆労働保険関連
4月1日より、労災保険率が全54業種平均で4.8/1000から4.7/1000へと0.1/1000引下げとなります。なお、一人親方等の特別加入に係る第2種特別加入保険料率、海外勤務者の特別加入に係る第3種特別加入保険料率も改定されます。また、労務費率の改定、請負金額の取扱いの改正および労務費率の暫定措置の廃止も、同日施行されます。
なお、雇用保険料率は据置きの方針で、一般13.5/1000、農林水産清酒製造15.5/1000、建設16.5/1000です。

◆助成金・奨励金関連
2月より、「中小企業両立支援助成金」に育休復帰支援プランが新設され、「育休復帰プランナー」による支援のもと「育休復帰プラン」を策定・導入し、対象労働者が育休を取得・職場復帰した場合に助成金が支給されることとなります。
このほか、「キャリアアップ助成金」、「トライアル雇用奨励金」、「労働環境向上助成金」、「キャリア形成促進助成金」、「建設労働者確保育成助成金」等の改正も見込まれています。

◆社会保険関連
健康保険関連として、1月1日より、高額療養費制度が改正(70歳未満の所得区分が細分化) されています。
年金保険関連として、昨年4月分から実施されている年金額の特例水準解消について、残る0.5%分の解消による改定が4月分より行われる予定です。なお、年金額は1月末に公表される全国消費者物価指数の動向により決定されます。

◆その他
4月1日より、法律の有効期限の10年間延長等を内容とする改正次世代育成支援推進法が施行されます。また、労働・社会保険関連の電子申請システムについて、従業員データの入力作業の省略が可能となる等、4月より利便性向上が図られる予定です。


高年齢者の雇用状況はどうなっている?
「60代の雇用・生活調査」


◆60代男性の就業が増加
平成25年度の改正高年齢者雇用安定法施行により、高年齢者に対する雇用確保措置が企業に求められているところですが、この度、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)が「60代の雇用・生活調査」の結果を公表しました。平成21年の調査と比べると、男性高年齢者の就業について、以下のような結果がみられたそうです(55歳時に雇用者であった人の数を100として数値化)。

・65〜69歳層における定年後継続雇用の割合の上昇(17.2→24.0)
・定年直後に無業であった割合の低下(60〜64歳層:18.2→13.0/65〜69歳層:28.4→18.4)
・65〜69歳層で55歳時と同じ会社で勤務している割合の上昇(6.1→10.8)

◆賃金の変化と会社の説明対応
また、定年後雇用継続の前後では、8割程度は職業(大分類)に変化はなかったとしています。一方、仕事の内容については、責任の重さが「変わった」とする人が35.9%、「変わっていない」とする人が50.3%でした。
雇用継続の前後で賃金が「減少した」とする人は8割程度に上り、賃金減少幅は2〜5割が過半数を占めています。
賃金低下に関する会社からの説明の有無等(複数回答)については、「特に説明はなかった」が27.1%、説明があった場合の内容としては「雇用確保のために再雇用するのだから賃金低下は理解してほしい」が36.6%で最も多く、「在職老齢年金や高年齢雇用継続給付が出るので収入は変わらない」(16.5%)が続いています。


◆高年齢者の就業意欲は高い
60歳を過ぎても会社勤めをする人は、今後ますます増えてくることが予想されます。
上記の調査では、現在60〜64歳層で仕事をしている人に65歳以降に仕事をする意向を尋ねたところ、「仕事はしたくない/仕事からは引退するつもり」と回答した人は1割程度にとどまったそうです。経済的理由等により、高齢になってからも就業意欲を持っている層は少なくないと言えそうです。
高年齢社員の雇用や生活にまつわる状況を見極めながら、引き続き企業も今後の対応を考えていく必要がありそうです。

社会保険加入促進要綱を策定―日建連

◆社会保険未加入の建設会社は要注意…
日本建設業連合会は、建設技能労働者の処遇改善に向けた「社会保険加入促進要綱」を取りまとめた。元請である会員企業に於いて、平成27年度から社会保険に未加入の一次下請と契約しないよう徹底する方針を明記。適正な加入を促すため、元請は一次下請に対して福利厚生費を内訳として明示した「標準見積書」を提出させる。提出された見積書を尊重し、法定福利費を確保した契約を締結する。
これから、未加入企業からの相談に応じ助言指導を行う機会もあり、法令上は当然加入義務が生じているだけの説明だけでなく、人材の確保、従業員のモラールアップに繋がる等の専門分野を活かした社労士の出番となることを期待します。

労働時間の特例対象?従業員が10人前後で推移の場合

Q:10人前後の従業員を抱えている美容院です。就職から退職までのサイクルが短く1年間で何人も入れ替わるのに加え、成人式や卒業式の頃には臨時で美容師を雇うため、従業員が10人を上回ったり下回ったりします。この業種は10人未満だと週40時間以上の労働が可能になるようだが?
A:労働させることができる時間は、原則として1日8時間かつ週40時間までです。しかし、これには例外があり小売業・飲食業・保健衛生業等で、常時10人未満の労働者を使用している場合は、週44時間まで労働させることが可能です。理美容業もこの特例の対象になっていますが、常時10人未満だが臨時で短期間雇用したため10人以上になる、逆に通常10人以上使用していたところで急に欠員が生じて10人未満になる、といった態様については「労働者数の変更があったものとして取扱わない」としています。ただ、常に10人前後で推移するボーダーラインにあるような事業所は、できる限り週40時間とすることが望ましいとされています。


=以上、2月号でした。1年で最も寒い時季を乗り切った後は、いよいよ花粉到来です。約2ヶ月、涙と痒みと鼻水との闘いが始まります。=

平成27年1月号 Kitamura SR News

労働者による「ブラック企業」の認識にみる今後の労務管理の方向性

◆「ブラック企業」は依然重要なキーワード
2013年の流行語大賞にも選出された、「ブラック企業」という言葉。明確な定義があるものではありませんが、ブラック企業対策プロジェクトでは「異常な長時間労働やパワーハラスメントなど劣悪な労働条件で従業員を酷使するため、離職率も高く、過労にともなう問題等も起きやすい企業のこと」との定義です。一時は毎日のようにメディア等で目にしたキーワードですが、最近は少なくなり、一時期の流行は去った感を持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、日本労働組合総連合会(連合)が行った調査で、4人に1人が「勤務先はブラック企業である」と感じており、特に20代ではこの割合が3人に1人となっています。「ブラック企業」は、まだまだ関心が高いキーワードであります。

◆「ブラック認定」されるポイントは?
同調査は、労働者が「自分の勤務先がブラック企業であると考えているかどうか」を問うものであり、客観的な指標をもとにブラック認定を行うものではありませんが、ハラスメントの考え方と同様、労働者個々が「勤務先がブラック企業である」と考えているというのは、「ブラック企業のような働かせ方をされている」と感じているということであり、働かせ方等を考えるうえで大きなポイントとなります。この点、同調査によると、勤務先がブラック企業だと思う理由の上位は「長時間労働が当たり前」、「仕事に見合わない低賃金」、「有給休暇が取得できない」、「サービス残業が当たり前になっている」…等となっています。労務トラブルの発生を防ぐという観点からは、これらの要因をいかになくしていくかが検討されるべきです。

◆転職先探しでも重視される「ブラック企業」
また、転職意向がある人に転職先を探す場合に重視するポイントを尋ねたところ、3人に1人は「ブラック企業などの悪いうわさ(がないか)」を重視すると回答しています。
人材不足時代にあって、採用活動が成功するかどうかは「ブラック企業と認識されていないこと」が重要なポイントとなります。

「実質賃金」も「年金」も共に目減り!

◆実質賃金は4カ月連続で減少
「毎月勤労統計調査」によると、パートを含む労働者1人が受取った現金給与総額(基本給や残業代、賞与などの合計)は、前年同月より0.5%多い平均26万7,935円で、8カ月連続で改善しましたが、賃金から物価の伸びを差し引いた実質賃金指数は2.8%減り、昨年7月以来、1年4カ月続けて減少しました。昨年4月の消費税率8%への引上げや円安による輸入物価の上昇もあり、賃金の伸びが物価上昇のペースに追いついていないようです。実質賃金指数は7月には夏の賞与が増えて減 少幅が1%台に縮みましたが、8月以降は3%前後のマイナスで推移しています。

◆景気後退がパート労働者の賃金にも影響
現金給与総額の増加幅も8月以降は減り続けています。10月の内訳では、正社員など一般労働者は0.6%増えましたが、パートは0.3%減。パートの労働時間が減ったことが要因とみられています。厚生労働省は、消費増税後の需要減で企業が生産を控えているうえ、人手不足を背景に人材を確保しやすい短時間勤務での採用を増やしているためとみています。

◆マクロ経済スライド実施で年金も目減り
一方、公的年金の支給額の伸びを物価上昇よりも低く抑える「マクロ経済スライド」が、来年度に初めて実施されることが確実な情勢となりました。2014年の通年での物価上昇が決定的となったためで、これにより年金の支給水準も来年度、物価に比べて実質的に目減りすることになります。マクロ経済スライドは、少子高齢化で厳しくなる年金財政を維持するため2004年に導入されました。来年度の抑制額は1.1%ほどが見込まれており、国民年金を満額(月6万4,400円)もらっている人は、物価上昇に対応した本来の増額分から月700円ほど目減りすることになります。

◆今回が初めての発動
マクロ経済スライドは、本来、条件が揃えば自動的に発動されることが法律で決まっていますが、物価下落時には発動されないルールがありました。制度導入後は長くデフレが続いたことなどから、まだ一度も発動されておらず、今回は経済状況が変わったため初めての発動となります。ただ物価の伸びが大きいため、名目の年金額自体は増える見込みです。
正式な年金額は、来年1月末にわかる2014年の年間物価上昇率を反映させ、厚生労働省が公表します。

1月から「高額療養費」の自己負担限度額が変更されます

◆医療費が高額になったら…
怪我や病気がひどく、医療費が高額になってしまった場合、申請により一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が後から払戻される健康保険の制度が、「高額療養費制度」です。
また、事前に医療費が高額になることがわかる場合には、「限度額適用認定証」というものを提示して、支払時に減免された額だけ支払えば済む方法もあります。

◆制度のポイント
払戻しは、病院等から提出される診療報酬明細書(レセプト)の審査を経て行われますので、診療月から3カ月以上はかかるのが通常です。また、申請時には病院等の領収書が必要になります。申請書の提出先は、全国健康保険協会または加入している健康保険組合です。なお、他の家族(被扶養者)が同じ月に病気やけがをして医療機関にかかった場合や、1人が複数の医療機関で受診した場合などは、自己負担額を世帯で合算することができますので、確認してください。さらに、高額療養費を受けた月が、直近12カ月間に3回以上あったときは、4回目からは自己負担限度額が低減されます(多数回該当の制度)ので、その点も確認しておきましょう。

◆自己負担限度額の見直し
これまで70歳未満の被保険者等に係る自己負担限度額については、所得区分が3段階に分かれていましたが、今般この区分が5段階に細分化されます(平成27年1月診療分より)。
自己負担限度額は、年齢(70歳未満の人、70歳以上75歳未満の人)と所得により区分されています(70歳以上75歳未満の人については、今回は変更なし)。

【70歳未満の人の区分】
(1)標準報酬月額83万円以上の人
252,600 円+(医療費−842,000円)×1%[多数回該当:140,100円]
(2)標準報酬月額53万円以上83万円未満の人
167,400 円+(医療費−558,000 円)×1%[多数回該当:93,000円]
(3)標準報酬月額28万円以上53万円未満の人
80,100 円+(医療費−267,000円)×1%
[多数回該当:44,400円]
(4)標準報酬月額28万円未満の人
57,600円[多数回該当:44,400円]
(5)市町村民税が非課税の人
35,400 円[多数回該当:24,600円]


=本年もどうぞよろしくお願いいたします=

平成26年12月号 Kitamura SR News

パートタイマー用の労働条件通知書が変更されました

◆改正法で労働条件に関する説明を義務化
改正パートタイム労働法が来年4月1日から施行されます。改正により、事業主は、パートタイマーの雇入れ時や契約更新時に労働条件(賃金の決定方法、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用、正社員転換等の措置内容等)について説明する義務を負うこととなります。
パートタイマーを同時に複数雇い入れたりする場合には、個々に説明する方法ではなく対象労働者を集めて説明会を開催する等の方法によって説明することも認められますが、労働条件は文書等(電子メールやFAXでも可)によって交付しなければならず、これに違反した場合は10万円以下の過料に処せられます。

◆労働条件通知書の変更箇所は?
今般、厚生労働省が示すモデル労働条件通知書の様式が法改正に合わせて変更となり、同省のパンフレット「パートタイム労働法のあらまし」に掲載されています。
具体的には、新たに「雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口」を記載するスペースが設けられました。
この「相談窓口」は、改正法により、パートタイマーからの相談に対応するための体制整備が事業主の義務とされたため、パートタイマーを雇い入れているすべての事業主が対応にあたる担当者または担当部署を決定して、整備しておかなければなりません。

◆労務管理に関する疑問は早めに相談を
「平成26年版労働経済白書」によれば、2013年の非正規労働者の割合は36.7%で、10年前と比較して6%増え、人数で見ると約400万人増加しています。非正規労働者の増加に伴い、正社員との労働条件の差異等について不公平感を感じるパートタイマーと事業主の間でトラブルとなるケースが増えており、パートタイム労働法が改正された大きな理由の1つはこの問題を解消するためです。
来年4月1日の施行を控え、パートタイマーの労務管理に関する疑問や不安がある場合は、早めに専門家に相談し、トラブルの予防に努める必要があると言えます。

放置していると危険!?<持ち帰り残業>で労災認定! 企業も対策が必要に!

◆英会話学校講師の女性が自殺
2011年に英会話学校講師の女性が自殺したのは、自宅で長時間労働を行った「持ち帰り残業」が原因であったとして、金沢労働基準監督署が労災認定しました。持ち帰り残業については自宅での作業実態の把握が困難なため、労災認定されたのは異例のことのようです。ただ、本件では、メールや関係者の話から、女性は英単語を説明するイラストを描いた「単語カード」を業務命令により2,000枚以上自宅で作成しており、監督署は、実際に単語カードを作成して時間を計測し、自宅で月80時間程度の残業をしていたと結論付けました。これにより、会社での残業時間と合わせると恒常的に月100時間程度の時間外労働があり、さらに上司からの叱咤による心理的負担によりうつ病を発症したとして、労災を認定したというものです。

◆持ち帰り残業は労働時間に含まれる?
原則、会社が承認していない持ち帰り残業は労働時間には含まれません。
労働者が自己の判断で仕事を持ち帰って自宅で残業している場合、会社はその実態を把握できないため、持ち帰り残業は基本的に会社の指揮命令下にないものとして労働時間であるとは判断しないのです。
ただ、持ち帰り残業が上司の明確な指示に基づいて行われている場合は、それに要した時間は、当然に労働時間に含まれることになります。また、通常の労働時間では処理できないような業務量を指示していたり、持ち帰り残業を黙認したりしていた場合などは、事実上の指揮命令があったとして労働時間と判断される可能性があることに留意する必要があります。

◆企業には様々なリスクが!
持ち帰り残業は、労災認定される可能性や残業代を請求される可能性はもちろんですが、情報漏えいの危険性もあります。
企業としては、「持ち帰り残業を原則禁止する」、「どうしても必要な場合は本人に事前申請させる」、「情報漏えい対策を講じる」などのルール作りが必要となるでしょう。

平成26年分の年末調整で注意したい改正ポイント

◆今年気をつけるべきポイントは?
今年の年末調整では、申請様式や税法そのものの大きな改正はありませんが、国民年金法の改正により、4月1日から保険料を2年分前納できるようになったことを受け、この前納制度を利用した場合の社会保険料控除の方法を押さえておく必要があります。また、10月20日から、自転車・マイカー通勤している人の通勤手当の非課税制度が改正され、4月1日以降に支給した通勤手当について精算が必要となりますので、注意が必要です。

◆2年前納した保険料の社会保険料控除
前納制度を利用した場合、納付した35万5,280円全額が控除対象となり、(1)納付した保険料全額を納めた年に控除する方法、(2)各年分の保険料に相当する額を各年に控除する方法のいずれかを選択して申告します。
(2)による場合、日本年金機構から送付される社会保険料控除証明書の他に「社会保険料(国民年金保険料)控除額内訳明細書」を作成し、併せて提出する必要があります。

この明細書は日本年金機構のホームページからダウンロードでき、年金事務所に申し出て入手することもできます。
また、この場合、平成28年3月分までの保険料を納付することとなり、3年にわたって分割して控除を受けることとなりますので注意が必要です。

◆通勤手当の非課税限度額の改正
10月20日より自転車・マイカーを利用して通勤している人の通勤手当の非課税限度額が引き上げられ、4月1日以降に支給した分から適用されることとなったため、対象者の課税額を年末調整の際に精算する必要があります。また、年の中途で退職した人については、すでに源泉徴収票を交付済みで、これらの人は確定申告によって精算することとなりますが、4月1日以降に支給した通勤手当がある場合、改正後の非課税限度額に基づいて「支払金額」を訂正し、再度源泉徴収票を作成のうえ摘要欄に「再交付」と表示して再交付する必要がありますので、注意が必要です。

職務懈怠にどう対応するか

職務懈怠とは、出勤不良、勤務成績不良、遅刻過多、職務離脱などの行為です。これ自体は、単なる「債務不履行」で労働義務を放置した時間は、賃金カットし、再発防止のための上司による「指導」することになります。それが就業に関する規律に反したり、職場秩序を乱したと認められる場合に初めて懲戒事由になります。営業社員にありがちな喫茶店でのサボり行為も発覚した場合にはせいぜい「始末書」の提出で一件落着となるが、譴責処分後も同種違反を繰り返したとき、懲戒解雇が認められた判例があります。

平成26年11月号 Kitamura SR News

「内定辞退」とならないために必要な内定者へのフォロー

◆内定を出して終わりではない
人手不足、採用活動の早期化が進んでいる中で必要となってくるのが「内定者フォロー」です。採用内定を出したらそれで終わりではありません。 会社は、募集活動から選考試験、面接と時間と金と労力を費やし、ようやく内定者を確保できました。片や、学生にとっては内定を取り付けたものの、内定から入社までの期間は、気持ちが不安定な状態であり、内定を複数の会社から得ている場合、会社を絞り込んでいく期間となります。 内定辞退とならないために、会社はこの期間に何をすればいいのでしょうか。

◆内定者の不安感を払拭する
学生に内定を出した後、入社直前までそのまま放っておくという会社は意外に多いようです。それでは内定者は「本当に内定したのか?」「期待されていないので?」 など、不安に駆られ、他社への就職活動を再開してしまうということになりかねません。 内定者の不安感を払しょくし、適切にフォローしていく必要があります。

◆イメージギャップの穴埋め
新卒者の約3割が、入社後3年以内に辞めてしまうと言われています。思い描いていたイメージと現実とのギャップが大きいということも理由の1つとなっているようです。入社後のミスマッチをいかに少なくするか、入社後スムーズに順応できるよう検討し、適切な対応を行っていくことが大切です。

◆具体的な対策は?
対策として、以下のようなものが考えられます。自社の規模や風土、予算などに合ったものを取り入れ、実践されてみてはいかがですか…。

○職場や工場の見学会
○職場での事前実習・研修、○内定者同士の交流・グループワーク
○社内行事への招待
○社内報の送付
○経営者・役員との懇談会
○通信教育やWEBを使った入社前研修
○レポートの提出
○資格取得支援
○近況報告の義務付け、等


最近では、採用理由について文書で説明する会社も増えているそうです。「なぜ、あなたを採用したのか」という個々へのフォローが重要となってきているようです。

残業込み給与の落とし穴

◆残業込み給与(固定残業制)を巡るトラブルが後を絶たないが、
その体系自体には違法性は無いとされています。違法状態となるのは、固定残業制の前提条件である「残業相当分の給与が、いつ、いかなる場合でも労働基準法で定める割増賃金の算定方法を下回らない」をクリア出来なかった状態となったときです。

◆最高裁は
「便宜的に毎月の給与にあらかじめ一定時間の残業手当が算入されている場合は、その旨が雇用契約上も明確にされていなければならない。と同時に給与支給時に支給対象も時間外労働の時間数と残業手当の額を労働者に明示しなければならない」とし、「一定時間を超えて残業が行われた場合には、所定の支給日に別途上乗せして残業手当を支給する旨もあらかじめ明らかにしなければならない」と言っています。

残業込みの給与を提示した従業員募集広告をよく見ますが、応募者の無知をいいことに割増給与不払いを続けた場合、そのうち当局からキツイお灸をすえられる覚悟が必要です。

「マイナンバー制度」に関する企業の対応状況は?

◆約7割の企業がまだ準備を始めていない!
株式会社アイ・キューが、全国のビジネスパーソンに対して「マイナンバー制度」に関するアンケート調査を実施しました。

「マイナンバー制度への対応状況」について聞いたところ、「まだ準備を始めていない」という回答(69.6%)が圧倒的に多く、「自社内での対応を検討している」(14.4%)、「すでに準備を始めている」(5.6%)、「アウトソーシングでの対応を検討している」(2.4%)など、何らかの動きを見せている企業が非常に少ないことがわかりました。中には「特に準備をする予定はない」(8.0%)と回答する企業もあったようです。

◆マイナンバー制度とは?
「マイナンバー制度」は、日本国民と日本に居住する外国人1人ひとりに番号を割り振り、所得や納税実績、社会保障に関する個人情報を一括管理する制度で、2016年1月から利用がスタートします。

これまで国や市町村などがバラバラに管理してきた個人情報を連携させ、相互利用を可能にすることで、国民の利便性を高めると同時に行政の透明化・効率化を図ることが同制度の目的です。

民間企業でも、社会保障・税務関連の諸手続きにマイナンバーを利用することになりますが、システム変更および厳格な情報管理体制の構築が必須となります。

◆「番号収集」と「情報漏えい」を懸念
アンケートで「マイナンバー制度に対応するうえでの課題」について聞いたところ、「従業員からのマイナンバーの収集」(28.0%)が最も多く、「個人情報の管理体制の強化」(26.8)が続きました。

情報管理の煩雑さと情報漏えいのリスクを懸念する企業が多いようで、「漏えいした場合の影響は従来の人事・給与データ以上のものになる」、「基幹系システムに与える影響は大きくコストもかかりそう」などの声が聞かれました。

また、「マイナンバー制度による影響・効果」について聞いても、「情報の一元管理による利便性の向上」(8.0%)、「各種事務処理の効率化、省力化」(5.3%)など、その効果を期待する声もあったようですが、「情報漏えいのリスクの発生」(38.7%)との回答が最も多く、不安の方が大きいことがわかりました。
制度の内容についてはもちろんのこと、導入による効果やメリットを企業側でもしっかりと認識し、2016年1月のスタートに向けて準備を進めていく必要があります。

退職予定者の年次有給休暇の請求どうする?

◆年次有給休暇は、
労働者が取得時季を指定すれば効力を発揮し、会社の許可・承認が関わる余地はありません。わずかに「事業の正常な運営を妨げるときに使用者は時季変更権を行使できる」とされていますが、時季指定権には到底太刀打ちできる効力はありません。使用者を悩ます年休取得の最たるものは、退職予定者が留保分すべてを取得した後に辞めることでしょう。

退職が予定されても、未だに在職中なので退職時まで年休を取得する権利を有するから、当該労働者は自由に行使できます。きっちり年休日を見込んで退職願を出した場合、事務引継等のため出社する余地はなくなりますが、このような年休の取り方は権利の濫用とも思われますが、会社の時季変更権の行使は、在職中に限られるため事実上不可能であり、権利の濫用も否定されています。会社には残念ながら打つ手はありません。

=以上、今月はここまで。また来月に=

平成26年10月号 Kitamura SR News

改正安衛法で義務付けられた「ストレスチェック」に関するQ&A

◆84の「Q&A」
先の通常国会で成立した改正法の1つに「改正労働安全衛生法」(6/25公布)がありますが、これに関連して、厚生労働省から「改正労働安全衛生法Q&A集」が公開されました。
改正項目のうち最も影響の大きいものは「ストレスチェック制度の創設」だと言われており、上記「Q&A集」でも84のうちの36(約43%)を占めています。

◆ストレスチェックに関するQ&A
以下では、Q&A(抜粋)をいくつか見てみましょう。

【全ての事業場が対象となるのでしょうか?】
→ストレスチェックの実施が義務とされるのは、従業員数 50 人以上の事業場とされており、50 人未満の事業場については、当分の間、実施が努力義務とされています。

【全ての労働者が対象となるのでしょうか?】
→ストレスチェックの対象労働者は、一般健康診断の対象労働者と同じく、常時使用する労働者とする予定です。なお、派遣労働者については、派遣元事業主において実施していただくことになります。

【どれくらいの頻度で実施すれば良いのでしょうか?】
→今後、労使や専門家のご意見を聴きつつ省令で定めていくことにしていますが、健康診断と同様に、1年以内ごとに1回以上実施していただくことを想定しています。

【健康診断のように、実施を外部機関に委託しても問題ありませんか?】
→問題ありません。委託により実施する際には、ストレチェックの結果を実施者から直接労働者に通知する必要があり、労働者の同意なく事業者に通知してはならないことなどの点に注意してください。

【ストレスチェックは面談形式で行うものですか?】
→労働者の心理的な負担の程度を把握するため、労働者自身が該当する項目を選択するチェックシート方式で行う検査です。面談形式に限ることは想定していません。

【健康診断のように、ストレチェックを実施した旨の報告を監督署に行う必要があるのでしょか?】
→ストレチェックの 実施状況を把握するため、事業者には、労働基準監督署にその実施状況について報告していただく仕組みを設けること考えています。

◆施行予定は来年12月?
今後は、平成27年2月〜3月頃に省令・指針等が策定され、平成27年12月までに改正法(ストレスチェックの部分)が施行される予定です。

雇用保険の教育訓練給付金が拡充!
「専門実践教育訓練給付金」について


◆「専門実践教育訓練給付金」創設
雇用保険の教育訓練給付金が拡充され、10月から新たに、専門性の高い資格取得について、「専門実践教育訓練給付金」が創設されます(2018年度末までの期間限定)。

対象は、厚生労働大臣が指定する、業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする資格取得講座、中長期的なキャリア形成を支援する講座(企業などとの連携により最新の実務知識等を身につけられるよう教育課程が編成されている専門学校の職業実践専門課程、キャリアアップを目的とした専門職大学院)で、対象講座は今後も増える見通しとなっており、支給対象となる社員等も出てくるのではないかと思われます。要件を満たせば、給付率が従来の「一般教育訓練給付金」(費用の20%、上限10万円)よりも大幅にアップします。

◆支給対象者は?
雇用保険に原則10年以上加入している方が利用できます。

◆給付の内容は?
最長3年間にわたって支給され、給付率は費用の40%(上限:1年で32万円)です。
講座修了後に資格や学位を取得して就職すると、費用の原則20%が追加支給され、合計で費用の60%分が支給されることとなります(上限:1年で48万円)。

◆申請手続は?
専門家のキャリア・コンサルティングを受け、受講前にハローワークで手続きを行います。
給付金の申請は半年ごとに行い、その都度、講座実施期間が発行する受講証明書等を提出する必要があります。

正社員とパート社員の諸手当の格差はどのぐらい?

◆企業はどんな手当を設けている?
厚生労働省の調査結果によると、支給企業数が多い順に通勤手当、役付手当、家族手当、技能・技術(資格)手当、住宅手当となっています。会社規模に応じて手当の傾向が分かれており、小規模企業では精皆勤手当・出勤手当が多く、大規模企業では住宅手当、調整手当、特殊勤務手当、単身赴任手当、別居手当、地域(勤務地)手当、特殊作業手当を設けるところが多くなっています。

◆正社員とパート社員では手当が異なる
独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査結果によると、正社員とパート社員では手当に違いが見られます。どちらも通勤手当と役付手当が上位2つですが、正社員では次いで家族手当、技能手当・技術(資格)手当、住宅手当が多いのに対し、パート社員では業績手当(個人、部門、グループ等)、技能手当・技術(資格)手当、精皆勤手当・出勤手当が多くなっています。

◆通勤手当の額はどのぐらいか?
上記の調査結果によれば、通勤手当の1人当たり支給額(月単位)は、正社員12,477円、パート社員7,710円となっています。
支給額について、39.3%の企業が上限額を設けており、その平均額は34,260円ですが、上限額に関する規定は大規模企業ほど多いです。
なお、正社員に通勤手当を支給する企業の割合が89.8%なのに対し、パート社員では76.4%と差が見られますが、この理由については、(1)交通費がかからない者を採用している(30.2%)、(2)交通費は基本給に含めて支給している(25.8%)、(3)自転車通勤のため算定困難(14.3%)となっています。
来春施行の改正パート労働法では、短時間労働者であることを理由とする不合理な差別的取扱いが禁止されることとなり、通勤手当についても違いを設ける場合には合理的な理由が必要となります。自社の状況は?

割増算定基礎の除外賃金

割増賃金の基礎となる賃金に算入しない賃金(除外賃金)として、@家族手当A通勤手当B別居手当C子女教育手当D住宅手当E臨時に支払われた賃金F1ヶ月を超える期間毎に支払われる賃金(ボーナスなど)です。@〜Dは、この名称であれば全て除外できるわけだはなく、例えば、家族手当の場合、扶養の有無、家族の人数に関係なく一律に支給するものは除外できない。また、生活補助目的を以て支給される手当であっても、家族数に応じて支給されるものでない限り、除外することはできません。

=今月はここまで=

平成26年9月号 Kitamura SR News

8月1日から失業給付の支給額が変わりました

◆平成25年より若干の引下げ
離職者に支給される雇用保険の失業手当の額は、毎年、「毎月勤労統計」の平均定期給与額の増減によって毎年8月1日にその額が変更されますが、26年度は、25年度の平均定期給与額が前年比で約0.2%減少したことから、全体に若干の引下げとなりました。

◆変更後の支給額
失業手当の日額は年齢に応じて上限額が定められており、下限額は全年齢共通で定められています。上限額は、29歳以下の方は6,390円(15円減額)、30〜44歳の方は7,100円(15円減額)、45〜59歳の方は7,805円(25円減額)、60〜64歳の方は6,709円(14円減額)となっています。下限額は、1,840円(8円減額)です。なお、実際に支給される日額は、離職時の賃金日額に50〜80%の給付率を掛けて算出されます。
失業手当は、失業認定期間(28日)中に自己の労働による収入がある場合、収入を得た日については減額支給されることとなりますが、この控除額も1,286円(3円減額)と、引き下げられています。

◆就業促進手当の上限額も引下げ
再就職手当・常用就職支度手当の算定における失業手当の日額の上限額は、59歳以下の方は5,825円(15円減額)、60〜64歳の方は4,720円(9円減額)となります。
就業手当の1日当たり支給額の上限額は、59歳以下の方は1,747円(5円減額)、60〜64歳の方は1,416円(2円減額)となります。

◆高年齢雇用継続給付の算定に係る支給限度額も引下げ
高年齢雇用継続給付の支給額は、60歳以上65歳未満の各月の賃金が60歳時点の賃金の61%以下に低下した場合は各月の賃金の15%相当額、60歳時点の賃金の61%超75%未満に低下した場合は、その低下率に応じて各月の賃金の15%相当額未満の額となり、支給限度額を超えて賃金が支給された場合には支給されません。
この支給限度額が、340,761円(781円減額)となっています。

厚生年金未加入企業への指導が強化されます!

◆「加入逃れ」の防止
政府は、厚生年金保険の加入逃れを防ぐため、国税庁が持つ企業の納付情報から未加入企業を割り出し、指導を強化することを決めました。来春にも着手するとしています。
もし、加入指導されたにもかかわらず、これに応じない場合は、法的措置により強制的に加入となることもあるようです。

◆厚生年金の未加入問題とは?
厚生年金は、正社員や一定以上の労働時間(正社員の労働時間の概ね4分の3以上)があるパート従業員やアルバイトが強制加入となり、事業主は加入を義務付けられています。
しかし、従業員と折半となる保険料の負担を逃れようと届出をしない企業があり、問題となっているのです。
特に、パート・アルバイトを多く使用している企業の場合は、ルール通りに加入させると保険料負担が過大なものとなり、企業経営を圧迫するという事情があります。
ただ、企業が厚生年金に未加入の場合、従業員は保険料が全額自己負担の国民年金に加入するほかなく、厚生年金と比べ将来もらえる年金額も減ってしまいます。

◆これまでの調査と何が違うの?
国税庁が保有するデータを使って、未加入企業を割り出すということです。 これまで、厚生労働省は法人登記されている約449万社の中から未加入企業の調査をすすめていましたが、中には倒産していたり、休眠状態だったりする例も多くあることから、特定作業はスムーズにいきませんでした。
しかし、国税庁が保有するデータは「税金を納めている=実際に企業活動をしている」ということになり、特定作業が容易になります。

大人気!「キャリアアップ助成金」とは

◆大人気の助成金
平成25年度から始まった「キャリアアップ助成金」ですが、受給の要件となる「キャリアアップ計画」の作成・認定企業数が厚生労働省の予想を大幅に超えているとのことです。
ここでは、どのような助成金なのか⇒

◆助成金の概要(6つのコース)
「キャリアアップ助成金」は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といった非正規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、「正規雇用への転換」、「人材育成」、「処遇改善」等の取組みを実施した事業主に対して支給されるもので、次の6コースがあります。

(1)正規雇用等転換コース
(2)人材育成コース
(3)処遇改善コース
(4)健康管理コース
(5)短時間正社員コース
(6)短時間労働者の週所定労働時間延長コース

なお、コースによっては、平成26年3月1日から平成28年3月31日までの間は支給額の増額、要件の緩和の措置がとられています。

◆「キャリアアップ計画」とは?
受給にあたりまず必要となるのが「キャリアアップ計画」の作成ですが、この「キャリアアップ計画」とは、有期契約労働者等のキャリアアップに向けた取組みを計画的に進めるため、おおまかな取り組みイメージ(対象者、目標、期間、目標を達成するために事業主が行う取組み)をあらかじめ記載するものです。

◆様々な要件、書類が必要
「キャリアアップ計画」の作成・提出後にはコースごとに様々な要件があり、書類の提出も必要となります。厚生労働省ホームページにも詳しい内容が記載されています(「厚生労働省:キャリアアップ助成金」)。

労災保険の業務災害・通勤災害の相違点

◆主な相違点
@被災労働者の一部負担金
A休業にあたっての待期期間中の事業主による補償義務
B解雇制限など労働基準法関係

◆なぜ給付内容に相違があるのか?
原則的には同じですが、通勤災害は事業主の支配管理下にない状況で発生した災害であって、事業主による災害防止努力が及ばないことから、いくつか相違点があります。

◆被災労働者の一部負担金
通勤災害は、初回の休業給付の支給額から一部負担金200円が、控除されます。

◆待期期間の補償義務
休業初日から第3日目までの待期期間について、通勤災害は休業補償(1日つき平均賃金の60%)の必要ありません。

◆解雇制限など労働基準法関係
労基法19条「解雇制限」は、業務災害のみ適用され、通勤災害は適用されません。年次有給休暇の付与にあたっては、業務災害での休業期間は出勤したものとみなされますが、通勤災害は欠勤扱いです。

=今月はここまで=

平成26年8月号 Kitamura SR News

好況で変わってきた? 新入社員の働くことに対する意識

◆「第一志望に入社」昨年から微増
日本生産性本部と日本経済青年協議会が今年度の新入社員を対象に実施した「働くことの意識」の調査結果によると、「第一志望の会社に入れた」と答えた新入社員は、質問を開始した2009年以降で過去最低を更新した昨年の52.0%から、わずかに改善され55.0%でした。その年の新入社員の就職活動が順調だったかどうかで敏感に変化する項目に、「人並み以上に働きたいか」との質問があり、景況感や就職活動の厳しさによって、「人並み以上」と「人並みで十分」が相反する動きを見せているようです。
バブル経済末期(平成2〜3年)には、「人並みで十分」が「人並み以上」を上回っていましたが、その後、景気が低迷すると、平成12年以降は入れ替わりを繰り返しています。
最近では、平成25・26年度と「人並み以上」が減少、「人並みで十分」が増加し、新入社員の意識はバブル経済末期と同様の売り手市場の時のようになってきたようです。

◆「定年まで同じ会社で働きたい」は減少
また、「この会社でずっと働きたいか」という問いには、一昨年は過去最高を記録した「定年まで勤めたい」が28.8%に減少し、代わって「状況次第でかわる」が34.5%となり、2年連続で「定年まで勤めたい」を上回りました。不況が続いたことでしばらく増加していたものが、景況感の好転とともに減少傾向にあるようです。

◆約7割が「手当が出るなら残業はいとわない」
「残業についてどう思うか」を聞いてみたところ、昨年度に続き「手当がもらえるからやってもよい」が最多となり、昨年度の63.0%から69.4%に急増し、過去最高を更新したそうです。昨今のいわゆる「ブラック企業」による残業代の不払いなどの報道に敏感になっており、残業はいとわないけれども、それに見合った処遇を求めている傾向にあるようです。

◆「社長になりたい」は1割を下回る
また、産業能率大学がまとめた「2014年度新入社員の会社生活調査」によると、最終的に目標とする役職・地位について、「社長」と答えた人が9.0%となり、調査を開始した1990年以降で過去最低だった昨年の11.9%を下回り、初めて1割を下回りました。
一方、女性の管理職登用を進める企業が増えている中、将来の進路として「管理職で部門の指揮をとる」と回答した女性の新入社員が28.8%で、過去最高となったようです。

職業生活を通じて活用できるツールに?
「キャリア・パスポート」創設の動向


◆「キャリア・パスポート」創設の検討が始まる
ジョブ・カードの普及が遅れており、せっかく取得しても活用できない状況にあることが指摘されています。そこで厚生労働省では、ジョブ・カード制度を大幅に改編し、「キャリア・パスポート制度」(仮称)に移行する検討を開始しました。

◆構想の内容
産業競争力会議の「雇用・人材分科会」では、「キャリア・パスポート」(仮称)の構想について、「学生段階から職業生活を通じて活用できるものとすることや、企業及び働き手の双方にしっかり浸透する仕掛けとして、雇用保険二事業の助成金支給の必要条件とすること等、労使の理解を得つつ、抜本的に見直す」とともに、「電子化してネット上での共有を図り、円滑な労働移動につなげる等、外部労働市場の構築に資する方策を検討する」こと等としています。

◆マッチングツールとして普及させるために
このキャリア・パスポートの目的は、その取得により外部労働市場で通用するマッチングのためのツールとして活用できるようにすることです。そのための見直し検討事項として、様々な場面で活用可能とするための様式のあり方、関係情報の電子化、SNSに掲載して活用する場合の条件整備などが課題となりそうです。

◆今後の動きは?
厚生労働省では、平成27年2月頃を目標に、最終的な構想案を提示する方針です。
助成金支給の必要条件とすることが検討されていることから、創設の影響は決して小さくないものと思われます。今後の動向に注意が必要です。

大卒35歳モデル31.7万円

◆情報労連・ソフトワーカー実態調査
情報労連の「ソフトワーカーの労働実態調査」によると、大卒・基幹職種のモデル賃金は22歳20.2万円、35歳31.7万円、45歳41.5万円などとなり、初任時と比較すると35歳は1.57倍、45歳は2.06倍の水準だった。企業規模別では1.000人以上がめだって高く、最も格差が開く30歳では2割近くに及んでいる。職種別の所定内賃金は、プログラマー22.2万円、システムエンジニア30.6万円、プロジェクトリーダー等39.2万円、システムコンサルタント等44.4万円などとなっている。

定期健診拒否者に懲戒処分は

法定健診の場合は、会社の指定医師以外の医師の健康診断書をもって代えることはできますが、受診自体を拒否することはできないというのが通説です。労働安全衛生法上には、健診受診拒否についての直接的な罰則はないものの、企業は健康配慮義務を履行するために受診を求めることは当然ですが、同法違反として懲戒処分に付すことができるか否かが問題となります。
判例では、X線検査の受診をプライバシー侵犯として拒否した事案について「安衛法はX線検査を含む法令の定める一定の範囲について、労働者に受診を義務付け、会社は医師の選択の自由は別として診断結果を提出することが義務付けられており、労働者が受診を拒否した場合には、当然に懲戒処分等の問題と考えられる」としています。
とは言っても、懲戒処分にはなかなか踏み切れません。そうした場合、せめて「定期健診の受診義務があるのは承知している。受診しないことによる被る損害は、会社に一切請求しない」とする『誓約書』を提出させることで会社のリスクが幾分軽減されるでしょう。

残業代払ったと虚偽報告-江戸川労基署

東京・江戸川労働基準監督署(中島義彦署長)は、割増賃金の遡及払いを求めた是正勧告に対し虚偽報告したスーパーマーケットチェーンの(株)ヤマイチ(江戸川区)と同社代表取締役および同社人事部長、経理課長の計1法人3人を労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)違反などの疑いで東京地検に書類送検した。
月20〜22時間分の固定残業手当を超えた分を支払っていなかったため、是正勧告をしたところ、数千万円を支払ったとする報告書を同社が提出。しかし、その後の調査で支払われていないことが判明した。

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平成26年7月号 Kitamura SR News

人手不足産業でも採用できた事業所とできなかった事業所の違い

◆医療・福祉、建設業で人手不足が深刻
厚生労働省が発表した「人手不足産業における高卒求人の充足状況」によると、平成25年度の高卒者向け求人は、製造業、医療・福祉、建設業、卸売・小売業などで多かったですが、これらの産業の充足率をみると、医療・福祉で31.3%、建設業で34.2%と低く、人手不足の深刻化による充足率の向上が課題となっています。

◆採用できた事業所・できなかった事業所の差は?
充足率が低かった医療・福祉と建設業において、高卒求人票を用いて採用できた事業所とできなかった事業所の違いをみると、医療・福祉では、早期(平成25年7月末まで)に求人を出した事業所の割合が、採用できた事業所で77.2%、採用できなかった事業所で 58.7%となり、差が見られました。
また、求人票に「採用・離職状況」の記載があった事業所の割合は、採用できた事業所で73.6%、採用できなかった事業所で60.4%となっています。

建設業でも、早期に求人を提出した事業所の割合については、採用できた事業所(69.2%)が採用できなかった事業所(45.1%)を大きく上回りました。
これらのことから、「早期の求人提出」、「求人票における積極的な情報提供」が充足に大きな影響を与えている要因と考えられます。

◆なぜ人が集まらないのか?
高校の進路指導担当教諭に対して、充足率の向上が課題となっている3産業(建設業、医療・福祉、宿泊業・飲食サービス業)に生徒が応募しない理由を聞いたところ、宿泊業・飲食サービス業では、「休日が少ない・労働時間が長い・勤務時間が不規則等、労働時間の問題」、建設業と医療・福祉では、「仕事がきつそう・面白くなさそう等、仕事内容(職種)の問題」という回答割合が高かったようです。

◆充足率向上のために必要な改善点
必要な改善点について、高校の進路指導担当教諭からの意見をまとめると、「医療・福祉」では、給与・休日・労働時間等労働条件を改善し、社会的評価・イメージを向上させる取組み、日勤・夜勤といった就業規則が不規則でも生活のリズムが崩れない配慮、OJTの充実と資格取得までの制度や支援の充実などが挙げられました。

「建設業」では、将来性やスキルアップのビジョンを示すことや、3Kのイメージを払拭する取組み、労働条件の改善、「宿泊業・飲食サービス業」では、長時間拘束される労働条件改善のための交代制シフトの導入や正社員としての仕事内容とキャリアアップの将来像を示すことなどが挙げられました。

「個別労働紛争解決制度」の利用状況発表 トラブルの特徴は?

◆平成25年度の実施状況は?
厚労省から「平成25年度個別労働紛争解決制度」の施行状況が公表されました。
「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルの未然防止や早期解決を支援する制度で、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。

◆パワハラが2年連続最多に
平成25年度は、前年度に比べていずれの方法でも件数が減少しました。ただし、総合労働相談の件数は前年度比1.6%減となったものの、6年連続で100万件を超え、高止まりしています。助言・指導申出件数は、約1万件(同3.3%減)、あっせん申請件数は約5,700件(同5.5%減)となっています。
また、総合労働相談のうち、民事上の個別労働紛争の相談内容で、いわゆるパワハラにあたる「いじめ・嫌がらせ」が5万9,197件と2年連続で最多となっていることが注目されます。

相談内容の内訳として、パワハラの次に多いものは、順に「解雇」(4万3,956件)、「自己都合退職」(3万3,049件)となっています。

◆正社員が当事者になる割合は減少傾向
紛争の当事者である労働者の就労形態としては、総合労働相談については、「正社員」9万7,573件(39.7%)、「パート・アルバイト」4万604件(16.5%)、「期間契約社員」2万6,696件(10.9%)、「派遣労働者」1万31件(4.1%)となっています。
過去10年の推移で就労形態別の当事者の属性を見ると、正社員は減少傾向にあり、期間契約社員が増加傾向、パート・アルバイトや派遣社員については横ばいという状況です。これは、他の「助言・指導」「あっせん」の方法でも、同様の傾向のようです。

助言・指導は1カ月以内に96.8%が、あっせんは2カ月以内に94.5%が手続きを終了するなど、”簡易・迅速・無料”という特徴をアピールしている制度ですが、できれば利用する必要がないよう、日頃から適切な労務管理を心がけたいですね。

改めて確認しておきたい「クレーム対応」の基本

◆増えているクレーム
クレームに関しては、「顧客が苦情を企業に伝えるのは26件中1件」という測定結果(1984年)が有名で、この数字がいわばクレーム対応を行う上での常識ともなっています。しかし、現在、クレームの発生率は確実に上昇しており、あるリサーチによると、「4.63回に1回」(2012年)という結果も出ています。クレーム発生率が跳ね上がっている昨今、無用のトラブルを防ぐためには、今一度クレーム対応のやり方について見直しておく必要があります。

◆「当たり前のことを当たり前にやる」ことが大切
クレーム対応では、初期対応が最も大切です。そこで、「当たり前のことを当たり前にできる」体制づくりが一番効果的なクレーム対応策となります。例えば、次のこと等を社員の間で徹底しておきましょう。

・後回しは確実にクレームを悪化させるため、クレーム対応は最優先で行う
・応対する者により返答が異ならないようにクレーム対応方法の標準化(一元化)を行う
・引継ぎの際に確実な情報連携を行い、何度も同じことを聞かずに済むようにする
・クレームの原因究明を行うことができる場を設ける

また、受けたクレームを記録に残し、情報を共有できるようにすることも効果的です。このような体制を確立するためには、電話応対など、研修で教育することが必要となることもあります。

◆状況に応じた対応を
もちろん、中にはいわゆる「モンスター・クレーマー」のような、対応に苦慮するクレームもあります。社内で対応が困難なハードクレームについては、弁護士や警察に解決を任せる必要があるものもあります。適宜、状況に応じた対応ができるようになれば、クレーム対応は万全と言えるでしょう。

当事務所よりひと言

社会保険加入している事業所宛に、年金事務所からの算定基礎届に関する調査呼出が4年に1回と言われているが、今年はやけに多い。給与等資料を抱えて埼玉・千葉・横浜へ…

平成26年6月号 Kitamura SR News

理想と現実には大きな差が!若手社員の残業の実態

◆若手社員の残業時間は?
いわゆる「ブラック企業」が世間を賑わせている昨今、多くの企業が長時間労働に対して対策を講じなければならないと感じています。 R社が入社4年目までの社員に行った「残業に対する意識・実態調査」の結果によると、若手社員の実際の月間残業時間数は平均約36時間だったことがわかりました。 実際の月間残業時間がどのくらいかを聞いたところ、「1〜20時間」が28.4%、「21〜40時間」が28.0%となり、残業時間が「40時間」未満という回答が約半数を占めました。 また、男女別に見ると、女性では「1〜20時間」(41%)、男性では、「21〜40時(30.4%)が最も割合が高い結果となりました。

◆理想的な残業時間は?
次に、理想的な月間残業時間について聞いたところ平均約24時間となり、実際の残業時間との差が平均約12時間ありました。男女とも「40時間以下」を希望する割合が高く、男性は87.4%、女性は95.4%でした。

◆ワークライフバランスがとれていない残業時間は?
「ワークライフバランスがとれているか」という質問に対しては、実際の月間残業時間数が「41〜60時間」と回答した層の約45%がとれていないと感じていました。

◆残業理由の1位は?
残業をする理由について、「自身に任される仕事が多い」(61.6%)という回答が男女ともにトップで、「残業時間帯に会議や準備等をしないと仕事が進まない」(31.2%)、「仕事の難易度が高い」(25.1%)が続いています。その他「社内の雰囲気だから」や「賃金を少しでも増やしたい」との回答もありました。

「待機時間」の扱いはどうすればよい?

◆ドライバーの待機時間に関する争い
賃金を支払わなかったトラックドライバーの待機時間(手待ち時間)について、「荷物管理を要求されて移動や連絡待ちもあり、休憩時間と評価するのは相当でない」として、労働時間に該当するとする判決が出ました(4月24日横浜地裁)。会社側は、「待機中は休憩も自由であり、労働時間には該当しない」と主張していましたが、裁判所はこれを認めず、従業員・元従業員計4人に対する未払い賃金約4,289万円と、これと同額の付加金の支払いを会社に命じました。会社側の弁護士は「判決を精査したうえで今後の対応を考えたい」としており、今後控訴する可能性もあります。

◆「休憩時間」とは?
実務上は、待機時間以外にも、深夜勤務の場合の仮眠時間や昼休みの電話当番の時間などが、労働時間になるのか休憩時間になるのかが度々問題になります。厚生労働省の通達では、「休憩時間とは単に作業に従事しない手待ち時間を含まず労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間であって、その他の拘束時間は労働時間として取扱うこと」とされています。

◆ホームページ上のQ&A
同省のホームページでは、「私の職場では、昼休みに電話や来客対応をする昼当番が月に2〜3回ありますが、このような場合は勤務時間に含まれるのでしょうか?」という問いに対し、「休憩時間は労働者が権利として労働から離れることが保障されていなければなりません。従って、待機時間等のいわゆる手待ち時間は休憩に含まれません。ご質問にある昼休み中の電話や来客対応は明らかに業務とみなされますので、勤務時間に含まれます。従って、昼当番で昼休みが費やされてしまった場合、会社は別途休憩を与えなければなりません。」と回答しています。

◆「規定化」がトラブル防止に
特定の時間帯が労働時間に該当するか休憩時間に該当するかについて曖昧になっているケースは多く、トラブルが生じやすい問題です。「労働時間に該当する時間」、「休憩時間に該当する時間」を社内ではっきりさせておき、規定化しておくことがトラブル防止策です。

「自動車運転死傷行為処罰法」が5月20日より施行されました

◆飲酒や薬物の影響で事故を起こした場合の罰則強化
「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下、「自動車運転死傷行為処罰法」という)は、昨年11月に成立し、「通行禁止道路の高速走行」やアルコールや薬物の摂取、特定の病気の影響で「正常な運転に支障が出るおそれのある状態」で運転し人を死亡させた場合に懲役15年以下、人を負傷させた場合に懲役12年以下とする規定が盛り込まれています。 現行刑法の「危険運転致死傷罪」の適用範囲が狭すぎるとして批判があったことを受け、刑法から自動車事故に関連する規定を分離して成立しました。

◆重罰化されるケースとは?
本法制定のきっかけは、栃木県鹿沼市の運転手がてんかん発作を起こし、登校中の小学生6人を死亡させた事故(2011年)や、京都府亀岡市の無免許運転により小学生等計10人がはねられて3人が死亡、7人が重軽傷を負った事故(2012年)です。 本法における「特定の病気」には統合失調症や双極性障害(躁うつ病)、てんかん、低血糖症、重度の眠気の症状を呈する睡眠障害等が含まれ、運転に必要な能力を欠いている場合や意識障害、運動障害を再発するおそれがある場合に適用されることとなっています。 また、「通行禁止道路の高速走行」としては、車両通行止め道路、歩行者専用道路、自転車および歩行者専用道路、一方通行道路の逆走、高速道路の逆走等が対象です。 さらに、アルコールや薬物の摂取により正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で運転したケース、アルコールや薬物の影響で死傷事故を起こした場合にその影響をごまかすために事後にアルコールや薬物をさらに摂取したり現場を離れてアルコール濃度などを減少させたりしたケースも処罰の対象です。

◆企業における対応
企業においては、従業員に対し新法の施行について周知するだけでなく、特定の病気に罹患している従業員の有無の確認や、該当者がいた場合の対応を検討する必要があります。

能力不足・成績不良者の解雇問題

就業規則には、解雇についてその事由を制限列挙しているのが普通。しかし、使用者に作成・変更の義務がある就業規則であっても、合理的理由や社会的相当性を無視することはできません。これが社員の不祥事に起因するものであれば、相当性は容易にみつかるが、能力不足や成績不良者といった上司の判断がからむものについては、客観的な理由が通じない場合も間々生じます。判例によれば、「下位10%未満の人事考課順位であっても、考課は相対評価であって絶対評価でないことから、直ちに労働能力が著しく劣り、向上の見込みがないとはいえない。会社はさらに体系的な教育、指導を実施することによって労働能率の向上を図るべき」とし、就業規則の「労働能力が劣り、向上の見込みがない」に該当しないとしたものがあります。今月はここまで 

平成26年5月号 Kitamura SR News

今年度の「是正指導・勧告」のポイントは?

◆前年度の申告事案の概要(東京都)
平成25年における東京労働局管内の労働基準監督署に対する申告(違反事実の通告)事案の概要が公表されました。

〔申告事案件数〕
申告受理件数は、過去10年で最少の5,051件まで減少(対前年比:▲592件、▲10.5%)しましたが、依然、労働基準法に定める最低労働基準の確保に問題が多く認められます。

〔申告内容〕
賃金不払と解雇が全体の多くを占め、賃金不払が4,210件(同:▲533件、▲11.2%)、解雇が830件(同:▲93件、▲10.1%)でした。

〔業種別件数〕
上位から、「商業」(1,232件)、「接客・娯楽業」(1,031件)、「その他の事業」(938件)でした。
東京労働局では、今後の対応として、申告事案については、労働基準法等に違反するとして労働者が労働基準監督署に救済を求めているものであることから、引き続き申告・相談者が置かれた状況に配慮のうえ、迅速・的確に処理を行うとしています。

◆是正指導・勧告のポイントは?
このような状況を受け、東京労働局の平成26年度行政運営方針では、賃金不払や解雇等の申告事案について、優先的に監督指導等を実施するとしています。
また、労働条件の確保として、有期契約労働については労働契約締結時の「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項」の明示、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」に基づく雇止めの予告等について厳しくチェックを行うようです。
また、労働者派遣法の改正に伴い、派遣元・派遣先・職業紹介事業者等に対し、厳正な指導監督を実施するとしています。内容は「日雇派遣の原則禁止」や「マージン率等の情報提供の義務化」、「関係派遣先への派遣割合制限」等が中心のようです。

中小企業における「賃金」と「雇用」の状況は?

◆中小企業のほうが賃金改善に前向き?
帝国データバンクが発表した「2014年度の賃金動向に関する企業の意識調査」の結果によると、賃金改善を見込んでいる企業の割合は46.4%(前年度比7.1ポイント増)で、2006年の調査開始以降、最高の見通しとなったそうです。
賃金改善が「ある(見込みを含む)」と回答した割合は、意外にも大企業よりも中小企業のほうが高く、47.6%でした。
改善内容については、「ベースアップ」(34.0%)、「賞与(一時金)」(27.8%)が上位を占めましたが、こちらも中小企業のほうが割合は高く、「ベースアップ」(35.5%)、「賞与(一時金)」(28.2%)となりました。

◆3社に1社は給与水準アップ
また、日本政策金融公庫総合研究所が行った「全国中小企業動向調査」の結果では、正社員の給与水準(2013年12月時点)を前年同月と比較し、「ほとんど変わらない」と回答した企業の割合が64.2%で最も多かったのですが、「上昇した」と答えた企業の割合も34.1%ありました。
賞与についても、「ほとんど変わらない」と回答した企業の割合が56.0%で最も高かったのですが、「増加」と答えた企業も29.3%ありました。
賃金総額(2013年12月時点)の前年同月比は、「増加」と答えた企業の割合が46.0%、「ほとんど変わらない」が43.8%でした。

◆約3割の企業で正社員が増加
次に、従業員数(2013年12月時点)の前年同月比は、正社員では「変わらない」と答えた企業の割合が51.4%、「増加」と答えた企業の割合は31.5%でした。
正社員が増加した理由を見ると、「将来の人手不足に備えるため」が47.3%でトップ、「受注・販売が増加したため」(36.3%)、「受注・販売が今後増加する見通しのため」(28.9%)が続きました。
一方、正社員が減少した理由については、「退職者・転職者があったが人員補充できなかったため」が64.6%でトップ、「受注・販売が減少したため」(17.2%)、「もともと人員が過剰だったため」(9.9%)が続いています。

詐欺罪に問われることも!助成金(両立支援助成金)の不正受給事例

◆「不正受給」に該当するケースとは?
助成金の支給申請に際して、事実通りに申請してしまうと助成金を受給できなかったり、期待した額の助成金を受給できなかったりするため、存在しない書類や実態と異なる書類を作成・提出して助成金を受給しようとすることは「不正受給」に当たります。
実際に助成金を受給しない場合であっても、申請するだけで不正受給になるため注意が必要です。
以下では、厚生労働省から発表されている「両立支援助成金」の不正受給事例をご紹介します。

◆不正受給事例(1)
事業主Aは、助成金の申請にあたり「事業所内保育施設の建設に要した費用の領収書の写」の提出が必要でしたが、助成金に詳しい外部者から「他の事業主はみんなこのように賢くやっている」と助言を受け、建設会社に依頼して実際に支払った金額よりも高額な額面の領収書を発行してもらい、本来受給できる金額より多額の助成金の支給を受けました。
後日、会計検査院の調査において不正の事実が判明して指摘を受けたため、事業主Aは助成金を全額返還するとともに、雇用関係助成金の3年間の支給停止決定を受けました。
さらに、労働局により詐欺罪(刑法246 条:10 年以下の懲役)で刑事告発され、警察の捜査を受けて書類送検されました。

◆不正受給事例(2)
事業主Bは、助成金の申請にあたり「対象労働者の出勤簿の写」の提出が必要でしたが、もともと出勤簿を作成していませんでした。
このため、助成金に詳しい外部者が出勤簿を作成し、その写を添付して支給申請しましたが、記載内容が実際の出勤状況と違うことが判明したため、事業主Bの助成金は不支給となり、雇用関係助成金の3年間の支給停止決定を受けました。

「五月病」の季節になりました

五月病は、新社会人が新人研修など終わって、実際の仕事を始めた後、新生活に夢中でいる間は良いが、ひと段落する頃に蓄積されていた心身の疲れや人間関係などについていけないストレスのせいで、やる気が出ない、ふさぎこんでしまうなどの状態になることを「五月病」と呼んでいます。

ただし、これらは正式の名称ではなく、病名は「適応障害」のようです。ほとんどは、一過性のものであまり心配することもなさそうですが、1カ月以上にわたり症状が続くと「うつ病」の可能性があるから、上司は心療内科や精神科で受診するよう勧めることが肝心です。五月病にしろ、うつ病にしろ、上司や同僚が観察すれば容易に判断できるといわれています。

   =今月はここまで=

最新号

平成26年4月号 Kitamura SR News

4月以降の労働・社会保険事務で留意すべき改正点

◆労働保険関係
育児休業給付の支給率(休業前の賃金に対する給付割合)が、休業開始後6カ月の間は、50%から67%に引き上げられます。
また、教育訓練給付金が拡充され、厚生労働省の指定講座を受ける場合の支給額が受講費用の2割から4割に引き上げられ、資格取得等のうえで就職に結びついた場合はさらに受講費用の2割を追加支給します。
また、再就職後6カ月以上職場に定着することを条件に、離職前の賃金よりも再就職後の賃金が下がった場合には、再就職手当の他に就業促進定着手当(上限あり)が支給されます。この他、特定理由離職者等の失業等給付の給付日数に関する暫定措置が、3年間延長されました。

◆年金保険・企業年金関係
2014年度の国民年金保険料は15,250円です。 また、2014年度の年金額は、0.7%引き下げられて64,400円となり、4月分の年金が支給される6月から変わります。 さらに、4月1日以降に妻が死亡した父子家庭にも遺族基礎年金が支給されることとなった他、産休期間中の保険料免除制度が4月からスタートし、この対象となるのは4月30日以後に産休が終了する被保険者です。 この他、厚生年金基金制度の原則10年後廃止を定めた、いわゆる「厚生年金基金見直し法」が4月1日より施行されています。

◆医療保険関係
3月末までに70歳に達している方を除いて、70〜74歳の方の医療費の窓口負担が本来の2割負担となりますが、高額療養費の自己負担限度額については据置かれることとなります。また、後期高齢者医療の保険料率が改定され、2014年度から2015年度の保険料額は全国平均で月額5,668円(見込)となります。

◆介護保険関係
第2号被保険者が負担する介護保険料が月額平均5,273円(見込)となりますが、実際の保険料額は被保険者の加入する健康保険の種類によって異なります。

ハローワークの求人票に苦情多数! 厚労省が対策強化

◆7,000件以上の苦情
ハローワークで公開している求人票の記載内容が、実際の労働条件とかけ離れているという苦情が多いようです。いわゆる「ブラック企業」が社会問題となっている昨今、求人票との食い違いがブラック企業への入り口になっているとの指摘を受け、厚生労働省が平成24年度に全国のハローワークに寄せられた申出について調査したところ、求人票の記載内容と実際の労働条件が異なるといった申出が7,783件に上ったそうです。

◆どんな苦情が多かったか?
求人票の記載内容に関する求職者からの申出・苦情等の具体的な内訳を見てみると、「賃金に関すること」(2,031 件)、「就業時間に関すること」(1,405 件)、「選考方法・応募書類に関すること」(1,030 件)が上位を占めました。その他にも、「雇用形態」「休日」「社会保険・労働保険」に関することなどについての苦情も多かったようです。

◆厚労省が相談を呼びかけている事例
厚生労働省では、ハローワークで公開している求人票の記載内容が実際の労働条件と大きく違っていた場合には、「ハローワーク求人ホットライン」で相談を受け、事実確認のうえ、会社に対し是正指導を行うとのことです。
具体的に同省が相談を呼びかけている事例としては、「面接に行ったら求人票より低い賃金を提示された」、「採用の直前に求人票にはなかった勤務地を提示された」、「『あり』となっていた雇用保険、社会保険に加入していない」などが挙げられています。

◆記載内容をめぐる具体的な対策
これらの状況を踏まえ、今後は以下の対策を行い、求人票の記載内容の正確な把握に努め、求職者の期待と信頼に応えられる職業紹介・就職支援を行っていくそうです。
(1)ハローワーク求人ホットライン(求職者・就業者専用)の開設
(2)ホットラインへの申出について事実確認と必要な指導などを徹底
(3)申出の集計・分析を行い、未然防止策の検討・実施に活用

20分で8時間分の疲労回復効果!?
侮れない「昼寝」の効用


◆健康づくりのための「睡眠」のポイント
勤労世代については、疲労回復・能率アップのため、毎日6時間以上8時間未満の睡眠を取る。睡眠不足が続くと「寝だめ」で回復を図ろうと考えがちですが、効果はないようです。また、就業時間中に眠気が生じた場合には、午後早めの時間に30分以内の昼寝をすると作業能率の改善に効果的なようです。

◆短時間睡眠「パワーナップ」の効用
「パワーナップ」とは、アメリカの社会心理学者ジェームス・マースが提唱する睡眠法で、時間当たりの睡眠の効用を最大限に引き出す方法とされています。昼食後、午後3時までの間に20分の仮眠を取ると、8時間寝たのと同じくらいの疲労回復効果があり、その後の作業効率が上がるとしています。
アメリカ海兵隊にも取り入れられるほど浸透しているようで、オーストラリアでもドライバーの疲労による事故リスクを軽減するため、15分ほどのパワーナップを勧めているところがあるそうです。

◆職場で実践する場合のやり方
最も効果的なのは、昼休みの前半にランチを食べ、コーヒーを飲んでから後半に20分の昼寝をする方法です。寝る前にコーヒーを飲む理由は、コーヒーに含まれるカフェインの効果が目覚める頃に現れるようにするためです。
寝る時の姿勢は、椅子にもたれるか机に突っ伏すのが良いとされています。横になるとすぐに深い眠りに落ちてしまい、20分で起きるのが難しくなってしまうからです。
そして、最も重要なのは「20分」という時間を守ることです。昼寝時間が長くなると深い睡眠に入ってしまい、起きることが難しくなってしまいますし、夜の睡眠にも悪影響が出てしまいます。

新人育成はOJTを使い分けて

鉄は熱いうちに打つのが鉄則。冷えてしまうといくら力を入れても思いどおりにならない。新人教育もまさにそのとおりで、トウの立った社員では教育効果は知れている。問題は教える側にもある。集合教育なら外部セミナーの活用も考えられるが、基本になるのは職場内教育(OJT)だ。職場の上司や先輩が、その任に当たるわけだが学生から社会人に切り替わったばかりの新人にとっては、共通用語を持つ先輩の指導が有効といわれている。ブラザー・シスター制度は、年齢の近い先輩がマンツーマンで仕事を教え、私生活の相談にも乗るというもの。
対話しにくい上司では親身になって相談に乗るということは不可能に近い。社会人としてやっと独り立ちできた先輩が、自分の来た道を振返りながら指導するのだから、効率も高いし、講師自身も指導することによって自己啓発も期待できる。

   =今月はここまで=

平成26年3月号 Kitamura SR News

未払残業代請求の内容証明が急増中!

◆東京管内の割増賃金遡及支払額17億円に
東京労働局から「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成24年度)」が公表されました。これによれば、東京労働局管内で、時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金が適正に支払われていないとして是正勧告・指導され、100万円以上の遡及支払いになったのは125企業となり、その総額は17億円に上ったとのことです。

◆ネット上にあふれる割増賃金請求に関する情報
最近、主に元従業員から、未払残業代請求の内容証明が届く企業が非常に増えているようです。「あなたの未払残業代がすぐわかる!」といったような内容のサービスを謳うホームページや、残業代請求に関する内容証明のひな形を掲載するサイトも増えています。
これらを利用すれば、内容証明の作成・送付により、簡単に会社に対して未払残業代を請求できる時代になってしまいました。

◆会社としての対応は?
ある日突然、送りつけられた未払残業代の支払いを要求する内容証明。その内容ごとに、会社の対策は変わってきます。
まず、内容証明の送り手は誰か。内容証明の差出人が、従業員個人なのか、合同労組やユニオンなのか、弁護士等なのかにより、会社としての対応が違ってきますし、相手の事情や紛争が長期化するかどうかもある程度読み取ることができます。
例えば、従業員(元従業員)本人による場合、会社へのうっぷんを晴らしたいのか、お金が欲しい(お金に困っている)だけなのか、上司等に対する個人的恨みなのか等が判断できる場合があります。また、内容の完成度や要求の度合いにより、インターネットのテンプレートを使って素人レベルで作ったものなのかどうか等の情報がわかり、以後の会社のとるべき対応を考えるうえで参考になります。
いずれにしても、会社としては、必要な資料(タイムカード、日報、就業規則、賃金規程等)の収集・検討を行い、残業時間を確認し、そのうえで対応を行います。

◆日頃の労務管理が重要!
もっとも、未払残業代を発生させてしまう残業・労働時間管理を根本から見直さない限り、こうした内容証明が届くリスクはなくなりません。
「会社が未払残業代を請求された」という噂が広まれば、現在働いている従業員についても、その不満を爆発させてしまうことにつながる可能性も大いにあります。
今一度、自社の労働時間管理について検証してみてはいかがでしょうか。

平成26年度の各種保険料額(率)・年金額

◆雇用保険料率
平成25年度と変わらず、次の通りとなります。
・一般の事業…1000分の13.5(労働者負担=1000分の5、事業主負担=1000分の8.5)
・農林水産清酒醸造の事業…1000分の15.5(労働者負担=1000分の6、事業主負担=1000分の9.5)
・建設の事業…1000分の16.5(労働者負担=1000分の6、事業主負担=1000分の10.5)
また、労働保険年度更新の際、一般拠出金率が変更となります。

◆介護保険料率
健康保険料率は据え置かれますが、介護保険料率は上がります。「協会けんぽ」では、40〜64歳までの方の介護保険料率が全国一律の1.55%から1.72%(負担は会社・本人折半)に変更されます。各組合健保でも同様なようです。4月給与計算の際、ご注意ください。

◆国民年金保険料額・前納額
平成26年度の国民年金の保険料額は1月当たり210円引き上げられ、1万5,250円(月額)となります。また、保険料を口座振替で前納した場合の額は、6カ月間で9万460円(1,040円割引)、1年間で17万9,160円(3,840円割引)、2年間で35万5,280円(1万4,800円割引)となります。現金納付またはクレジットカード納付による前納の場合は、上記とは金額が異なるため、注意が必要です。

◆国民年金・厚生年金の年金額
年金額(老齢基礎年金)は満額で6万4,400円(月額)となり、25年度に比べマイナス475円(0.7%の引下げ)という結果になりました。
平成25年9月までの年金額が本来支給額よりも高い金額に据え置かれていたことを受け、平成27年4月までにその特例水準を解消するため年金額が引き下げられます。当初予定では平成25年10月分からマイナス1.0%、平成26年4月分からマイナス1.0%、平成27年5月から0.5%の引下げとする予定でしたが、上記賃金変動率と合わせて0.7%の引下げとなっているものです。
なお、厚生年金の年金額(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は、22万6,925 円(前年度比マイナス1,666円)です。
受給者の受取額が変わるのは、通常4月分の年金が支払われる6月からです。

企業の「人材育成」に関する課題とは?

◆上場・未上場の124社が回答
近年、企業規模の大小を問わず「人材育成」を課題としている企業が多いようです。民間調査会社が実施した「人材育成計画の策定や課題」に関する回答結果は次の通りです。

◆研修を強化する方針の企業が多数
まず、「人事部門として、今後、教育研修を強化していく予定かどうか」について尋ねたところ、約58%の企業が「強化していく予定」と回答し、「縮小していく予定(または実施しない)」と回答したのはわずか4%でした。
また、「教育研修実施において外部のコンサル・研修会社を活用しているかどうか」については、約66%の企業が「活用している」と回答しています。しかし、大企業(1,001名以上)の約80%が外部機関を活用しているのに対して、中小企業(300名以下)では47%でした。外部講師の活用はおのずと割高となりますので、中小企業では社内講師等で対応することが多いようです。

◆研修内容についての課題
「現在実施されている教育研修は人材育成課題を反映した内容になっているかどうか」については、「反映した内容になっている」と回答した企業は約48%で、「一部ズレが生じている」が約45%、「大きくズレが生じている」が約6%でした。このように「ズレ」を認識した場合、いかに研修内容を修正して適切な研修を実施できるかが重要な課題と言えます。

◆「課長クラス」の育成が重要課題
人材育成について「大きな育成課題があると考えているクラス」については次の通りの結果となりました。
・「入社1〜3年」約33%
・「入社4年〜10年」約40%
・「入社11年以上(非管理職)」約40%
・「管理職(課長クラス)」約64%
・「管理職(部長クラス)」約30%
・「役員・執行役員以上」約14%

「プレイヤー」としてのパフォーマンスを求められながら、「マネージャー」としての管理・育成能力も要求される課長職に、非常に大きな期待がかかっているようです。

=花粉症の方は、これからピークを迎え、面倒な約1ヶ月を過ごします。万全な対策を=

平成26年2月号 Kitamura SR News

「新型うつ」か?ミスをすぐ人のせいにする部下…

◆「従来うつ」と「新型うつ」の違い
多くの企業で、若手社員の間にうつ病が広がっています。しかも、今のうつ病の多くは、これまでのうつ病とは異なるタイプです。
従来のうつ病は「メランコリー親和型うつ病」と呼ばれるタイプ。まじめで几帳面、まわりに気を使う人が、自分を追い詰めてしまうパターンで、50代にこのタイプが多い。それに対して最近増えてきたのが「現代型うつ病」(新型うつ)と称され、30代が中心で、20代でも発症する。新型うつは自己中心的で組織になじめない人が罹り易い。新型うつの患者の特徴は仕事でミスをしても自分の非を認めず「上司の指示が悪かった」などと、すぐに周囲の人のせいにします。また、思い通りにならないと、自分ではなくて他人を責めたりもする。上司から厳しく注意され、それを「パワハラ」ととって逆ギレすることもあります。

◆「新型うつ」の原因は
新型うつの増加は社会の変化、とりわけ家族関係の変化と関係があるようです。女性の社会進出が加速し、夫婦共働きが当たり前になりましたが、その半面、家庭の教育機能が低下し、子供達は十分なしつけを受けられなったため、善悪の判断がつかず、わがままになってしまった。過保護に育てられたので、傷つくことにも免疫がない。その一方、親にかまってもらえなかったので、実は心の底では他人とのつながりを求めている
。そうした子供が未熟なまま大人になり、いきなり社会に出て世間の波にもまれるなかで、環境に適応できず、新型うつになるようです。

◆治療と対応策
従来型うつでは「励ます」のはタブーだが、新型うつでは「励ます」ほうがいいケースも多いらしい。入院して徹底的に治療するのが効果は大きいという。自宅療養では家族や近所の目がプレッシャーになりがちです。少し体調が改善したからと職場復帰を急いで、再発してしまうケースが後を絶たない。企業も社員が完治するまで待つことで、企業・社員にとっても得策です。新型うつを防ぐには、時間がかかっても、親身になって若手社員を育成する。ただし、必要なら時には「愛のムチ」として厳しく指導しても構わない。真心は通じるはずです。

「ブラック企業」に対する 厚労省重点監督の結果

◆昨年9月に集中的に実施
厚生労働省では、昨年9月を「過重労働重点監督月間」と定め、いわゆる"ブラック企業"(若者の使い捨てが疑われる企業等)に対して「過重労働重点監督」が集中的に実施されましたが、その結果が昨年12月中旬に発表されました。

◆8割超の事業場で法違反!
監督対象となった5,111事業場のうち、82%の事業場(4,189事業場)において、何らかの労働基準関係法令違反が見られ、是正勧告書が交付されたとのことです。
主な法違反の内容は、次の通りでした。
(1)違法な時間外労働があった:43.8%(2,241事業場)
(2)賃金不払残業があった:23.9%(1,221事業場)
(3)過重労働による健康障害防止措置が実施されていなかった:1.4%(71事業場)

◆主な法違反の事例
なお、法違反の事例として、下記のものが挙げられています。
@長時間労働等により精神障害を発症したとする労災請求があった事業場で、その後も、月80時間を超える時間外労働が認められた。
A社員の7割に及ぶ係長職以上の者を管理監督者として取り扱い、割増賃金を支払っていなかった。
B月100時間を超える時間外労働が行われていたにもかかわらず、健康確保措置が講じられていなかった。
C無料電話相談を契機とする監督指導時に、三六協定で定めた上限時間を超え、月100時間を超える時間外労働が行われていた。
D労働時間が適正に把握できておらず、また、算入すべき手当を算入せずに割増賃金の単価を低く設定していた。
E賃金が、約1年にわたり支払われていなかったことについて指導したが、是正されなかった。

◆今後の国の対策
ブラック企業対策としては、今年度から求人票に「過去3年間の採用者数と離職者数」の記入欄が設けられるなども決定しており、企業の採用活動に影響が出るものと考えられます。今後も、ますます企業における人事労務管理が重要性を増していくことは間違いないでしょう。

「仕事への意識」に対する企業と若者の間にあるズレ

◆企業と若者の間で仕事に対する意識にズレが?
日本生命が発表した、従業員数1,000人以上の企業などを対象とした「企業調査」と、全国の20代以上の社会人および就職が内定している大学4年生などを対象とした「若者調査」によると、仕事に対する意識において企業と若者の間にズレが生じていることがわかりました。

◆新卒の採用・就職についてのズレ
就職先の検討時に最重要視しているポイントについて聞いたところ、企業は「自分のやりたいことをできるか」と想像していたようですが、実際には若者は「業種」「勤務地」を重要視していました。最近、「若者の使い捨てが疑われる企業等」(いわゆるブラック企業)への取組みが話題になっていますが、やはり若者の労働環境や早期退職率等に対しての関心が高まっており、チェック方法として、過半数が候補企業名と「ブラック企業」のキーワードで、インターネット検索をしています。

◆新卒の定着・育成についてのズレ
また、若者(社会人)の4割弱が、入社時と比較して仕事に対する意欲を低下させており、「給与水準」「人事制度」「退職金水準」については、期待外れだったとする割合が高かったようです。現在の職場を退職しようと思った経験がある若者は6割強にも上り、その要因を「職場内の人間関係への不満」としていますが、企業は「仕事内容への不満」と想像しているようです。
さらに、退職しようと思った若者(社会人)の5割強は、退職について誰にも相談しておらず、企業が若者の退職リスクを把握できていない懸念があることもわかりました。

◆女性の活用についてのズレ
女性が管理職になるうえでの課題について聞いたところ、企業の回答は、「家庭に支障がない範囲で、仕事をしたいという意識の女性が多い」や「モデルとなる女性がいないため、管理職になることを不安に思う女性が多い」、「会社として、女性の育成や活用の方針が明確になっていない」が上位を占めましたが、若者(社会人)は、「長時間労働を前提とした働き方の見直しが十分に進んでいない」が最も多く、ここにも両者の認識に違いが見られました。

平成26年1月号 Kitamura SR News

「割増率50%以上」適用拡大の動き&三六協定チェックポイント

◆「割増率50%以上」中小企業へ適用拡大か?
厚生労働省の調査で、月60時間超の法定時間外労働に対し、割増賃金率を「25%超」としている中小企業は1割強と少なく、さらにこのうち「50%超」としていた割合は1割に満たなかったことが明らかになりました。
大企業については、平成22年の労働基準法改正により、月60時間超の時間外労働に対する割増率を50%以上にしなければならなくなりましたが、中小企業については、現在この規定の適用が猶予されています。
厚生労働省では、中小企業への適用拡大について検討を進める考えです。

◆「三六協定」のチェックポイント
時間外労働・休日労働に関する協定届(三六協定)を労働基準監督署に届出ると、延長時間数の範囲内であれば、会社は1日8時間、週40時間を超えて時間外労働を命じることができます。なお、三六協定とは別に、就業規則や個別の雇用契約書等に時間外労働・休日労働(所定時間外労働含む)の根拠規定を置いておくことは必要です。
三六協定に関する代表的なチェックポイントは、次の通りです。
○一定の規模があり、労務管理上、独立性があるような支社等は、別に三六協定が必要である。
○管理監督者、病欠、休職中の社員などの在籍するすべての労働者(事業場の代表者を除く)が、「労働者の過半数を代表する者」の選出に関する母数に含まれる。
○労働者の過半数代表として労働組合を締結主体とする場合、事業場ごとに、過半数以上を組織しているか(非正規労働者を当該労働組合が組織化していない場合は特に注意)。
○従業員過半数代表は、事業場ごとの投票、挙手、持ち回り決議など民主的な方法で選出する。
○特別条項が活用できるのは、1年間あたり6回以内。
○特別条項の「具体的事由」は具体的に明記する。

◆行政指導や労災認定リスクにも
三六協定の締結・届出は、毎年の業務のため流れで行ってしまいがちですが、慎重に確認しながら進めないと、行政指導を受けたり、万が一社員が過労により死傷したような場合には労災認定されて会社の義務違反が問われたりすることにつながりかねません。

労働基準監督署の調査

◆臨検監督とは
労働基準監督官は、労働基準法に基づいて事前予告なしに企業に対し立ち入り調査(臨検監督)を行うことができ、さらに刑事訴訟法に基づき事情聴取や証拠物押収などの犯罪捜査や逮捕をする特別司法警察職員の権限も備えています。
臨検は、以下の4つに分けます。
@定期監督  A申告監督  B災害時監督 C再監督 
原則としてこの臨検監督を拒否できません。

◆調査の種類について
@定期監督
 調査対象となる例として、○就業規則、36協定の未提出企業○労働災害が多い業種○サービス残業が多そうな業種○臨検で違反事項が多い企業

A申告監督
 従業員や元従業員による申告に基づき調査を行うもので、賃金の不払い、解雇が多くなっています。申告があった場合、元従業員から申告があったときは、予め申告監督を行うこと予告します。現在も在籍する従業員からの告発が行われたときは、予告なしに申告監督が行われます。

B災害時監督
 大きな労働災害が発生した場合、労働基準監督官が事故現場に赴き、臨検監督が行われ再発防止措置がとられます。

C再監督
定期監督、申告監督、災害時監督を実施し、法令違反があった場合、「是正勧告書」が交付されます。また法律に直接違反していなくても改善を図る必要がある場合には「指導票」が交付され、事業所の施設や設備に不備があった場合には更に「使用停止命令」が交付されます。是正勧告は行政処分ではなく、行政指導になるため法的な拘束力はありませんが、労働基準監督官には特別司法警察としての権限があるため間接的な強制力があります。

使用者はこの是正勧告書に基づき是正内容を記載して、期日までに提出することになります。この法令違反が是正されているかを確認するために臨検監督が行われることが再監督です。

◆調査の際に必要となる書類
@労働三帳簿(労働者名簿,賃金台帳,出勤簿)
A就業規則、労働条件明示書、36協定
B年次有給休暇管理簿、定期健康診断結果個人票
C安全衛生管理体制の選任、設置、活動記録、届出書類
また、その他、法令違反があった事項に関しての必要種類

◆罰則について
是正報告書などによる改善の意思が見られない場合や悪質な法令違反があった場合には検察への送検手続きがとられ、起訴、罰則の処分が科されることになります。

改正道路交通法が昨年12月から施行

◆改正の概要
原則自転車の路側帯通行は左側に限られることになりました。近年増加した自転車による事故を防止することが改正の趣旨で、違反した場合の罰則も、悪質であると判断された場合は「懲役3ヵ月以下または罰金5万円以下」となります。改正前の道交法では「(自転車は)は著しく歩行者の通行を妨げる場合を除き通行できる」と規定され、左右どちらを走行するかの定めはありませんでした。それが、今回「左側に限る」とされ、罰則も設けられるようになりました。
また、改正道交法では、ブレーキがない自転車や、無免許運転を助長する行為も新たに規制されます。
「路側帯」…歩道が設けられてない道路において、道路標示によって区画することにより設けられた歩行者用の通路

◆違反と罰則について
○自転車の路側帯での左側通行⇒【懲役3ヵ月以下または罰金5万円以下】
○ブレーキがない自転車の運転禁止⇒【罰金5万円以下】
○無免許の人に車を提供する行為の禁止⇒【懲役3年以下または罰金50万円以下】
○無免許の人の車に同乗する行為の禁止⇒【懲役2年以下または罰金30万円以下】

◆会社としての対応
業務上自転車を使用させる場合や、自転車通勤を認めている場合、違反行為があったとき、基本的には個人の責任になるかと思われますが、会社の管理責任(使用者責任)に及ぶ可能性も否定できません。そのためにも、社員への今回の改正道交法の周知が必要です。

平成25年12月号 Kitamura SR News

アルバイトからみた「働きたい業種」「応募時に重視すること」

◆働いてみたい業種は?
「アルバイト人気ランキング2013年版」(過去3年以内にアルバイト・パート経験のある15〜59歳の男女5,483人が調査対象)の結果が発表されました。この調査によれば「働いてみたい業種」の上位は、下記の結果となりました。

(1)小売
(2)アパレル
(3)アミューズメント
(4)カフェ
(5)スーパーマーケット
(6)ファストフード
(7)ファミリーレストラン

また、「働いてみたいブランド」としては、東京ディズニーランド、無印良品、イオン、TSUTAYA、セブン−イレブン、ローソン、スターバックスコーヒー等が挙がっており、普段の生活で身近にあり、自ら好んで利用しているブランドがアルバイト先としても人気が高いようです。

◆応募時に重視する項目は?
アルバイトに応募する際に重視する項目として、上位から@「距離が近い」(女性でも1位)、A「シフトが都合に合う」(男性では1位)、B「仕事内容が魅力的」、C「給与が高い」、D「長期間にわたって働ける」、E「短時間でも働ける」と続きました。「給与」や「仕事内容」だけが重視されているわけではないようです。

◆面接時の印象はとても重要
採用面接時の企業(面接担当者)に対する悪印象として、「担当者が遅刻した」、「担当者が不在だった」、「担当者の態度が横柄だった」、「バックルームが汚かった」、「店長の無駄話が長かった」等が挙げられています。仮にこのような印象を持った人がアルバイトとして入社できなかった場合(入社を希望しなかった場合もあり)であっても、その後も「会社のお客さん」としての立場が続く可能性が高いわけです。
ですから、アルバイトの面接だからといって決して気を抜いてはならず、「会社や社員が応募者に見られている」という意識を持って真剣に面接に臨まなければなりません。

「年次有給休暇」に関する最近の動向

◆昨年の取得率は約47%
厚生労働省の発表によると、企業が昨年(2012年)、社員に付与した年次有給休暇(年休)は平均18.3日で前年と同でしたが、社員が実際に取得した日数は平均8.6日(前年9.0日)に減少し、取得率も47.1%(同49.3%)に低下したことがわかりました。また、時間単位の年休が取得できる制度のある企業の割合は11.2%(同8.8%)と若干増えたものの、全体の1割程度しかないことがわかりました。
さらに、年休の取得が進まないのは、上司の意識(取得する部下を「仕事より自分の予定を優先」等と否定的に考える)が原因である実態が明らかになりました。

◆「年次有給休暇算定の基礎となる全労働日の取扱い」の改正
年休に関連して、注意が必要な通達の変更が行われています。これは、裁判により解雇無効が認められた労働者が、復職後に年休取得を請求して出社しなかったところ、会社がその期間を欠勤として取り扱い、その分の賃金を支払わなかったこと等に関する最高裁の判決があったことによります。

労働基準法では、雇入れの日から6カ月の継続勤務期間またはその後の各1年度において全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、翌年度に決まった日数の年休を与えなければならないと定められています。

この出勤率の計算根拠について、「労働者が使用者の正当な理由のない就労拒否によって就労することができなかった日」を、年休の発生要件である全労働日に含まれると解釈したのがこの最高裁判決です。この判決が出たことを受け、厚生労働省は、年休算定の基礎となる全労働日の取扱いを変更しました。具体的には、労働者の責に帰すべき事由によるとはいえない不就労日は、出勤率の算定にあたっては出勤日数に算入すべきものとして全労働日に含まれるとしたのです。

◆規定の見直しを
解雇した労働者が復職した場合や、私傷病休職後の復職を認めずに退職扱いとした後に復職した場合などは、年休の出勤率の計算に影響がある可能性がありますので、注意が必要です。また、就業規則で年休に関する出勤率の計算方法を定めている場合には、規定の見直しが必要になる場合もありますので、確認が必要でしょう。

非ブラック企業!?「若者応援企業」って何?

◆すでに4,000社以上が登録
いわゆる「ブラック企業」が話題となっていますが、厚生労働省の審査を受けて「非ブラック企業」のお墨付きをもらい、学生らにアピールする企業が増えているようです。同省は今年4月、若者を積極的に雇用・育成する企業を認定する「若者応援企業宣言事業」をスタートさせましたが、今年10月末時点でこの宣言をした企業は4,375社に上っているそうです。

◆「若者応援企業」の定義
「若者応援企業」とは、一定の労務管理体制が整備されており、若者のための求人を提出し、若者(35歳未満)の採用・育成に積極的であり、通常の求人情報よりも詳細な企業情報・採用情報を積極的に公表する中小・中堅企業のことをいいます。

◆「若者応援企業」を名乗るには?
「若者応援企業」と名乗るためには、以下の基準をすべて満たしている必要があります。
(1)学卒求人など、若者対象のいわゆる「正社員求人」をハローワークに提出すること
(2)「若者応援企業宣言」の事業目的に賛同していること
(3)過去3年度分の新卒者の採用実績および定着状況などの就職関連情報を開示していること
(4)労働関係法令違反を行っていないこと
(5)事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと
(6)新規学卒者の採用内定取消を行っていないこと
(7)都道府県労働局・ハローワークで取り扱っている助成金の不支給措置を受けていないこと

◆「若者応援企業」を名乗るメリット
「若者応援企業」を名乗ることで、企業にとって以下のようなメリットがあります。
(1)ハローワークに提出される通常の求人情報に比べて、より詳細な企業情報・採用情報を公表できるため、会社の職場環境・雰囲気・業務内容がイメージしやすくなり、より適した人材の応募が見込まれ、採用後の職場定着が期待できる。
(2)都道府県労働局のホームページで、就職関連情報も含めたPRシートを公表するため、会社の魅力を広くアピールできる。
(3)就職面接会などの開催について積極的に案内するため、若年求職者と接する機会が増え、より適した人材の採用が期待できる。

平成25年11月号 Kitamura SR News

企業における「懲戒処分」の実施状況は?

◆労働政策研究・研修機構の調査
近年、労使トラブルは増加傾向にありますが、それに伴い懲戒処分を実施する(または実施を検討する)企業も増えているようです。
ここでは、労働政策研究・研修機構から今年7月末に発表された「従業員の採用と退職に関する実態調査」(常用労働者50 人以上を雇用している全国の民間企業5,964社が回答)の結果、懲戒処分の状況は次の通りです。

◆懲戒処分の規定内容
まず、懲戒処分の規定が「ある」企業の割合は 94.6%で、規定のある企業を対象にその規定の形式を尋ねたところ、ほとんどの企業(98.1%)が「就業規則」に規定しています。なお、「労働協約」で定めている企業は6.4%でした。
規定内容は、割合の高い順に「必要な場合には懲戒処分を行う旨の規定」(75.7%)、「懲戒処分の種類」(69.9%)、「懲戒の対象となる事由」(61.9%)となっています。

◆最近5年間における実施状況
ここ5年間での懲戒処分の種類ごとの実施割合は、次の通りとなっています。

(1)始末書の提出(42.3%)
(2)注意・戒告・譴責(33.3%)
(3)一時的減給(19.0%)
(4)降格・降職(14.9%)
(5)懲戒解雇(13.2%)
(6)出勤停止(12.3%)
(7)諭旨解雇(9.4%)

なお、「いずれの懲戒処分も実施していない」企業の割合は39.0%でした。

◆懲戒処分実施時の手続き
懲戒処分を実施する際の手続きとして法律で定められた要件はありませんが、一般的には「理由の開示」、「本人の弁明機会の付与」が必要とされています。
また、「労働組合や従業員代表への説明・協議」を行うことにより、本人以外の従業員の納得性を高めることもできますので、実施する際には慎重な配慮が必要です。

労働時間と残業代計算

最近、未払い賃金が常態化している、長時間労働を強いる、いわゆる「ブラック企業」が問題になっています。時を同じくして、厚生労働省は若者の「使い捨て」が疑われる企業等へ長時間労働の抑制、パワハラ・セクハラの予防・解決の為の取り組みを強化していくと発表しました。そのせいか江戸川区でも労働基準監督署からの調査来訪を受けた事業所が相次いでいるようです。
特に「残業代の未払い≒サービス残業」については、労働基準監督署の調査対象項目でもあり、従業員からの労働相談の中で解雇・雇止めに次ぐ相談数の多さになっています。

◆労働時間とは
最高裁の判例によると「労働基準法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものではないと解される」となっています。
また、「労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合であっても、当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法上の労働時間に該当すると解される」としています。(三菱重工業長崎造船所事件(最高裁一小 平12.3.9判決))。
つまりは労働契約や就業規則で始業までに業務準備をするのは労働時間ではないと明記してあったとしても、使用者によって義務付けられている場合は労働時間になり得るということになります。
上述した「労働時間」は、労働基準法上の限度時間(働かせていい時間)が決まっています。これを「法定労働時間」といいます。

法定労働時間=1日8時間、1週間40時間

◆時間外労(残業時間)とは
時間外労働(残業時間)は所定労働時間を超えて働く時間のことを言い、法定労働時間を超える場合は、割増賃金を支払わなければなりません。割増賃金は次の3種類です。
@時間外労働―8時間/日、40時間/週を超えて働かせた…割増率25%以上
A休日労働―法定休日に働かせた…割増率35%以上
B深夜労働―22時〜5時までの間、働かせた…割増率25%以上

◆勘違いし易いケース
@1日の労働時間は実際の出勤時間から起算
A社は所定の労働時間は8時間ですが、社長が地域のためにと会社の周りを始業時間の1時間前に交替で従業員を出勤させ清掃させていました。この場合、業務命令として清掃を断れない状況にありますので、1時間分の割増賃金が必要です。
また、遅刻により1時間遅れてきた場合は、休憩を除く8時間を超えたときから割増賃金が発生します。

A週40時間を超えたら時間外労働
週休2日制で土曜日が所定休日の会社では40時間を超えた部分に対し、割増賃金は発生します。

B労働時間の端数切捨てはできない
給与計算が面倒なのでタイムカードの時刻の15分未満を切捨てている。この場合、1日の労働時間は1分単位で計算しなければなりません。ただし、1ヶ月の労働時間を合計して30分未満の端数が出た場合には切捨て、30以上の端数を1時間に切上げて計算することは認められています。

「応募者」から見られている「採用面接官」

採用する際、採用面接を実施しない企業はほとんどないでしょう。実はその面接官自身も応募者からじっくりと観察されているのです。

◆採用コンサル会社の調査結果
今年4〜5月に来年度卒の学生を対象に「就職活動振返り調査」を実施しました。この調査で「面接で志望度に影響すること」について尋ねたところ、「かなり影響した」項目の上位5つは下記の結果となりました。

(1)「面接官の態度・話を聞く姿勢」(67.3%)
(2)「面接で自分自身の素が出せたかどうか」(47.6%)
(3)「面接官の話の促し方」(46.1%)
(4)「学生からの質問に対する面接官の受け答え」(45.6%)
(5)「面接官の人選」(42.1%)

◆「面接官として相応しい人材育成」が重要
上記の結果からお分かりの通り、応募者の志望度に最も影響するのは「面接官の態度・話を聞く姿勢」だということです。有望な人材の内定辞退を招かないようご注意を…

平成25年10月号 Kitamura SR News

「社会保険の適用拡大」に伴う企業と労働者の対応は?

◆調査の内容
社会保険の適用拡大が短時間労働者の雇用管理に及ぼす影響や、適用拡大が実施された場合の短時間労働者の対応の意向に関する調査の結果が公表されました。この調査は、独立行政法人労働政策研究・研修機構が、常用労働者5人以上の事業所(1万5,000社)に対するアンケート調査と、短時間労働者が多いとされる業種の企業および労働組合にインタビュー調査を行ったものです。

◆企業の意向は?
◎短時間労働者の雇用管理について見直す(と思う)企業が半数超
・「所定労働時間の長時間化を図る事業所」…約3割
・「短時間労働者の人材を厳選し、一人ひとりにもっと長時間働いてもらい雇用数を抑制」するという企業が30.5%。
・「所定労働時間の短時間化を図る事業所」…約3割
・「適用拡大要件にできるだけ該当しないよう所定労働時間を短くし、その分より多くの短時間労働者を雇用」するという企業が32.6%

◆従業員の意向は?
社会保険が適用拡大されたら働き方を「変えると思う」短時間労働者は約6割おり、具体的には、次のような意向が多くなっています(無回答:36.3%)。
・「適用されるよう、かつ手取り収入が増えるよう働く時間を増やす」…26.7%
・「適用されるよう働く時間を増やすが、手取り収入が減らない程度の時間増に抑える」…15.6%
・「適用にならないよう働く時間を減らす」…14.5%
・「正社員として働く」…8.7%
社会保険適用を希望しているが、会社から労働時間の短時間化を求められた場合の対応として、「他の会社を探す」「分からない・何とも言えない」「受け容れる」がそれぞれ約3割となっています。

◆短時間労働者の二極化
社会保険の適用拡大に伴い、「短時間労働者」という雇用形態では、"長時間化する層"と"短時間化する層"への二極化が進むと予測されます。また、基幹となる短時間労働者については、業務上の高度な役割を担う割合が高くなってくるでしょう。その際、処遇や労働条件を適切に確保しなければ、貴重な人材の流出につながる可能性が高まります。自社の状況を踏まえながら、今後の対応を検討してみてはいかがでしょうか。

「健康管理体制」に関する行政の監督指導の強化

◆「過労死等発生事業場」への監督指導結果
東京労働局から、平成24年度に実施された、過労死・過労自殺など過重労働による健康障害を発生させ労災申請が行われた事業場に対する監督指導結果の概要が公表されました。
対象となった93事業場の業種は、「交通運輸業」が最も多く、次いで「ソフトウェア・情報処理業」、「建設業」、「卸・小売業」の順で多くなっています。
また、企業規模としては、「10〜49 人」が最も多く、次いで「100〜299 人」、「10 人未満」、「300〜999 人」の順となっています。

◆法違反の割合が90%
今回の結果から、過労死等を発生させた事業場では「労働関係法令違反」の割合が 90%と高く、被災労働者に対する健康管理体制の不備のある事業場も高い割合であることがわかりました。違反の状況としては、不適切な労働時間管理(労働時間の違反、未払残業など)によるものが多くなっており、特に「三六協定」の取扱いが厳しく監督指導されているようです。また、違反のあった事業場のうち半数以上で、1カ月の時間外労働が100 時間を超えるか、2カ月〜6カ月の時間外労働が平均して月80時間を超えると認められた。

◆健康管理体制についての指導を強化
近年では、過重労働による健康障害を防止するためとして、衛生管理体制の不備についても重点的に指導が行われています。 内容は、健康診断の受診、有所見者への対応(医師等からの意見聴取、勤務軽減措置、保健指導)や、時間外・休日労働が多い労働者に対する医師による面接指導です。これらの中には努力義務のものもありますが、適切に取り組んでいない場合、いざ過労死や精神疾患の発症等が起きた際には、訴訟等において企業は不利な立場に置かれることになります。

◆「ブラック企業」への取締りも
その他、社員が過重労働により亡くなってしまったり精神疾患等で業務に就けなくなったりすれば、その影響は社員の家族や他の社員に多大な負担を強いることになります。ひいては企業の社会的評価が低下するなど、経営自体にマイナスとなります。
また、いわゆる「ブラック企業」に対する集中的な指導監督も進められていますので、今後も行政による指導監督は強化されていくことと思われます。この機会に、健康的に働くことができ、会社経営にもプラスとなる労働時間管理について検討してみてはいかがでしょうか。

最近の「会社帰りの飲み会」事情

◆最近3カ月で「外飲み」した人は約7割
株式会社インテージが今年8月に実施した「仕事帰りの外飲み事情2013」(ビジネスパーソン意識調査)の結果が発表されましたが、これによれば、最近3カ月で仕事帰りに飲みに行った人は、全体の約7割だったそうです。20代の男性が78.0%で最も多く、飲みに「行っていない」と回答したのは50代の女性が41.0%で最も多く、次いで40代の男性が38.0%となりました。

◆仕事帰りは誰と飲みに行く?
仕事帰りの飲酒の相手で最も多かったのは、「職場の同僚(同性、異性問わず)」が55.9%で、すべての性別・年代において共通でした。
性別・年代別では、20〜30代の男性は「職場の上司」、50代の男性では「職場の同僚(同性のみ)」と職場関係の割合が高いのに対し、女性は「会社、職場以外の友人・知人(同性のみ)」の割合が男性よりも高かったようです。

◆飲みに行く目的は?
飲みに行く目的・理由で最も多かったのは「コミュニケーションをとりたかったから」(50.6%)で、「付き合いで、誘われたから」(44.9%)、「会話、話を楽しみたかったから」(36.8%)と続きました。
性別・年代別でみると、20代男性が「ストレスを解消したかったから」が39.7%で最多となり、20代女性では「コミュニケーションをとりたかったから」が63.5%で最多でした。
20代〜40代の女性は、「会話、話を楽しみたかったから」が多く、飲酒の相手と同様に、男性と意識に差があるようです。

◆1回の飲み代はいくら?
1回の飲み代の平均予算は「3000円程度」(38.2%)が最も多く、次いで「4000円程度」(27.7%)、「5000円程度」(17.8%)となっています。性別・年代別でみると、最も飲み代の予算が高かったのは50代の男性でした。飲み代の平均予算については、過去の調査と比較してもあまり変化は見られませんでした。

平成25年9月号 Kitamura SR News

厚労省が「ブラック企業」の取締りを強化へ

◆8月11日「ブラック企業大賞2013」授賞式が行われ、『ワタミフードサービス(株)』が大賞を受賞しました。
ブラック企業大賞とは、従業員に対し過労やサービス残業を強いたり、パワハラや偽装請負や派遣差別を行い問題視されている企業の頂点を決める企画です。

ブラック企業大賞:ワタミフードサービス(株
業界賞:アパレル業界・クロスカンパニー(株)特別賞:国立大学法人 東北大学
教育的指導賞:ベネッセコーポレーション

◆ようやく「ブラック企業」の本格取締りがスタート
厚生労働省は、若年労働者等の使い捨てが疑われる企業(いわゆる「ブラック企業」)が社会問題となっていることを受けて、9月に集中的な監督指導を行うことを発表しました。
具体的には、以下の3つを柱として対策を行っていくとのことです。

◆(1)長時間労働抑制に向けた集中的な取組みの実施
9月を「過重労働重点監督月間」と定め、過重労働が行われている疑いのある約4,000事業所について、重点的に指導・監督を実施します。主な重点確認事項については、時間外・休日労働が36協定の範囲内であるかの確認やサービス残業の有無についての確認があり、これらについて法違反が認められた場合は是正指導が行われます。また、長時間労働者に対しては、医師による面接指導などの健康確保措置が確実に講じられるよう指導も行っていくようです。過労死等事案を起こした、または、脳・心臓疾患等に係る労災請求が行われたなどの企業等については、再発防止の取組を徹底させるため、法違反の是正確認後もフォローアップのための監督指導が実施されるようです。監督指導の結果、法違反の是正が行われない場合は、是正が認められるまで、ハローワークにおける職業紹介の対象から外すことも決定しており、重大・悪質な違反が確認された企業を、送検、公表するとしています。

◆(2)しっかりとした相談対応
9月1日には、全国一斉の電話相談を実施し、過重労働が疑われる企業などに関する相談を踏まえ、法違反が疑われる企業に監督・指導を行います。9月2日以後も、「総合労働相談コーナー」、「労働基準関係情報メール窓口」で相談や情報を受け付けします。新卒応援ハローワークでも、情報・相談を受付、労働基準法などの違反が疑われる企業に関しては労働基準監督署に情報を提供するとしています。

◆(3)職場のパワーハラスメントの予防・解決を推進
ポータルサイト「あかるい職場応援団」を通じ、パワハラに関する裁判例を解説したり、パワハラ対策に取り組んでいる企業を紹介したりします。また、パワハラ対策の必要性等をわかりやすく説明したポスター、リーフレット等を作成し、全国の行政機関等で掲示・配布するとのことです。

世代によって大きく違う? "働き方"に対する意識調査

◆30〜40代の約半数「仕事にやりがいなし」
日本能率協会が同協会研究所のリサーチモニター(18〜69歳の有職者1,000人)を対象に、第1回「ビジネスパーソン1,000 人調査」を実施し、働き方に関する意識を調べた調査結果を発表しました。
それによると、30代〜40代の約半数が「仕事にやりがいなし」「能力発揮できていない」と考えていたことがわかりました。
現在の仕事に関するやりがいについて聞いたところ、全体ではやりがいを「感じている」「やや感じている」の合計が58.4%と半数以上を占めましたが、比率が高かったのは60代(70.2%)や50代(61.9%)といった高齢者で、30代(53.5%)や40代(54.9%)については低かったようです。

◆勤務先への愛着は?
同様に、現在の勤務先に対する愛着について聞いたところ、全体では58.7%が「愛着を感じている」と回答し、「愛着を感じていない」(41.3%)を上回りましたが、ここでも40代が53.9%、30代も54.6%にすぎなかったのに対し、60代が76.7%、50代が62.4%と高く、世代によって違いがみられました。

◆自己の能力を発揮できているか?
次に、「現在の仕事は自己の能力を発揮できていると思うか」という設問には、全体では「発揮できている」(55.2%)が「発揮できていない」(44.8%)を上回ったものの、30代(46.2%)、40代(51.5%)が「発揮できていない」と答え、上記の設問と同じような傾向となりました。

◆"疲弊するミドル層"への対策
この調査結果から、働き盛りの30代〜40代は、上の世代に比べ、「仕事に対するやりがい」、「勤務先への愛着」、「能力発揮の実感」が低かったことが明らかになりました。
同協会では、「組織の中核たるミドルの疲弊として危機感を持って受け止めるべきだ」と提言しています。

転職者は転職に際して何を重視している?

◆人材確保のためには何が必要?
アベノミクス効果などにより景気が上向きつつある現在、転職を希望する人も徐々に増えてきているようです。企業が「優秀な人材」「望む人材」「欲しい人材」を獲得するためには、転職者に「この会社に行きたい」と思ってもらわなければなりません。それでは、転職者は何を求めて(何を理由に「この会社に行きたい」と思って)転職をするのでしょか?

◆調査結果から
日本経済新聞社とNTTコムオンライン・マーケティング・ソリューションが共同で、転職に関する意識調査を実施しましたが、その結果によると、「転職の条件で重視するもの」(3つまで回答)の回答の上位7つは以下の通りだったそうです。
(1)給与水準
(2)会社の将来性
(3)福利厚生
(4)職場の人間関係
(5)スキルやキャリアを磨ける可能性
(6)職務やポスト
(7)会社の社会的貢献度

◆「給与以外」で重要な要素
やはり1位はダントツで「給与水準」(82.2%)でした。「どうせ仕事をするなら、できるだけ高い給与が欲しい」と考えるのは、会社員にとって当然のことかもしれません。
しかし、給与はもちろん重要な要素ですが、「仕事は大変でもやりがいがある」、「仕事を通じて自分の成長を実感できる」「仕事を通じて社会の役に立てる」などと感じてもらえる職場や業務を提供することが、とても大切なのではないでしょうか。
今後、少子高齢化の進展により人材が不足することが確実視されていますが、会社の発展のために、どのような仕事を従業員に提供できるかがより重要になってくることでしょう。

=残暑厳しい折柄、健康にご留意ください=

平成25年7月号 Kitamura SR News

ボーナス支給日在籍要件は完全定着

◆退職者と賞与支給日
賞与の支給要件の内、最も頻繁に論じられたものが「支給日要件」です。支給日に賞与対象者であって、支給日に社員である者に対してだけ、賞与を支払うというもの。賞与は、勤怠状況や勤務成績の考課・査定に基づいて決定するのが一般的。その前の条件として、対象賞与を支給する要件の1つに、計算期間中に在籍していることが必要とされているが、これは十分条件ではなく「支給日在籍」が絶対的要件とする。争いになるのは、計算期間中は社員だったから、支給される権利を持っていると主張する。支給日直前に定年に到達し、退社する者には特別に支給対象とするが、有期労働者の期間満了や解雇は対象としないため、過去、話がこじれるケースが多かった。最近では最高裁の大和銀行事件判決によって「支給日在籍要件」が有効とされたため、係争になるケースは少なくなりました。

8月1日より変更される雇用保険の基本手当日額等

◆賃金日額・基本手当日額の変更
厚生労働省発表の「毎月勤労統計」の平均定期給与額の増減により毎年8月1日に見直される雇用保険の賃金日額の上限額・下限額が、2012年度の平均定期給与額が前年比で約0.5%減少したことから、いずれも若干の引下げとなりました。
これにより賃金日額に基づいて算定される基本手当日額の支給額も減額となる場合があり、対象となる方には2013年8月2日以降の認定日に返却される受給者資格者証に印字して通知されます。
なお、変更後の基本手当日額は、全年齢の下限額が1,848円です。上限額は、29歳以下は6,405円、30〜44歳は7,115円、45〜59歳は7,830円、60〜64歳は6,723円です。
さらに、基本手当日額以外にも、今回の変更に伴い、下記の雇用保険給付について支給額等の変更が生じます。

◆就業促進手当の上限額の変更
 就業促進手当(再就職手当、就業手当、常用就職支度手当)の上限額も変更となり、就業手当の1日当たり支給額(基本手当日額の30%)の上限額が、59歳以下で1,752円、60〜64歳で1,418円となります。

◆高年齢雇用継続給付の支給限度額等の変更
高年齢雇用継続給付の支給限度額は34万1,542円となり、最低限度額は1,848円となります。支給対象月に支払われた賃金の額が支給限度額以上であるとき、また、高年齢雇用継続給付として算定された額が最低限度額を超えない場合は、高年齢雇用継続給付は支給されません。なお、支給額算定に用いる60歳到達時等の賃金月額については、上限額が44万8,200円、下限額が6万9,300円となります。

◆育児休業給付の支給限度額の変更
初日が2013年8月1日以後である支給対象期間の育児休業給付については、上限額が21万3,450円となります。

◆介護休業給付の支給限度額の変更
初日が2013年8月1日以後である支給対象期間の育児休業給付については、上限額が17万760円となります。

精神障害の労災認定が過去最多に!

◆脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況
厚生労働省が、平成24年度の「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」を発表しました。これは、過重な仕事が原因で発症した脳・心臓疾患や、仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の状況についてまとめたものです。くも膜下出血などの「脳血管疾患」や、心筋梗塞などの「心臓疾患」は、過重な仕事が原因で発症する場合があり、これにより死亡した場合は「過労死」とも呼ばれています。

◆精神障害の労災認定件数が過去最多に
今回注目すべきは、精神障害の労災申請自体は前年より若干少なくなりました(1,257件)が、労災認定件数が475件(前年度比150件増)となり、過去最多となったことです。
その内容を見ると、昨今、行政による是正指導でも多く指摘されている事項が並んでいます。
業種別では、製造業や卸・小売業、運輸業、医療・福祉といった業種が多くなっています。

◆仕事量・内容の変化、嫌がらせ・いじめに注意
次に、出来事別に支給決定件数をみると、(1)仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった、(2)(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた、(3)悲惨な事故や災害の体験、目撃をした、の順に多くなっています。
また、増加件数としては、(1)1カ月に80時間以上の時間外労働を行った(前年度比29件増)、(2)(重度の)病気やケガをした(同27件増)、(3)上司とのトラブルがあった(同19件増)、(4)セクシュアルハラスメントを受けた(同18件増)、(5)(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた(同15件増)の順に多くなっています。

◆体調の管理と併せて労働時間の管理も
「1カ月に80時間以上の時間外労働を行った」という部分については、脳・心臓疾患の時間外労働時間数(1カ月平均)別支給決定件数をみても、飛躍的に発症件数が増えてくるところですので、会社の労働時間の管理が非常に重要であることがわかります。時間外労働が多いと睡眠不足など体調の管理も難しくなり、こうした労災の発生につながってくることも考えられます。

「安定志向」が若者に広まっている?

◆「第一志望に入社」は5割
今年度の新入社員を対象に実施した「働くことの意識」調査結果によると、「第一志望の会社に入れた」と答えた新入社員は、質問を開始した2009年以降で最低となる52.0%(前年比8.9%減)だったそうです。
厚生労働省・文部科学省の「大学卒業予定者の就職内定状況調査」では、大卒者の内定率(4月1日現在)は、一昨年(91.0%)、昨年(93.6%)、本年(93.9%)と好転しているため、厳しい採用状況から、志望レベルを下げてでも「内定を得ること」を優先している学生が多かったと言えそうです。

◆「社長になりたい」はわずか1割
「2013年度新入社員の会社生活調査」によると、最終的に目標とする役職・地位についての質問で、「社長」と答えた人が11.9%となり、調査を開始した1990年以降で最低となったそうです。一方、「部長」は昨年度の23.2%(前年度比0.3ポイント増)で過去最高を更新し、「課長」「係長」についても増加する傾向が見られました。経営トップを目指すという気概よりも、安定を求める人が多かったようです。

◆「定年まで同じ会社で働きたい」は減少
また、「この会社でずっと働きたいか」という問いには、昨年は過去最高を記録した「定年まで勤めたい」が、30.8%(前年度比3.5%減)に減少し、代わって「状況次第でかわる」が33.1%(前年度比1.7%増)で「定年まで勤めたい」を上回りました。
内定を得ることを重視して志望レベルを下げたことが「定年まで」と回答しにくくさせているようです。

平成25年6月号 Kitamura SR News

健康診断の法律的位置付け

◆労働安全衛生法
同法第66条では、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断を行わなければならない」とされており、更に常時50人以上の労働者を使用する場合には定期健康診断報告書を労働基準監督署に提出しなければいけません。これに違反した場合50万円以下の罰金が科せられることがあります。

◆健康診断の種類・対象労働者
◎一般健康診断
@雇入れ時の健康診断・・・常時使用する労働者を雇い入れる時に行う。
A定期健康診断・・・常時使用する労働者に対し、1年以内に1回、定期に行う。
B特定業務従事者の健康診断・・・深夜業などの特定業務に従事する労働者に対して配置替えの際および6カ月以内ごとに1回行う。
C海外派遣労働者の健康診断・・・労働者を海外に6カ月以上派遣する際および6カ月以上海外派遣した労働者を国内で業務に就かせる時に行う。
D給食従事者の健康診断・・・給食従事者に対し、雇入れの際および配置替えの際に行う。

◎特殊健康診断
高圧室内作業に関わる業務、潜水業務、放射線業務、特定科学物質を取扱う業務等の有害な業務に従事する労働者に対する健康診断。6カ月以内ごとに1回行う。

◆常時使用する労働者とは
雇入れ時の健康診断や定期健康診断においては「常時使用する労働者に対して医師による健康診断を行わなければならない」とされています。この常時使用する労働者とは正社員はもちろんですが、パート労働者においても1年以上の雇用見込がある場合、また1週間の所定労働時間が正社員と比較し、4分の3以上である場合にも該当するので健康診断を受診させる必要があります。

◆健康診断の費用、賃金支払、その後の対応
健康診断を行う際の費用に関して、行政通達では、事業者に実施義務を課している以上、事業者が費用を負担すべきとされています。
受診時の賃金の支払に関しては以下の通り。

【一般健康診断】
一般的な健康の確保を目的として実施義務を事業者に課したもので、業務遂行性との直接の関連において行われるものでない。

所定労働時間内での支払義務は無いが、事業の円滑運営には健康の確保が不可欠なので労使協議で定めて、事業者が負担するのが望ましい。

【特殊健康診断】
業務の遂行に関して、健康確保のために当然実施しなければならない。

受診に要した時間は労働時間に含めるので、支払う必要がある。原則的に所定労働時間内で行い、時間外に診断を行った場合は割増賃金も支払う。

◆健康診断後の対応
診断の結果、労働者に異常の所見があった場合は、事業主は医師の意見を聴き、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業転換、労働時間の短縮、深夜業の回数減少等の適切な処置を講じる必要があります。また健康診断の結果に基づいて健康診断個人票を作成し、5年間保存しなければなりません。

◆就業規則に記載する
事業主が労働者に対して健康診断を行い、診断結果を保存する義務があるのに、社員が健康診断の受診を拒否したり、診断結果を提出してこないことがあります。労働安全衛生法では、労働者に対して、事業主が行う健康診断を受けなければならないとありますが、罰則についての記載がなく、事業主には強制力がありません。
そのため、あらかじめ就業規則や労働契約で受診や提出を拒否した際の懲戒処分などの規定を設けておく必要があります。

老齢基礎年金の合算対象期間があるかも…

◆合算対象期間とは
老齢基礎年金を受けるためには、原則として、保険料を納付した期間と免除された期間を合算して25年の年金加入期間が必要です。しかしながら、これまでの年金制度の変遷の中で国民年金に任意加入しなかったり、国民年金の被保険者の対象となっていなかったことなどにより25年を満たせない場合があります。そこで、このような方も年金が受給できるよう、年金額には反映されませんが受給資格期間としてみなすことができる期間があります。この期間を「合算対象期間」といい、保険料を納付した期間と免除された期間に合算対象期間を加えた期間が25年以上あれば老齢基礎年金の受給要件を満たすことになります。
厚生年金等の加入期間がある方は、生年月日により、25年の年金加入期間がなくても受給資格期間を満たす特例があります。

◆主な合算対象期間について
((※)は20歳以上60歳未満の期間に限ります)

◎昭和61年4月1日以後の期間
1.日本人で、海外に居住していた期間の内、国民年金に任意加入しなかった期間(※)
2.平成3年3月までの学生(夜間制、通信制を除き、年金法上に規定された各種学校を含む)であって国民年金に任意加入しなかった期間(※)
3.第2号被保険者としての被保険者の内、20歳未満の期間または60歳以上の期間

◎昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間
4.厚生年金保険、船員保険および共済組合の加入者の配偶者で国民年金に任意加入しなかった期間(※)
5.被用者年金制度等から支給される老齢(退職)年金受給権者と、その配偶者、老齢(退職)年金の受給資格期間を満たした人と、その配偶者、障害年金受給権者と、その配偶者、遺族年金受給権者で国民年金に任意加入しなかった期間(※)
6.学生(夜間制、通信制、各種学校を除く)で、国民年金に任意加入しなかった期間(※)
7.日本国籍を取得した方、または永住の許可がされた方の取得・許可前の期間であって昭和56年12月までの在日期間(※)
8.日本人で海外に居住していた期間(※)
9.厚生年金保険・船員保険の脱退手当金を受けた期間(昭和61年4月から65歳に達する日の前月までに保険料納付期間(免除期間を含む)がある人に限る)
10.厚生年金保険・船員保険の被保険者および共済組合の組合員期間の内、20歳未満の期間または60歳以上の期間
11.昭和36年4月以降の国会議員の期間(※)
12.昭和37年12月以降の地方議員の期間(※)
13.国民年金の任意脱退の承認を受けて、国民年金の被保険者にならなかった期間(※)

◎昭和36年3月31日以前の期間
14.厚生年金保険・船員保険の被保険者期間(昭和36年4月以後に公的年金加入期間がる場合に限る)
15.共済組合の組合員期間(昭和36年4月以後に引続いている場合に限る)
受給要件を満たしていない・・・(涙)と諦め ている方も一度確認されてみてください。

平成25年5月号 Kitamura SR News

「健康保険被扶養者資格」の再確認について

◆健康保険の「被扶養者」とは?
協会けんぽホームページによれば、被扶養者の範囲は次の通りとされています。
1.被保険者の直系尊属、配偶者(事実上婚姻関係と同様の人を含む)、子、孫、弟妹で、主として被保険者に生計を維持されている人
2.被保険者と同一の世帯で主として被保険者の収入により生計を維持されている次の(1)〜(3)の人
(1)被保険者の三親等以内の親族(1.に該当する人を除く)
(2)被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
(3)(2)の配偶者が亡くなった後における父母および子

◆被扶養者認定の留意点
ところが、上記の要件を満たさない者を被扶養者として申告してしまっていることにより、結果として本来保険給付を受けるべきでない人が保険給付を受けてしまい、被保険者の保険料負担増の一因となってしまっていることがあります。
具体的には、生計維持関係のない両親等を被扶養者に含めていたり、共働き夫婦の夫と妻の両方が子どもを被扶養者として申告していたりする等です。中には、社会保険の被扶養者要件と税法上の被扶養者要件とが違っている点がわからずに誤った申告をしてしまっているケースもありますので、注意が必要です。

◆被扶養者資格の再確認の実施について
協会けんぽでは、5月末から7月末までの間、被扶養者資格の再確認を実施しており、今年度も5月末から順次、被扶養者のリストが事業主宛てに送られてきます。
再確認の対象となるのは、被扶養者のうち、「2013年4月1日において18歳未満の被扶養者」と「2013年4月1日以降に被扶養者認定を受けた被扶養者」を除く人です。
リストが送られてきたら(1)該当被扶養者が現在も健康保険の被扶養者の条件を満たしているか確認のうえ、被扶養者状況リスト(2枚目は事業主控)に必要事項を記入し、事業主印を押し、(2)確認の結果、削除となる被扶養者については、同封の被扶養者調書兼異動届を記入し、該当被扶養者の被保険者証を添付し、(3)(1)および(2)を同封の返信用封筒にて提出します。すると、協会けんぽで確認のうえ年金事務所へ回送され、年金事務所で扶養者調書兼異動届の内容審査および削除処理が行われ、被扶養者(異動)届の「控」が事業主宛てに送られてくることとなります。

高年齢者雇用に関連した助成金の 変更内容

◆法改正にあわせた変更
改正高年齢者雇用安定法の施行にあわせて、高年齢者雇用に関連した助成金の制度も変わっています。まだ不確定な部分もありますので、今後の動向に注目です。

◆法改正を機に廃止された助成金
従来の「中小企業定年引上げ等奨励金」「高年齢者職域拡大等助成金」は平成25年3月31日をもって終了となりました。なお、「中小企業定年引上げ等奨励金」については、平成25年3月31日までに、「65歳以上への定年引上げ」、「定年制の廃止」、「希望者全員を対象とする70歳以上までの継続雇用制度」などの導入を行った中小企業事業主については、支給の対象となります。また、「高年齢者職域拡大等助成金」についても、平成25年3月31日までに「職域拡大等計画書」を申請した事業主については、支給の対象となります。

◆法改正後も引き続き支給される助成金
「特定求職者雇用開発助成金」は、新たにハローワーク等の紹介により60歳以上65歳未満の者を継続して雇用する労働者として雇い入れた場合等に支給されるものですが、この助成金については、引き続き存在しています。

◆新設される予定の助成金
なお、「高年齢者労働移動受入企業助成金」(定年を控えた高年齢者で、その知識や経験を活かすことができる他の企業への雇用を希望する者を、職業紹介事業者の紹介により失業を経ることなく雇い入れた場合に支給)については、新しい助成金に移行する予定であり、今後、厚生労働省などから周知されるとのことです。

4月1日から失業認定の手続きが変わっています

◆基本手当の不正受給の実態
雇用保険の基本手当は、労働の意欲および能力を有しながら働くことができずに、求職活動を行っている方の生活の安定と早期再就職を促進するための給付ですが、いわゆる「不正受給」に当たるケースがあることが確認されています。
厚生労働省の発表によると、2005年から2009年までの間に4万件超の不正が確認されていますが、氷山の一角に過ぎないとも言われています。基本手当等の給付は、被保険者等が負担する保険料によって賄われているものですので、当然、同省もこのようなケースを見過ごすことはできず、法改正等の対応により対策を講じており、件数が減少する傾向になっていましたが、リーマンショックの影響があった2009年度は前年度比で20%近く件数が増えています。

◆不正受給対策の内容
不正受給で多いケースは、基本手当を受給しているにもかかわらず、求人に応募したりハローワークの職業相談を利用したりするといった求職活動の実態がないケース、求職活動の結果、再就職できたにもかかわらず、その報告をしないで基本手当を受給し続けるというケースが大半を占めます。そのため、ハローワークでは失業認定申告書に具体的な求職活動の内容を記載させたり、申告書に書かれた企業等に実際に応募があったかどうかの確認をとったりして、求職活動の実態を調査しています。
また、不正受給が発覚した場合には「2倍返し」「3倍返し」させる等の厳しいルールを設けることで、不正受給を抑止する効果をねらっています。

◆本人確認の徹底
さらに、基本手当の受給を申請するときには、離職票のほか、本人確認書類(運転免許証や写真付き住民基本台帳カード等)や本人名義の通帳等を持参して受給資格の決定を受けた後、受給説明会等を経て、指定した口座に給付が振り込まれることとなります。この本人確認について、今年4月1日より雇用保険法施行規則が改正され、受給資格決定時だけでなく、受給資格決定後においても、本人確認書類の提出を求めることができることとされました。

出張と業務上災害の関係

出張は、事業主の管理下を離れているが、その成否、遂行方法などについて包括的に事業主に対して責任を負っており、その全過程について支配下にあるといえ、業務起因性が認めらます。出張者は日常生活どおり、入浴や食事をするのは、私的行為でなく「付随行為」とされ、業務遂行性も認められるから、その過程で遭遇した事故は業務上とされます。ただし、晩酌の習慣のあるものが、夕食時に宿泊する旅館、ホテル内で飲食することは付随行為とされるが、外出してはしご酒をしたり、パチンコなどの遊戯中の事故は私的行為として「業務外」とされる可能性が高い。そのほか、運動競技・宴会・慰安旅行などは世話役だけが業務上、接待ゴルフは所定労働日の場合は業務上となるが、休日の場合には、業務の話が出ても業務外とされます。 (完)

平成25年4月号 Kitamura SR News

精神疾患の急増による人事管理対応

◆精神疾患者への会社ルールの整備
従業員を業務に就かせることが、不能または適当ではない場合、会社は一定期間労働義務を免除あるいは、労働を禁止する「休職制度」を設けているケースが一般的です。その内容については、法律は関与していないが、行政・司法などから妥当と認められるには、就業規則または労働協約による「定め=制度化」が必要であり、御社ではいかがでしょうか?
その規定に基づいて会社は休職制度の適用を行うことができる。休職期間は、会社毎に様々ですが、いろいろな休職の中でも、私傷病休職に問題が発生しています。メンタルヘルス対応は、厚労省でも注視していますが、不調者の多くは就業継続に適さず、休職となるケースが多い。うつ病の発症にも関係しており、治癒に至る前に、職場復帰と休職を繰返すことが多いのがこの疾病です。復帰後、再休職した場合、ゼロからスタートするといつまでもこの不安定労働力を抱えることになるため、同一疾病が再発した場合には「通算」して休業期間をカウントし、満了した時に「自動的」に退職させる規定設けたい。なぜなら、安全配慮義務違反や増悪した場合の「業務上疾病」を問われることを回避するために、御社の規定を一度確認してください。

「解雇権濫用」「名ばかり管理職」に関する裁判例

◆メーカーが多数の労働組合員を解雇
神戸市にある鋼管メーカーを解雇された従業員(22人)が地位確認などを求める訴えを提起していましたが、神戸地裁は「解雇権濫用のため無効である」として、会社に対して未払賃金の支払いを命じる判決を下しました(2月27日)。
この会社は、事業縮小を理由として2011年6月に工場勤務の従業員(28人)を解雇しましたが、28人のうち26人は労働組合員だったそうです。 裁判官は判決で「他部署への配転を検討するなど、解雇を避ける努力を尽くしていない」と指摘し、また、解雇された従業員の大半が労働組合に加入していたことが「明らかに不自然である」としました。
原告の男性の1人は、「会社は判決を重く受け止め、早く職場に戻してほしい」と話しているとのことです。

◆大学が財務課長を管理職扱い
広島県にある私立大学の元財務課長(57歳)が、実態は管理職ではないにもかかわらず管理職として扱われて残業代が支払われなかったとして、大学側に対して未払賃金等(約630万円)の支払いを求めて訴えを提起していましたが、広島地裁は「時間外手当の支給対象外となる管理監督者には該当しない」として、学校側に対して約520万円の支払いを命じました(2月27日)。
訴えていた男性は、2008年4月から2011年3月まで財務課長を務めており、最も多い月の残業時間は103時間30分だったそうです。
裁判官は判決で「原告の上司として法人事務局長などが置かれ、業務の大部分で上司の決裁が必要であり、権限は限定的だった」としました。また、出退勤時間等に関する裁量が限られていたことなども考慮され、「権限や責任が経営者と一体というのは困難である」とされました。
大学側はこの判決に不服のため、控訴を検討しているとのことです。

4月以降の「雇用関係助成金」の改正と新設・統廃合

◆平成25年度から新体系に
厚労省は、4月から雇用関係助成金制度の一部について、既存の助成金で類似するものを統廃合するなどして、わかりやすく、活用しやすい制度体系に変更することを発表しましたが、実態は縮小され且つ活用しづらくなった感じが強い。
具体的には、雇用調整助成金と中小企業緊急雇用安定助成金のように類似する制度を統合して新設するもの(「雇用調整助成金」に一本化)、中小企業定年引上げ等奨励金など、平成24年度末で廃止となるものなどがあります。

◆雇用調整助成金の改正点
雇用調整助成金と中小企業緊急雇用安定助成金が統合されて雇用調整助成金に一本化されますが、4月1日以降、以下のように一部内容を変更することが発表されています。

(1)助成率の変更
・大企業:3分の2(4分の3)→2分の1
・中小企業:5分の4(10分の9)→3分の2
※( )内の「労働者の解雇等を行わない場合、障害者の場合」も同様の助成率となる。
(2)教育訓練(事業所外訓練)の助成額の変更
・大企業:4,000円→2,000円
・中小企業:6,000円→3,000円
(3)円高の影響を受けた事業主に対する生産量要件緩和特例の廃止


◆日本再生人材育成支援事業奨励金の新設
また、4月以降も継続されるものとして、すでに1月より、重点分野(健康・環境・農林漁業分野等)において、有期契約労働者等も含めた労働者に対して、一定の職業訓練を実施した事業主や、被災地復興のために必要な建設関係の人材育成を行った事業主に向けて、以下のような助成金が実施されています。

・正規雇用労働者育成支援奨励金
・非正規雇用労働者育成支援奨励金
・海外進出支援奨励金(留学)
・海外進出支援奨励金(送り出し)
・被災地復興建設労働者育成支援奨励金
今後、非正規労働者のキャリアアップ支援、若年層の安定雇用の確保、高齢者の就労促進などを目的とする新しい助成金も設けられる予定ですので、動向を注視したいところです。

中小企業は受注減少・取引打切り約半数

◆中小企業の取引関係調査
連合が300人未満の中小企業を対象に昨年行った調査結果によると、抱える課題として「取引先からの受注減少や取引打切り」が5年前の前回調査より14.8%も増加、企業数も半数近いことが分かった。
取引先から具体的説明もなく、あるいは説明されても納得できないまま単価引下げを要請されたのは約45%で、それら要請に近い水準で応じたのはおよそ3割。運輸業や情報・ソフトウェア業ではその傾向が強く、30人未満規模の中小零細はそれら要請をほぼ丸のみ状態となっていた。円高・株高の効果は、 大企業中心に業績回復が顕著だが、中小零細企業には行渡っていないようです。
一定の役割を果たした「金融円滑化法」の期限切れ後、日銀の金融緩和で民間銀行の貸出が増え、中小零細の企業経営を下支えすることに期待します。

平成25年3月号 Kitamura SR News

「改正高年法」施行目前! 定昇など賃金制度の動向

◆活発化する賃金をめぐる動き
平成25年の春闘がスタートし、ローソンが2013年度から20代後半〜40代の社員の年収を平均3%(平均約15万円)引き上げることを発表したり、先頃行われた政府と経済3団体トップとの会談で、安倍首相から、デフレ脱却に向けて業績が改善した企業から賃金を引き上げるよう要請が出たり、賃金をめぐる動きが活発化している。

◆約4割の企業では定期昇給を導入していない
日本生産性本部が2012年10月〜11月にかけて実施した調査によると、年齢や勤続年数に応じた定昇がある賃金カーブの設計となっている企業は過半数(55.2%)を占めているものの、「定期昇給はない」という企業も約4割(39.6%)となったことがわかった。定昇制度の導入率を過去の調査と比較すると、2000年が87.3%、2004年が62.2%となっており、徐々に導入率は低下している。

◆定昇を導入している企業の約半数が見直しを検討
定昇制度がある企業での今後の定昇制度の取扱いについては、「現状のまま」が42.4%となった一方で、「定期昇給によって上がる水準を抑制したい」が25.9%、「一定年齢までは定昇はやむを得ないが、もう少し早めの年齢で止めたい」が21.2%となり、合計で47.1%は見直しを考えていることがわかった。 企業規模が5,000人以上になると「現状のまま」という企業は12.5%まで減少し、「定期昇給によって上がる水準を抑制したい」が37.5%、「一定年齢までは定昇はやむを得ないがもう少し早めの年齢で止めたい」が25.0%で、合計62.5%となり、さらにその傾向が強まっていることがわかる。

◆年齢・勤続給を導入する企業は減少
基本給に採り入れられている賃金体系を見ると、管理職層では、役割や職責あるいは職務の価値を反映させる「役割・職務給」の導入率が79.2%と高く、職務遂行能力の高さを反映させる「職能給」の導入率はついては、やや下がって65.6%となっています。また、年齢や勤続年数を反映させる「年齢・勤続給」については、22.7%となっている。
非管理職層についても同様の傾向がみられますが、どちらに関しても言えることは、「年齢・勤続給」は、調査開始から下がり続けているということです。4月からの「改正高年齢者雇用安定法」の施行による65歳までの雇用義務化に伴い、再雇用者の賃金の賃金水準を引き下げることを検討する企業が増えることも予想される。そうした場合の再雇用者の勤労意欲との兼ね合いが課題となります。

「退職強要」「追い出し部屋」の有無に関する調査結果について

◆調査はなぜ、どのように行われたか?
大手企業に「追い出し部屋」と呼ばれる部署が次々とできている問題については、先月の事務所通信でも取り上げましたが、厚労省は「退職強要の有無等に関する調査」を実施し、その内容を1月29日に公表した。この調査は、製造業大手企業などで上記のような部署が存在し、転職を勧めたり、退職を迫ったりするケースがあるとの報道を受け、同省の職員が実態を把握するために、報道された企業に対して直接聴き取る方法で行われました。しかし、企業の人事担当者から30分〜1時間ほど説明を聞いただけでは、実態まで把握できたか?いささか疑問が残る…

◆ベネッセ訴訟「追い出し部屋」は違法
通信教育大手のベネッセコーポレーションがつくった「人財部付」という部署へ配属された女性社員が、「人財部付の存在自体が違法」と訴え、異動命令の無効などを求めた。「(会社が主張する)『再教育』とは名ばかりで、単純作業をやらせて、退職以外に道はないと思い込ませる場として機能している。『社内就職活動』も、現実には配属先がないことを感じさせて退職に追い込もうとするものだ」と指摘した。昨年8月、東京地裁立川支部は「追い出し部屋」を違法と判決した。その実態は、

@単純労働をさせる
A社内の他の部署への「就職活動」をさせる
B評価や給与を下げる
C業務を制限する
・名刺を持たせない
・電話に出させない
・社内ネットにアクセスさせない
・担当表に名前を載せない

これらの事実を総合すると、実質的な退職勧奨の場となっていた疑いが強く、違法な制度として、こうした部署への配属を命じることは、人事権の裁量の範囲を逸脱したものとして、無効を言い渡した。

◆厚生労働省の対応
今回の調査において、厚生労働省は「明らかに違法な退職強要を行っている企業は確認されなかった」と結論づけ、しつこく退職をせまれば違法になるとして、注意をうながすにとどめた。その反面、余剰人員を何とか活用しようとしている企業も見られ、その経営努力を『違法』とされる恐れもあり、厳しい…

今どきの「飲みニケーション」の実態は?

◆職場の飲み会は「仕事の延長線上」?
株式会社エルネットが運営するオンラインストレージサービス(宅ふぁいる便)のユーザーを対象に実施した「職場の飲み会に対するアンケート」によると、職場の飲み会がどのような場であるのかを聞いた質問では、「やや仕事の延長線上の場」との回答が39.0%、「やや仕事を離れた息抜きの場」が35.2%、「仕事の延長線上の場」が17.1%、「仕事を離れた息抜きの場」が8.8%となった。「仕事の延長線上」であると考えている人が若干多い結果です。

◆飲み会頻度は月?回、平均費用3,000〜4,000円
「職場の仲間と飲みに行く頻度は?」の質問に対しては、「不定期」との回答が多数を占め(62.2%)、次いで「月に1回」(15.4%)、「月に2-3回」(13.1%)、「月に4回以上」(7.6%)と続いています。また、職場の仲間との飲み会の1回当たり平均費用は?との質問に対する回答では、多い順に「3,000〜4,000円」(39.7%)、「2,000〜3,000円」(27.1%)、「4,000〜5,000円」(21.4%)、「5,000円以上」(7.6%)、「2,000円未満」(4.3%)となった。

◆飲みニケーション会で感じる不快とは?
転職サイト「マイナビ」が行ったアンケートによると、「だから職場の飲み会は行きたくない!」と思ってしまう瞬間について、次のような回答が挙がっています。

【男性】
(1)上司の説教が始まる(20.4%)
(2)飲み会の時間が長い(18.7%)
(3)会費が高い(16.2%)
【女性】
(1)会費が高い(23.6%)
(2)お酌をさせられる(22.3%)
(3)飲み会の時間が長い(19.2%)
飲み会の場で不快に感じる方もいるようですが、飲み会が職場での人間関係に与える好影響も小さくないとの意見多数あり…本当?

平成25年2月号 Kitamura SR News

「追い出し部屋」(退職強要)問題と退職勧奨の注意点…終身雇用の陰…

◆「追い出し部屋」問題の帰趨は如何に?
パナソニック子会社2社、他大手企業の社員から「追い出し部屋」などと呼ばれる部署の設置が相次いでいるとの朝日新聞報道があり、厚生労働省が実態調査に乗り出すことになりました。違法な退職強要につながるおそれがあり、企業からの聞き取りを中心に調査を行うようです。調査の中身は、どの程度の数の企業で設置され、どんな仕事を命じているのかについて把握し、退職強要について注意を促すとのことです。また、調査の際に「賃金未払い」や「解雇手続」に関する違反が見つかれば、併せて是正指導がなされるそうです。
しかし設置する企業側は、法的根拠も検討した上のこと故、違法性の立証は困難と推測されます。

◆「退職勧奨」と「退職強要」の違い
会社が、社員の自由意思による退職を勧めるのが「退職勧奨」であり、これ自体は、会社と社員間の労働契約について社員の自由意思による解約を会社から申し出るもので、法的な規制はありません。
しかし、あまりに執拗に行ったり、詐欺・脅迫などにより行ったりすれば、違法な「退職強要」とみなされてしまいます。実際に、そうした裁判例も多々あり、損害賠償のリスクや雇用契約の解消が無効とされるリスクがあります。今回の追い出し部屋問題では、企業側としては「新たな技能を身につけたりして、他部署の応援や再配置の役に立つように」との意図からそうした部署を設置しているとしていますが、社員側は「社内失業者を退職に追い込むのが狙い」と反発しています。

◆退職勧奨実施時の注意点
退職勧奨は解雇規制の厳しい日本においてはよく用いられる方法ですが、実際に退職勧奨を行う場合は、前述のように裁判となるリスクがあります。裁判とならないためには、退職勧奨の行い方に注意が必要です。退職勧奨の実施回数・場所・時間、社員に伝えるべき事項とその伝え方、退職届の受理方法、必要となる書類の作成などに注意して、適切に行わなければなりません。
もっとも、退職勧奨を行う以前に、問題のある社員に対する日頃の注意・指導や労務管理のあり方のほうが重要であり、仮に裁判等になった際にも労務管理の証拠書類が会社の有利に働くものであることは知っておいていただきたいものです。

「緊急経済対策」に盛り込まれた 企業向け支援措置の内容

◆具体的な内容は?
低迷する景気の底上げのための「緊急経済対策」の内容が1月の閣議決定で明らかになり、企業向けの措置として、企業規模にかかわらず新規に雇用を増やした場合にかかる費用の一定割合について、法人税額から差し引く仕組みが創設されるとのことです(2〜3年間の時限措置とされる見込み)。
この「費用」には、新規の雇入れだけでなく、既存の従業員に対する賃上げ等に要する費用も含まれることとなっています。
また、研究開発費用や設備投資費用の一定割合についても、減税対象とされています。

◆気になる今後の動向
制度の詳細は、1月下旬にもまとめられる予定の「税制改正大綱」において決定され、通常国会に提出された後、審議されることとなります。なお、厚生労働省は、平成25年度税制改正における要望として、雇用促進税制の拡充を挙げていましたが、年間の新規採用者を5人以上(中小企業は2人以上)増やし、かつ雇用者数を10%以上増加させた企業に対し、増やした人数1人当たり20万円の税額控除を認める仕組みについて、1人当たり40万円に拡大する方向で検討されています。

◆その他の支援措置
同じく2013年度以降の措置として、「中小企業金融円滑化法」(いわゆる「モラトリアム法」)が、2013年3月31日に期限切れとなり、貸し剥がし等の加速が懸念されていることを受け、金融庁は、全国の財務局に融資に関する苦情相談の専用窓口を設け、また、中小企業が求める融資条件の変更に金融機関がどれだけ応じたかを開示するよう求めることとしました。さらに、金融機関の健全性を検査する指針「金融検査マニュアル」に融資条件変更にできるだけ応じることを明記し、金融機関が正当な理由なく条件変更を拒否しないよう指導することとしています。
また、厚生労働省では、2012年度補正予算案に「若者・子育て支援」として2,200億円を盛り込み、失業中の若年者等を雇い入れ、職業訓練を実施した企業に月15万円(最長2年間)を支給することを検討しています。
新規採用等を検討している企業においては、こうした動きに注目し、採用と費用の発生のタイミングを検討する必要があるでしょう。

近年増加している 「ベランダ喫煙」のトラブル

◆「ベランダでの喫煙は違法」階下住民に 賠償命令
先日、いわゆる「ベランダ喫煙」に関するトラブルについて、非常に興味深い判決が下されました。マンションのベランダからの受動喫煙が原因で体調が悪化したとして、住人(70代女性)が階下の60代男性を相手に損害賠償(150万円)を求める訴訟を起こし、名古屋地裁は、受忍限度を超えており違法だと判断して女性の精神的損害を認め、男性に5万円の支払いを命じました。

◆双方の主張内容
判決によると、女性は5階、男性はすぐ下の4階に居住し、男性は家族がいるときは外(ベランダ)でたばこを吸う習慣でした。
一方、女性にはぜんそくの持病があり、下から流れてくるたばこの煙をストレスに感じ、帯状疱疹を発症したため、扇風機や空気清浄器を付けるなどの対策を講じたり、手紙や電話で喫煙をやめるよう男性に求めたりしましたが、応じてもらえなかったようです。
男性側は、「女性の体調悪化と煙の因果関係は認められないこと」、「マンションの規則でベランダでの喫煙は禁じられていないこと」、「たばこを吸いながら景色を眺める楽しさや私生活の自由があること」などを挙げ、違法性はないと反論していました。

◆判決の内容
判決は昨年12月13日付で確定しており、川に面した景色の良さから、女性がたばこの煙を防ぐため「日常的に窓を閉め切るような環境ではない」とし、他の居住者に著しい不利益を与えながら防止策をとらないことは不法行為に当たると認めました。原告側の弁護士は「受動喫煙を訴えた訴訟で和解例はあるが、原告が勝訴するのは極めて珍しい」と述べています。

◆肩身の狭い喫煙者
「ベランダ喫煙」に関する苦情の相談が非常に増えており、換気扇で煙を外に出すことも含め、「マンションの自宅からたばこの煙を出してはいけない時代になっている」としています。先日、某社採用ページに「喫煙者は採用しない」旨が掲載され話題になりましたが、今回の訴訟の結果からも喫煙者はますます肩 身の狭い思いを強いられそうです。

平成25年1月増刊号 Kitamura SR News

改正高年齢者雇用安定法に関するQ&Aが公表されました。

平成25年度から公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に65歳へ引き上げられることに対応し、雇用と年金の   確実な接続等を図るため、平成24年の第180回通常国会において高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正(平成25年4月1日施行)が行われました。この程、法改正の趣旨等を踏まえ、当該改正法に係るQ&Aが公表されました。
このQ&Aは、「継続雇用制度の導入」、「就業規則の変更」などの大きく5つに区分して構成されています。以下、その一部を抜粋してご紹介いたします。

●継続雇用制度導入について
今回の「労働契約法の一部を改正する法律」では、有期労働契約について、次の1〜3の3つのルールを規定しています。

Q.継続雇用制度について、定年退職者を継続雇用するにあたり、嘱託やパートなど従来の労働条件を変更する形で雇用することは可能ですか。その場合、1年ごとに雇用契約を更新する形態でも良いのでしょうか。

A.継続雇用後の労働条件については、高年齢者の安定した雇用を確保するという高年齢者雇用安定法の趣旨を踏まえたものであれば、最低賃金などの雇用に関するルールの範囲内で、フルタイム、パートタイムなどの労働時間、賃金、待遇などに関して、事業主と労働者の間で決めることができます。1年ごとに雇用契約を更新する形態については、高年齢者雇用安定法の趣旨にかんがみれば、年齢のみを理由として65歳前に雇用を終了させるような制度は適当ではないと考えられます。
したがって、この場合は、(1)65歳を下回る上限年齢が設定されていないこと、(2)65歳までは、原則として契約が更新されること(ただし、能力など年齢以外を理由として契約を更新しないことは認められます。) が必要であると考えられますが、個別の事例に応じて具体的に判断されることとなります。

●就業規則の変更について
Q.継続雇用制度について、定年退職者を継続雇用するにあたり、嘱託やパートなど従来の労働条件を変更 する形で雇用することは可能ですか。その場合、1年ごとに雇用契約を更新する形態でも良いのでしょうか。

改正高年齢者雇用安定法では、経過措置として、継続雇用制度の対象者を限定する基準を年金支給開始年齢以上の者について定めることが認められています。したがって、60歳の者は基準を利用する対象とされておらず、基準の対象年齢は3年毎に1歳ずつ引き上げられますので、基準の対象年齢を明確にするため、就業規則の変更が必要になります。

【希望者全員を65歳まで継続雇用する場合の例】
第●条 従業員の定年は満60歳とし、60歳に達した年度の末日をもって退職とする。ただし、本人が希望し、解雇事由又は退職事由に該当しない者については、65歳まで継続雇用する。

【経過措置を利用する場合の例】
第●条 従業員の定年は満60歳とし、60歳に達した年度の末日をもって退職とする。ただし、本人が希望し、解雇事由又は退職事由に該当しない者であって、高年齢者雇用安定法一部改正法附則第3項に基づきなお効力を有することとされる改正前の高年齢者雇用安定法第9条第2項に基づく労使協定の定めるところにより、次の各号に掲げる基準(以下「基準」という。)のいずれにも該当する者については、65歳まで継続雇用し、基準のいずれかを満たさない者については、基準の適用年齢まで継続雇用する。

(1)引き続き勤務することを希望している者、(2)過去●年間の出勤率が●%以上の者、(3)直近の健康診断の結果、業務遂行に問題がないこと 等

2) 前項の場合において、次の表の左欄に掲げる期間における当該基準の適用については、同表の左欄に掲げる区分に応じ、それぞれ右欄に掲げる年齢以上の者を対象に行うものとする。
平成25年4月1日から平成28年3月31日まで→61歳
平成28年4月1日から平成31年3月31日まで→62歳

平成25年1月号 Kitamura SR News

有期労働契約の新しいルールについて

有期労働契約は、パート労働及び派遣労働等の、いわゆる正社員以外の労働形態に多く見られる労働契約のタイプです。現在、有期労働契約で働く人は全国で1,200万人と推計されています。そして、その約3割が通算5年を超えて有期労働を繰り返し更新しているのが実態であり、その下で生じる雇止めの不安解消が課題とされています。そこで、働く人が安心して働き続けることができるよう労働契約法が改正され、有期労働契約の適正な利用のためのルールが整備されました。

◆労働契約法改正のポイント
今回の「労働契約法の一部を改正する法律」では、有期労働契約について、次の1〜3の3つのルールを規定しています。

1.無期労働契約への転換
有期労働契約が反復更新されて通算5年(※)を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるルールです。
 (※)5年のカウントは、このルールの施行日以後に開始する有期労働契約が対象です。施行日前に既に開始している有期労働契約は5年のカウントに含めません。

2.「雇止め法理」の法定化
最高裁判例で確立した「雇止め法理」が、そのままの内容で法律に規定されました。一定の場合には、使用者による雇止めが認められないことになるルールです。

○対象となる有期労働契約
(1)過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの
(最高裁第一小法廷:昭和49年7月22日判決(東芝柳町工場事件)の要件を規定したもの)
(2)労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由(※)があると認められるもの
(最高裁第一小法廷:昭和61年12月4日判決(日立メディコ事件)の要件を規定したもの
(※)合理的な理由の有無については、最初の有期労働契約の締結時から雇止めされた有期労働契約の満了時までの間におけるあらゆる事情が総合的に勘案されます。
(※)いったん、労働者が雇用継続への合理的な期待を抱いていたにもかかわらず、契約期間の満了前に使用者が更新年数や更新回数の上限などを一方的に宣言したとしても、そのことのみをもって直ちに合理的な理由の存在が否定されることにはならないと解されます。

○要件と効果
上記の(1)、(2)のいずれかに該当する場合に、使用者が雇止めをすることが、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」は、雇止めが認められません。従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されます。

○必要な手続
条文化されたルールが適用されるためには、労働者からの有期労働契約の更新の申込みが必要です(契約期間満了後  でも遅滞なく申込みをすれば条文化されたルールの対象となります)。
ただし、こうした申込みは、使用者による雇止めの意思表示に対して、「嫌だ、困る」と言うなど、労働者による何らかの反対の意思表示が使用者に伝わるものでもかまわないと解されます。

3.不合理な労働条件の禁止
有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルールです。

○対象となる労働条件
 一切の労働条件について、適用されます。賃金や労働時間等の狭義の労働条件だけでなく、労働契約の内容となっている災害補償、服務規律、教育訓練、付随義務、福利厚生など、労働者に対する一切の待遇が含まれます。

○判断の方法
労働条件の相違が不合理と認められるかどうかは、
(1)職務の内容(業務の内容および当該業務に伴う責任の程度)
(2)当該職務の内容および配置の変更の範囲
(3)その他の事情を考慮して、個々の労働条件ごとに判断されます。とりわけ、 通勤手当、食堂の利用、安全管理などについて労働条件を相違させることは、上記(1)〜(3)を考慮して、特段の理由がない限り、合理的とは認められないと解されます。

4.施行期日
2について:平成24年8月10日
1及び3について:平成25年4月1日

「定年後再雇用拒否」をめぐり最高裁で初判断

◆事件の概要
定年後再雇用を拒否された労働者が会社に対して地位確認などを求めた訴訟の上告審判決が11月29日、最高裁(第1小法廷)であり、継続雇用の基準を満たす労働者は定年後も雇用の継続を期待する合理的理由があるとして、解雇法理を類推適用して雇用関係の存続を認め、会社側の上告を棄却し、雇用の存続と賃金の支払いを命じました。平成18年4月改正による高年齢者雇用安定法(高年法)下の再雇用拒否事件で、初めて最高裁による判断が示されたことになります。この事件では、JMIU(全日本金属情報機器労組)津田電気計器支部(大阪府箕面市)の書記長を含む全組合員3人だけが再雇用を拒否されたため、社員としての地位確認と賃金の支払いを求めていたもので、22年9月の大阪地裁、23年3月の大阪高裁のいずれも労働者側の主張を認める判決が出されていました。

◆会社による恣意的な再雇用基準の運用は認められない
本件では、労働者側は雇用の継続を希望したものの、会社側は仕事ぶりを点数化して評価する社内基準を満たしていないとして、61歳を迎えた21年1月以降の再雇用を拒否していました。裁判所は、この会社の対応について、「男性は社内の基準を満たしており、再雇用しないのは合理的な理由を欠く」と述べ、不当に低い評価をして再雇用を拒否したのは違法だとの判断を示しました。

◆再雇用拒否をめぐる労使トラブルの今後
本年4月より改正高年法が施行されると、一定年齢以上の者については、従来通り労使協定等に定める再雇用基準に照らして継続雇用の対象とするかどうかを会社が判断することができますが、それ以外の者については、原則として、希望者全員を雇用確保措置の対象とすることが義務付けられます。今後は、企業が不当に労働者の継続雇用申入れを拒否した場合や、再雇用後の雇止め理由が合理的でない場合等に、労働者から地位確認および賃金の支払いを求めて訴訟提起される可能性があると言えます。

=今月はここまで。また来月お届けします=

平成24年12月号 Kitamura SR News

最近の労働裁判からピックアップ

◆たばこの煙で安全配慮義務違反?
仕事中の受動喫煙が原因で病気になったとして、岩手県の職員男性が同県に対して損害賠償(約890万円)などを求めて訴訟を起こしていましは「男性が呼吸困難を発症した20年当時、残留たばこ煙にさらされないようにすべきだとの認識は一般的ではなかった」とし、安全配慮義務違反には該当しないと判断しました。

◆エンジニアの死亡は過労によるものか?
システム開発会社(本社:東京都)のエンジニアだった女性が死亡した原因は過労にあったとして、女性の両親が元勤務先に対して損害賠償(約8,200万円)を求めていましたが、福岡地裁は過労死と認め、約6,820万円を支払うよう命じました(10月11日判決)。この女性は平成10年に入社して福岡事業所に勤務し、平成18年からシステム改修のプロジェクトに携わり、午前9時から翌日の午前5時まで働くこともあったそうです。平成19年3月に自殺を図った後に職場復帰をしましたが、同年4月、出張先のホテルで致死性不整脈のため死亡しました。
裁判長は、平成19年2月の時間外労働時間が127時間を超え、プログラム完成などの精神的緊張もあったとして、死亡と業務との因果関係を認めました。

◆契約更新拒否は解雇権の濫用か?
空調機器会社(大阪市)の元期間従業員4人が、有期雇用契約に上限を定めて契約更新を拒否されたのは解雇権の濫用であるとして、元勤務先に対して地位確認などを求めていましたが、大阪地裁はこの請求を棄却しました(11月1日判決)。当初、4人は請負社員として勤務(6〜18年間)していました。大阪労働局が平成19年12月に「偽装請負」であるとして是正指導を行い、会社は平成20年3月に4人を正社員として雇用(期限付き)しましたが、22年8月末以降の契約を更新しませんでした。
裁判長は「解雇の手続きを踏まずに期間満了によって契約が終了する点に着目して有期雇用契約を申し込んだにすぎず、解雇権濫用とはいえない」と判断しました。

「職場の飲みニケーションは必要」は古い考え!?

◆約6割が「職場の飲み会は必要」
「飲みニケーションは必要だ!」という考えも今や昔の話とも思われがちですが、まだまだ健在のようです。株式会社インテージが今年8月に実施した「仕事帰りの外飲み事情2012」(ビジネスパーソン意識調査)の結果が発表されましたが、この調査によれば、約6割の人が「職場の飲み会は必要」と思っていることが明らかになりました。

◆仕事帰りの飲みの相手は誰?
最近3カ月の仕事帰りの外飲み(職場以外の人との飲みも含む)の状況ですが、67.1%の人が飲みに行っており、男性20代で81.0%、女性20代で75.0%でした。32.9%の人が飲みに「行っていない」と回答しましたが、特に女性30〜50代の割合が高いようです。
たが、盛岡地裁は請求を棄却しました(10月5日判決)。この男性は平成20年1月ごろ公用車を運転した際、車内におけるたばこの煙が原因となって、鼻の痛みや呼吸困難が発生し、同年4月に「化学物質過敏症」と診断され、その後、平成21年7月までの約1年間休職となりました。
裁判では、県が「公用車の少なくとも1台を禁煙車にしなかったこと」が、安全配慮義務違反となるかどうかが争点だったようですが、裁判長 仕事帰りに飲む相手の上位は、「職場の同僚(同性、異性問わず)」が最多(56.1%)であり、「職場の同僚(同性のみ)」(33.3%)、「職場の上司」(32.6%)が続いています。
やはり、仕事の延長で職場の人と飲みに行く人が多いようです。

◆職場の飲み会は必要or不要?
職場の飲み会については、約6割(58.9%)の人が「必要だと思う」と回答し、男性のすべての年代と女性の20代では6割以上が「必要」と回答しているのに対し、女性の30〜50代では5割以上の人が「必要だと思わない」と回答しています。職場のコミュニケーションを図る1つの方法として「職場の飲み会」は有効なようですが、20代男女の3割以上は「上司からの誘いを断ることができない」と思っている状況もまた、あるようです。

今後重視される安全衛生分野における取組み

◆「第12次労働災害防止計画」の策定に向け審議中
「第12次労働災害防止計画」とは、労働安全衛生に関して、平成25年から平成29年度までの5年の間に、国(厚生労働省)が計画的・重点的に対策を行う内容を定めるものです。現在厚生労働省労働政策審議会安全衛生部会に骨子案が示され審議中です。

◆高年齢労働者増加への対応
まず特徴的なのは、高齢化や改正高年齢者雇用安定法の施行により、今後も増えるとされる高年齢労働者に対する取組みです。
骨子案では、次の事項が指摘され、対策を強化する必要があるとしています。
(1)60歳以上の高年齢労働者数
平成14年(約400万人)→ 平成19年(約550万人)に増加
(2)労働災害に占める60歳以上の割合
平成19年(16.3%)→ 平成23年(20.5%)に増加
(3)平成22年の労働災害発生率
〔死傷災害〕
全年齢平均(2.14/千人当たり)
60歳以上(3.08/千人当たり)
〔死亡災害〕
全年齢平均(0.22/1万人当たり)
60歳以上(0.47/1万人当たり)…非常に高い数値

◆改正労働安全衛生法とメンタルヘルス対策
労働安全衛生法の改正(改正法案は今国会では廃案になりましたが)では、健康診断時のストレスチェック制度や受動喫煙対策の推進も明記され、労働者数50人以上の会社についての重点的な対策が検討されていたようです。昨今のメンタルヘルスに関する状況を見ていると、今後も労働者の安全・健康管理に対する国の施策が進められていくのは確実なようです。

◆対策が強化される業種は?
労働災害防止対策を重点的に進める業種として、「建設業」「貨物運送業」「第3次産業(小売業)」「介護事業(社会福祉施設)」等が挙げられています。これらの業種では、業務に伴う発生率の高い災害を防止するとしています。
なお、恒常的な長時間労働などは、行政による是正指導・是正勧告、そして様々な労使トラブル(合同労組・ユニオン等からの団交要求、多額の損害賠償請求、無用な裁判費用、新たな労災・メンタル不全の発生…etc)の元凶となりますので、早めの取組みが大切です。

=当事務所から=
来年の干支の巳にちなみ、蛇は脱皮することから「復活と再生」を連想させ、また、餌を食べなくても長く生きられることから神の使いとして崇められていました。例えば、七福神のひとつである弁財天は、蛇を使者に用い、その化身が蛇であるともされていますので、蛇の形をした神として祭られていることもあります。弁財天はご承知の通り、蓄財や芸能の神ですが、当事務所も皆様に「財」をもたらすために、蛇が脱皮するが如く一皮も二皮も剥けた形に成長できるよう、邁進してまいりたいと存じます。

平成24年11月号 Kitamura SR News

スマホ等の「ブルーライト」が眼の健康に及ぼす影響

◆「ブルーライト」って何?
パソコンやスマートフォン、携帯用ゲーム機やタブレットの液晶ディスプレイ、またLED照明などから発せられる光のうち、可視光線で最も強い青色光を「ブルーライト」といい、他の色の光のように眼の角膜や水晶体で吸収されず、網膜まで達します。青色光よりさらに強い紫外線については、長時間浴びると角膜炎等の眼病を生じることが明らかになっていますが、青色光も、眼の中で光を散乱させ、眩しさを感じる原因となることが判っています。

◆目の健康にどのような影響を与える?
青色光は眩しさを感じる原因であることから、長時間青色光を発する光源を見続けると、眼精疲労を引き起こす可能性が指摘されています。     また、人間は青色光を見ると「今は活動時間である」と感じ取り、脳が覚醒することから、夜遅くに青色光を見続けることで体内時計が狂ったり、睡眠障害を引き起こしたりする可能性が指摘され、研究が進められています。

◆ブルーライト保護商品の効果は?
青色光を50%カットする効果のあるメガネが、あるチェーン店では発売開始から1年ほどで75万本超を売上げ、パソコンやスマートフォンの液晶保護フィルムも人気を集めています。眼科医や大学教授らで立ち上げたブルーライト研究会では、保護メガネの使用が眼精疲労や睡眠に及ぼす影響に関する調査結果を発表していますが、いずれも一定の効果があったそうです。
ところが、人間の水晶体には元々青色光をブロックする仕組みがあること、自然光にも青色光が含まれていること、また、目を酷使することが眼精疲労の原因となることから、まだ青色光が有害とは言い切れないとする見方もあるようです。

◆ブルーライト保護商品に頼らずに眼の疲れを軽減するには?
オフィスにおける眼精疲労の原因には、何と言ってもパソコンの長時間使用が挙げられるますが、モニタの明るさを落としたり画面の背景色を変えたりするだけでも、疲労感を軽くすることができるそうです。VDT作業については、厚生労働省も従事者の心身の負担を軽減するためのガイドライン等を設けています。肩こりや眼精疲労に悩む社員がたくさんいるという企業では、これらを参考に作業環境を見直してください。
東京労働局「新VDT作業ガイドラインのポイント」でインターネット検索してください。

職場のコミュニケーションは円滑ですか?

◆約9割が仕事で「自分の考えがうまく伝わらない」
学校法人産業能率大学が平成23年にビジネスパーソンを対象に実施した、ビジネスシーン、職場におけるコミュニケーションの意識調査「ビジネスパーソンのコミュニケーション感覚調査」(対象:20代〜50代のビジネスパーソン337人)によると、仕事のコミュニケーションとして「自分の考えがうまく伝わらない」と考えている割合が約9割にも上ることがわかりました。
その理由として、「自信をもって自分の考えを主張できないから」「自分の考えに論理性や合理性がないから」など、自分に原因があるという回答が5割を超える一方、「相手に聞く姿勢がないから」など、相手に原因があるとする回答も52.7%と半数を超えました。

◆6割強が「職場で孤独を感じる」と回答
職場で「ギスギスした雰囲気があるか」という質問には、36.2%が「ある」と回答しました。
また、「職場で孤独を感じるか」との問いには、6割強が「ある」と回答し、その理由について、「自分のことしか考えていない人が多いから」(34.8%)、「メンバー同士の関係性が希薄だから」(34.3%)、「世代のギャップがあるから」(33.8%)、「仕事が縦割りでお互いの状況がよくわからないから」(32.4%)が挙げられています。
また、「IT化で対話が減少した」(11.1%)という回答もありました。

◆「職場のコミュニケーション活性化」が
労務トラブルも予防する
職場のコミュニケーションがうまく図れていないと、業務に支障をきたすだけではなく、昨今問題となっている職場のパワーハラスメント等にも発展しかねません。
厚生労働省は今年10月1日から「みんなでなくそう!職場のパワーハラスメント あかるい職場応援団」というサイトを開設しており、その中で職場におけるコミュニケーション環境を向上するための連載を取り上げたり、パワーハラスメントと職場のコミュニケーションの関係について触れたりしています。
職場でコミュニケーションに特化した社員研修を取り入れたり、1人ひとりが適切かつ積極的な声掛けを行ったりすることで、パワーハラスメントをはじめとした労務トラブルの予防に繋がればと期待します。

「BYOD」ってご存知ですか?

◆「BYOD」とは?
最近、スマートフォン、高性能ノートパソコン、タブレット等の業務利用が増えてきているようです。特に、私物のモバイル機器を業務に利用することを「BYOD」というそうです。「BYOD」は、"Bring Your Own Device"の略で、「私物モバイルの業務利用」という意味です。

◆企業のメリット
個人情報保護法の施行以来、個人のモバイル機器の利用については「原則禁止」とする企業が大半でした。しかし、すでに世の中の状況は変化しており、個人所有の機器を利用することによる企業のメリットもあります。
(1)企業支給のものより個人所有のもののほうが高性能であることが増えた
(2)自宅や外出先でも、「クラウド型サービス」が利用可能なことが多くなり、端末の種類を問わず利用できるようになった
(3)モバイル勤務環境を構築しやすくなったため、緊急時の事業継続性が確保できる
(4)セキュリティー技術、管理ツール・サービスの発達により、利便性を損なわず安全にBYODを導入出来る環境が整ってきた
使い慣れた機器を利用することで、従業員の業務効率やモチベーションのアップにもつながります。

◆企業のリスク・課題
しかし、利用にあたっては、企業が検討すべき課題も当然ありますし、導入にあたっては、従業員に対する情報管理教育の実施や内部規程の整備が前提となります。
(1)個人情報・機密情報等の情報漏洩、ウイルス感染等のセキュリティー対策
(2)「いつでも」「どこでも」業務活動ができる状況についての勤怠管理
(3)利用する機器内にある従業員のプライバシー情報の取扱い
(4)端末購入費や通信費に対しての補助が必要か
(5)IT管理者の知識向上、機器のアップデート等のコスト
◆真剣に検討すべきとき

日常生活や諸官庁の届出まで、IT化は加速度的に進展しています。いつまでも「リスクが、リスクが…」と言って敬遠しているわけにもいかないのが実情のようです。そうした逃げの姿勢では、会社の事業活動は萎縮するばかりです。便利で業務効率を上げくれるBYODですが、「リスク」と「メリット」のバランスを慎重に検討した上で、導入の可否を決定する必要があります。

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